一月七日 七草がゆ

春の七草 別名 内容
セリ - セリ科の多年草
精を養い、血脈を整え神経痛、痛風、リウマチに良い。
ナズナ ペンペングサ
シャミセングサ
アブラナ科の二年草
6〜7月に全草を天日乾燥、若菜の青汁は動脈硬化に良い。
オギョウ ハハコグサ
ホウコグサ
キク科の二年草
開花期に全草を天日乾燥する。咳・痰に良い。
ハコベラ ニワトリグサ ナデシコ科の二年草
産後の浄血や催乳に用いる。
ホトケノザ コオニタビラコ キク科の2年草
胃腸に良い。
スズナ かぶら アブラナ科の1〜2年草
葉はビタミンA・C・Caを多く含んでいる。
若菜は理想的な緑黄色野菜です。
スズシロ だいこん

nanakusa.jpg正月七日、七草粥を食べて祝う行事です。江戸時代には≪人日≫と言って五節供のひとつになっていました。≪人日≫とは中国の古俗に、元旦から六日までは獣蓄を占い、七日には人を占うことから来ています。この日は刑を行わずに七種采羹を食べて、無病息災を祈念しました。七種の若菜の生命力を吸収するとともに青菜の不足しがちな時期でもあり、(特にお正月にお持ちを食べ過ぎた人には)その補充を忘れないための古人の優れた知恵と言えます。

ちなみに春の七草の対で秋の七草があります。年中行事にはないようですが、はじまりは≪万葉集≫に中に歌で残されています。有名な「芽の花尾花葛花瞿麦の花姫部志また藤袴朝顔の花」と歌われています。この中の七つの植物はいずれも生薬として用いられています。

秋の七草 生薬名 内容
ヤマハギ めまい・頭痛に根を煎じて飲む
ススキ ススキ 風邪の解熱に根茎を煎じて飲む
クズ 葛根 風邪のひきはじめに根を煎じて飲む
ナデシコ 瞿麦 むくみの時の利尿につかう
オミナエシ 敗醤草 腫れ物・解毒・利尿につかう
フジバカマ 蘭草 皮膚のかゆみに入浴剤としてつかう
キキョウ 桔梗 のどの痛み・咳に根を煎じて飲む

秋は乾燥した冷たい空気により、東洋医学で言う肺を犯されやすい季節です。この季節は皮膚と関係があったり大腸ともつながりがあると東洋医学では考えています。秋の七草はこの季節の風邪、頭痛、消炎、皮膚炎などに効く植物が集められており、先人たちの知恵には脅かされるばかりです。