ジムニーの幌化キットは1999年に試作を開始し、翌2000年に生産タイプを販売し始めました。作り始めた理由はジムニーの幌車のタマが当時でも
少なかったことに起因します。JA11が新車販売していた頃を思えば、バンと幌の販売台数は圧倒的にバンが多勢。JA12Cが生産終了して、しばらく
したころ、そんなタマ不足に直面しました。
無い物ねだりはいつの世もあるもので、ある人はJA71Cの安い個体を探してきて、自分のJA11バンに幌ボディを載せ替えたり。ある人は幌車の純正
パーツを取り寄せて、切った貼ったを駆使して長い時間と苦労をへて、愛車のバンを幌車に生まれ変わらせていたりしました。
当店にもそう言った依頼が少なからずあった訳ですが。ある日バンを幌車への改造の過程で純正パネルの薄板を苦労して溶接していた時、ふと思いま
した、何とか、もっと簡単にバンを幌に改造できないだろうかと・・・
幌化キット手順・その1
まずは車体を切断加工していきます。ウインドウの上部分はおおよそ黒線の位置をカットします。
この部分には幌化キットのウインド上部カバーなるものが被さるので、実作業ではカバーを該当部分にあててみると
実際に切る部分の目処がなんとなしにわかって来るかとおもいます。
後部は車体のプレス凹みより2cm上部分を切っていきます。画像のようにマスキングテープで印すると
良いでしょう。内張りやリアゲートはすでに外してあります。
前部分をカットするとこのような感じに、レインモールの耳をウインドカバーと嚙みこむ感じにする
ために、画像のように切り込みを入れると、より一層強固に仕上がるかと思います。
後部の切断後、プレスの凹みからキッチリ2cmのところで切っています。この後切断面を整えて錆止め
処理をすると良いでしょう。
ウインドカバーをはめてみます。実際パネルボンドやリベッターを使う前に仮付けしてみるのが
良いですね。画像の左右の内側はこのようにタイヤレバーなどで浮かしつつ入れると入れやすいです。
リア周りも実際固定してしまうまえに仮にフェンダーカバーを被せてみて、カバーの平行を
確認するとよいです。
そうしてフェンダーカバーが無事被さるようでしたら、Bピラーを乗せてみて、ルーフサイドも仮組み
してみて、ついでにドアも付けて各部の隙間、取り付け状況を確認、そして必要ならば調整・加工を
加えていきます。画像の車両のようにドアの外周の隙間が均一であるのが理想です。
フェンダーカバーを被せる前に、リアゲートを取り付ける準備をします。リアゲートの取り付けナット穴は
アングルにナットを溶接したものを用意、フェンダー後部のこの箱部分はリアゲートの重みを支えなければ
ならないため、画像のように補強ステーを追加接続して筒状に強化するとよいです。
これらの下準備が済んだら、本格的に各パーツをボディに穴開けし取り付けていきます。フェンダーカバー
及びウインド上部カバーはボルトナット、リベットのほか、パネルボンドを使い強固に取り付けます。
ウインド上部カバーとルーフサイドステーの接続部の拡大図です、幌を使用する場合は画像のように幌の
レールとホックを付けます。また、レールの横に画像のようにウレタンブロックを貼ると雨水の侵入を防ぎます。
純正形状の幌を使用する場合は画像のようにホックボルトをフェンダーカバーの取り付けに併用すると
よいです。
FRP・Bピラーを使用する場合は必ず4点以上のロールバーを取付け、シートベルトのアンカーを取る
ことをお勧めします。
こうして幌化キットによる、バン→幌車作業は終了・完成です。
幌化キットの良い所は、もともと幌車の設定のない車両も幌にできる所と思います。画像は
JB31シエラ。
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