七月三十日頃(土用の丑の日)

土用は本来雑節の1つで、立春、立夏、立秋、立冬が訪れるまでの18日間のことを土用と呼び、年に4回あります。その中で夏の土用は今の暦で7月20頃(太陽の黄径が117度のとき)から立秋前日の18日間をいいます。そのうちの丑の日(カレンダーにある十二支の名前)のことを土用の丑の日といいます。

現在でも土用の丑の日に鰻を食べる習慣があります。この習慣は、江戸時代に平賀源内が鰻屋のCMとして≪本日は土用の丑≫として宣伝したと伝えられています。しかしその真偽は定かではありません。

unagi.jpgしかし、鰻のすごいところは、ビタミンAを豊富に含んでいるところです。100g中に約4700IUのビタミンAを含んでおり、成人の所要量の2倍にあたります。中ぐらいの蒲焼一串で2日分のビタミンAをとることができるのです。


夏の暑いときは、食欲も減退して淡白な食事になりがちなので、鰻を食べて防ごうとするのは、蒸し暑い風土に根付いた生活の知恵だと言えると思います。

ただし鰻は飽和脂肪酸が多く栄養価の高い食品なので、高脂血症でコレステロール値が気になる人は、食べ過ぎないように注意してください。

またもう1つ土用の丑の日には[桃の葉]をお風呂に入れてはいります。(最近でも銭湯などでは見かけるようです)これは桃の葉の成分(タンニンが炎症を抑えて肌を収縮させる)が「あせも」や「湿疹」によくきくことから来ています。

file:///E:/MdCpStd/momo1.jpgひな祭りのところでもふれましたが、中国では桃は邪気を祓う仙果として珍重されています。そのわけは、桃の種は「桃仁」と言い血流の流れを良くします。さらに花は「白桃花」といい、利尿効果があります。このように実、花、葉、果実とすべてに薬となるためです。

最後に桃の木を庭に植えると病人がでるか、早死すると言う俗説は「桃の木は生育が早いため3年で開花、結実します。その代わり衰えるのも早く5年で老境に入り、10年で寿命が尽きる。」というところから来ているようです。