伝統行事に見る民間薬

日本では昔から、季節の節目にはいろいろな習慣が受け継がれており、東洋医学の考え方に沿った風習も多く見ることができます。
これは単に季節の植物を楽しむだけでなく、新しい気候に自分たちの身体をならし、健康的な生活を送るための心身の準備を促していると言えるでしょう。最近ではすぐに結果を求めたがる風潮がありますが、薬効を期待するというより、私たちに健康的な生活を送るための知恵を与えてくれていると思います。この伝統的な習慣の意味を理解して、次の世代に文化継承していくことができたら、すばらしいことだと思います。


ここでは民間薬が使われている代表的な習慣を紹介いたします。

1月1日 元旦 お屠蘇
1月7日 人日 七草粥
1月15日 小正月 あずき
2月2日 二日灸 よもぎ
3月3日 桃の節句 桃・よもぎ
5月5日 端午の節句 菖蒲・よもぎ
6月30日 夏越の祭り ちがや
7月30日頃 土用の丑 うなぎ・桃の葉
9月9日 重陽の節句 菊花・呉茱萸
12月21日頃 冬至 ゆず・かぼちゃ
12月31日 大晦日 おけら


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参考文献:暮らしの伝承(朱鷺書房)、植物と行事(朝日選書)、五節の楽しみ(淡交社)
       東洋医学を知っていますか(新潮選書)、雑学日本のこよみ(誠文堂新光社)