働くことは養生の道

華佗は言う。「人の身は労働すべし。労働すれば穀気が消えて血脈流通す」と。

 そもそも人の身体は、欲を少なくしてときどき運動し、手足を働かせ、よく歩いて長いあいだ同じところに座っていないようにすれば、血気がよくめぐって滞る心配はない。これも養生の大切な努めである。毎日このように心がけるのがよい。

 『呂氏春秋』に、「流水腐らず、戸枢むしばまざるは、動けばなり。形気もまた然り」と。

 その意味はこうである。流水はくさらないが、溜まり水は腐る。開き戸を開閉する軸は虫が食わない。この二つの物は絶えず動いているからそうあるのだ。人の身体も同じ理であろう。同じ場所に長く座して動かなければ、飲食の消化が悪く、気血が全体にめぐらないので病気になる。食後すぐに横になることと昼寝はもっともいけない。夜でも飲食の消化しないうちに早く寝ると、気がふさがって病になる。養生の道では、こうしたことをもっともさけなければならないのである。