鈴音御使


「あら、劉さん」

「ああ、鈴か」

台所で夕飯の仕度をしている最中、
休みを取っているはずの料理人が、ひょいと顔を出した。
驚いた顔で、眼をぱちぱちとさせて甘鈴がそれを迎える。

「驚いた、奥で寝てたの?」

「いや違うよ、休暇だから外に居たぜ」

「嘘、どうやって入ってきたの、気配無かったよ、怖っ」

「ははは、俺専用の出入り口がついてんだよ、この奥にはな」

「ふーん、でもどうしたのさ、頭でも打った?」

「なんでだ?」

「休みなのに働きに来たから」

「バカ言ってんじゃねぇよ」

劉はいつもの顔で笑った。
だが、甘鈴の指摘の通りどこか愁いがあるように見える。
劉を心配しての冗談だったが、返された硬い笑顔になにか不安を覚える甘鈴。
それを払拭するかのように、劉は唐突に懐から何かを取り出し、ひょい、と投げた。

「わ…なにこれ?」

「街でいいもの見つけてな、夕飯まだなんだろう、俺が代わるよ」

渡されたものは何かの乾物らしい。
甘鈴は知識が乏しいので、そういった物産のような物の鑑定はできない。
台所でたまに見かける、アワビや貝柱では無いらしい。

「何を作ってくれるの?」

「バカ言ってんじゃねぇ、お前じゃねぇよ、これは旦那様に出すんだ」

「あら、それじゃ本当に休みなのに働きに来たの劉さんてば」

「俺ぁ、働き者なんだよ」

二人軽口を叩いて笑い合った。甘鈴は渡された物を手で弄ぶ。
厨房という場所が好きなせいもあるが、
何かにつけて優しくしてくれる劉を気に入っていることも手伝って、
甘鈴はその場にいつものように居座り続けている。
料理人は、手伝いもしないのにその場に居座る娘に、
少し険しい顔でその仕草を見咎めた。

「鈴、邪魔だから出てろ」

「おや、いつもはそんなこと言わないじゃない」

「そういうのがいけねぇと気付いたんだ、甘やかすのはヤメだ」

少しきつい調子で言われた。
ちょっと面食らったが、ここで引き下がるほど二人の仲はよそよそしくない、
むしろこの言葉が甘鈴を焚き付けるほどだ。
それがまた顔に出て、劉はしまったと舌打ちをした。

「邪魔しないから料理の仕方見せてよ、あたしも少しは上達したいの」

「焚き付けるつもりは無かったんだが、お前は手伝いなんだから料理する必要なんざ」

「お嫁ちゃんになるのに必要なんだよ」

「…はは、なるほどな」

苦笑して、仕方ないという顔で劉は引き下がった。
いや、丸め込まれた。甘鈴の間の抜けた平生を見ているからだろう、
結局折れるのは料理人のほうだ。親子とまでの歳は離れていないが、
それに近い関係ではある。甘鈴は結局そこに居座ることとなり、
劉はそのまま料理にとりかかる。火が起きて、そこに大きな鍋がくべられた、
少量の水を入れて先ほどの乾物を戻すらしい。
勉強見学と言った手前、甘鈴はその手際をじっと観察する。
本当、うまいもんだなぁ。感嘆するほど手が早い。
てきぱきと無駄がなく、調味料と具材と鍋との間を忙しくおたまが行ったり来たりする。

「劉さん本当すごいね」

「まぁ、料理人だから当たり前だな」

「いつ頃からしてるの?」

「話してなかったか?」

「なんかヤクザなことしてたってのは聞いたよ」

「ああ、そういやそんなこともあったな」

がらん、鍋が別の火に置き換えられた。
そこで劉の手が止まった。どうやらしばらく弱火でじっくりらしい。
何ができあがるのかはさっぱりわからないが、既に良い匂いが漂いはじめている。
劉は側にあったイスに座ると鈴のほうを見た。先ほどの質問に答えるらしい。

「まぁ、カタギじゃなかったのは確かだ、だけどそんなのも長く続かなくてな、7年前だ」

一息を入れると、右の袖をまくりあげて甘鈴に腕を見せた。
そこには大きな傷跡がある、刃傷なのはすぐにわかった。
甘鈴はそれを見て、少し怯えて瞳に波紋を広げる、
潤いを帯びた目の膜が、その腕を見て哀しそうに震えている。
傷の痛みがわかる娘なのだ。
劉は、少しぎこちないそぶりで腕を動かした、右手は自由があまり利かないらしい。

「まぁ、こんな傷を貰っちまったから商売あがったりさ、
逃げて逃げて、どれくらい逃げたかも忘れるくらい、
何もかもから逃げて、その間にな、一人で飯くらい作れねぇといけねぇって所から、
まぁ、料理人じゃねぇが、始まったんだな、今のこれが」

