養生訓(貝原益軒)

この本が上梓されたのは1713年です。今から(今年2001年)288年前のことです。当時、益軒は84歳でした。この本の中には「人生の楽しみ方」が書かれています。その「楽しみ方」には、以下の3つの面をもっています。
 @≪道≫を行い≪善≫を楽しむことA病なく快く楽しむことB長寿の楽しみです。益軒はこの≪三楽≫をいかなる金銀財宝の富や名誉の貴さよりも優れたものとしています。

 また≪長寿≫もただの有機体の一物として長く生きるということではなく、「欲をすて謙虚に、畏敬の念を忘れずに生きる」人間の真の姿を描いています。さらにこの書は単なる≪養生≫の技術や知識を述べたものではなく、ここで説かれているのは、≪永遠の命≫を生きる人間の知恵であります。決して理性的な観念や原理をふりかざしたような乾燥したものではありません。それゆえ288年も経った現在でも、日本人の体質や風土に適合した深い味わいを出しているとおもわれます。

ここでは≪養生訓≫の代表的な部分を載せてみましたので、興味ある方はクリックしてみてください。

人間の尊厳性 養生の心がけ 内なる欲望と
外なる邪気
七情を慎む
心気を養う養生術 嗜欲と忍 養生は畏れの一字 身体と運動
内敵には勇、
外敵には畏れ
人生の三楽 常と変と養生と 睡眠と養生
気血の流通は
健康のもと
食後の養生法 働くことは養生の道 養生法の要点
動と静の養生 気から百病生ず 丹田の気を集める 七情と養生
呼と吸と 調息法

参考文献:養生訓(講談社学術文庫)(徳間書店)(隆文館)

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