七情とは、気・怒・哀・楽・愛・悪・欲のことである。しかし医家では七情を喜・怒・憂・思・悲・恐・驚とする。また六欲というものがある。耳・目・口・鼻・身・意の欲である。 七情の中で、怒りと欲との二つはもっとも徳を傷つけて生をそこなうものだ。怒りを制し欲を我慢するのは易経でも戒めとしている。怒りは陽に属し、火が燃えるようである。ひとの心を乱して元気をそこなうのは怒りである。だからこれをおさえて忍ばなければならない。欲は陰に属して水が深いようなものである。人の心を溺らせ元気を減らすのは欲である。心して防がなければならない。 |