しみじみと語る口は、いつもよりも深みがあるように感じた。
言葉に重みというか、甘鈴にはわからない何か濃いものがあったのを想像させる。
甘鈴は思うままに、質問をぶつけてみる。

「その傷はどうしてだったの?」

「ん?…ああ、こいつはな、まぁデカイ仕事(やま)でやられてな」

「そんな傷負うなんて…どんな悪いことしてたのさ」

「悪いことなんざ一通りやったからどれとは言えねぇよ、バカ野郎」

「野郎じゃないもん」

「もんとか言うな、薄気味悪い」

会話を続けながらも料理人の目は火元を常に視野へと入れている。
ちょろちょろとした火が鍋の底を撫でている。
じりじり、入れられた水面のふちが、細かい泡を発して蒸気を昇らせる。
真ん中に入れられた乾物は少しずつ形を戻してきている。

「7年前にやめたってことは、旦那様の所に来たのって」

「3年前だな」

「いわく付きだなぁ」

「何がだよ」

「姐様も3年前、政変の年に色々あって大変だったって言ってたから」

甘鈴は朝方の話を思い出した。
胸の痛む話ではあるが、それが本当の姿なのだと、
どこか自分に言い聞かせるように言葉を反芻する。
劉はそれについては返事をせず、もとの話を続けた。

「旦那様が、路頭で売ってた俺の料理をえらく気に入られてな」

「旦那様って、なんというか美味しい物好きだよね」

「ああ、その舌にかなっているか、それはわからんが拾って頂けた」

「よかったじゃない」

「そうだな、本当に俺の料理を見込んで雇われているならな」

少し遠い目で語った。声の終わりがややかすれた。
この屋敷では、姐手伝いや劉に限らず、皆少なからずの不幸を背負っている。
劉は同情されて拾われた。そう思っているのだろうか。
甘鈴は締め付けられるような寂しさを覚える、
他人が酷く寂しがる仕草に弱い。
自分と重ね合わせてしまいそうになり心持ちが弱る。
誰かに助けられること、それにどうにかして対価を支払いたい。
どれほど奉仕すればよいか、奉公すればよいか、
そんな自分への不甲斐なさが、心に切り傷を加えていくように過ぎる。

「大丈夫だよ、劉さんの料理は美味しいもの」

「はは、そりゃよかったが、まぁ、な」

やはり寂しそうに笑った。
彼の料理人としての誇りが、主人の求める度合いを推し量って、
そこに届いていないと自覚させているのかもしれない。
甘鈴はそうやって思ってまた、哀しくなった。
救っていただけることへの感謝をこの人もしているんだと思ったのだ。
話が過ぎたのか、ちょうど時間となったのか、劉はまた鍋へと手をかけた。
会話は断絶する。
がしゃん、がしゃん

「おい、鈴」

「うん、お皿でしょ、はい」

「…はは、成長してやがるなお前も」

いつもの渇いた笑いだったが、さっきよりも随分とうれしそうな目で笑った。
料理は、ただ煮られただけの物に見えたが、知らぬ間にとろみがかかり、
青い菜物が加えられ、おたまがぐるりと二度それを回した。
鍋からこぼれ落ちるようにして盛りつけられた品が出来上がる。

「完成だな」

「凄い、超美味しそう」

「お前はその貧相な言語からどうにかする必要があるな」

「料理に言葉は要らないよぅ」

旦那様へ出す皿は完成したが、まだ少しだけ料理が鍋に残されている。
それを劉が自ら食べ、甘鈴にも勧める。
甘鈴は待ってましたとばかりにそっと口に運んだ。
とろりとしたそれは、青菜のしゃきしゃき感とあいまって、
最高の食感と味を演出している。
煮込んでいた乾物のダシが利いてて、実に濃厚な味わいだ。
鼻から抜けていくような独特の香りがまた、食欲を増進させる。

「どうだ?塩辛くないか?」

「ん、全然大丈夫だよ、凄い、凄いおいしい」

手放しで喜ぶ甘鈴。人間はうまいものを食べた時、笑う生き物だ。
劉はそういうのを見るととてもうれしくなる。
自分がそうさせた、自分の料理がそうさせたことが、
彼の人生に少なからずの光を与えてくれるから。
能書きさておき、満足げに頷くとそれを運ぶことになる。
甘鈴が通例運ぶのだが、今回は、

「いや、今日は直々に俺が持っていく」

と、料理人が言った。
甘鈴は断る道理もないので引き下がった。よほど良いものが作れたせいだろうか、
自身で感想を伺うつもりかもしれないと甘鈴も遠慮して後かたづけをすることにしたのだ。

