元旦の朝は、家長が新年の挨拶をした後、お屠蘇を神にささげ「一人これを飲めば一家疾なく、一家でこれを飲めば一里なし」と唱えて、年少のものから順順に東を向いて、高蒔繪三つ組のお盆で飲んでいくのが習慣でした。 我が家のお屠蘇の作り方は、大晦日の夜にコップ一杯の水のなかに漬け込み(生薬のあくを取るためらしい)元旦の朝、取り出して今度はお酒に浸して飲みます。作り方は各家庭それぞれで、味醂を使ったり、最近では白ワインを使ったりするようです。 お屠蘇の中身は何だろう?といいますと、6つの生薬からできています。(最近は大黄をぬいて5つの場合もあります) 以上のようにお屠蘇は、風邪を防ぎ、消化機能を整え、身体を温める作用かあり、正月という寒い季節にかかりやすい病気を防ぐものと言えます。また、大晦日に井戸の中につるしておく風習もあったようですが、これは井戸の浄化が、目的とされていたようです。 お屠蘇の起源はと言いますと、漢の武帝の時代、華佗(かだ)と言う名医が発明したもので、日本に伝わったのは嵯峨天皇の弘仁二年(811年)でした。最初は宮中で飲まれていたのですがいつしか広まっていったそうです。 名前の由来は「病気をもたらす(邪)を屠り、生命力、抵抗力(正気)を蘇えさせる」ところからきている様です。 |