盆へとそれを乗せて、他の菜物や飯は、別に作ってあった分を運ぶことにする。
もともと用意してあった料理に、劉がさらに一品多く加えたという具合。

「よし、…っつ」

「え?大丈夫?あ、怪我?」

「いや、気にするな、起き抜けに派手に転んでな」

「やっぱり、配膳手伝うよ」

「…そうか、悪いな」

劉は少し考えたがすぐに承諾し、二人で結局持っていくことにした。
県令はいつも部屋で食事を取っている。
決まった時間に手伝いが、調理場からそれをいそいそと運ぶのだ。
ただ飯を運ぶだけで、どうという仕事ではない。
だけども配膳する人間に対して、この県令は必ず声をかけて、少なからずの会話をする。
内容は他愛もない世間話だ。
だけどそれが随分と親近感を抱かせている。

「失礼いたします」

「ああ、もう夕飯の時間か、いつもありがとう甘鈴…おや?」

部屋に声をかけてから入る。その声色で顔を見なくても名前をあてる県令。
ただ、足音が二つなことを怪訝に思ったのかゆっくりと振り返った。
そしてその顔の主を見て、驚いた様子。

「劉、今日は休みじゃなかったのか?」

「はい、よい物が手に入りまして、是非にと」

劉がそう告げるとそのとっておきの皿を運ぶ。
湯気が立つ料理は、見た目で既に美味いと思わせる。
美食家とも思われる主人はいたく気に入った様子でそれを見て、
箸を付ける前に料理人に声をかけた。

「ありがとう、これは凄いな、随分腕を上げたものだ」

「いえ、そのような」

「いや、この食材も手に入れるのに苦労しただろう」

「はい、南からの物産でして、取り合いになりましたがなんとか」

「ははは、そうか、取り合いになる程だったか、いや、ありがとう」

主人の声は上機嫌だ。
甘鈴はなぜか自分が誉められたようで、
うれしいと思い、にたにたしてそこに立っている。
主人は箸を付けた。口元に運び、よく咀嚼をする。
口中に芳しい香りが広がる、同時に舌へ重量感を与えるほど濃厚な味が華開いていく。

「うまい」

一言だけ答えた。劉はうれしそうに顔をほころばせている、
県令は続けて横にある総菜にも手を付けた。
こちらは甘鈴が作ったものだ。
山菜の類を少し煮込んだ、なんてことのない一品。
だがそれに対しても、じっくりと噛み締めて笑顔をこぼした。

「そうか、これは甘鈴の手だね、うまくなったものだ、劉から習ったのかい?」

「は、はい、ありがとうございます」

どきん、言われて思わず顔を紅潮させて答えた。
あまりのうれしさに心臓が飛び出しそうになった、旦那様に喜ばれた、
ややもすれば主人に尽くしたことが報われた感じすら覚えてしまう。

いけない、思いこみが過ぎている。

そう、出来過ぎた感動を知らず内に甘受している。
甘鈴は自分を戒める。だが誉められて喜ばないでいられるほど、
彼女の感受性は弱くない。いや、それを抑えられるほど大人ではないというのが正解か。
誉められて舞い上がってしまうのは仕方がないのかもしれない。

「どちらもありがとう、これでまた、次の仕事にも楽しくとりかかることができそうだ」

「いえ、もっと腕をあげて、旦那様のお力になれるよう務めます」

「ありがとう、劉」

うれしそうな劉の顔が見えた。
私ももっと誉められたい、そう思ってやまないが、先に聞いた劉の想いを考え、
ここは席を外そうと甘鈴は気を利かせた。
恭しくお辞儀をして、部屋から一旦出ることにする。
二人の談笑はまだ続く気配だ。
部屋を出た甘鈴はそのまま、厨房へと上機嫌な足を進めようと踏み出した。

ふと、食後の甘味をどの時機に出すか伺うのを忘れていたと気付く。
だがこのまま戻っては、二人の会話が興醒めることも考えられると、
変に気を回してそっと、中の会話に耳を立ててみた。
会話の頃合いを見て中に入ろうと思ったのだ。

だからそれが盗み聞きになるなどと、彼女は事を起こすまで気付かなかった、
それくらい舞い上がっていた。
その自然な浮かれぶりのおかげで、

中の二人は警戒を緩めていたのだ。

「取り合いになったということは他の賊ですか?」

「いえ追っ手のような輩でした、かなりの手練れで」

「あなたがしくじったというだけで強さは解ります、その後は」

「逃れました」

「それも見ればわかります、そうではなく」

「おそらく目星もつけていないでしょう、後はつけられていません」

「そうですか、あなたの腕は信用しています、間違いないのでしょう、しかし」

「…しかし?」

「心当たりが、思い浮かばないのですが、」

「…鈴、かもしれません」

「鈴…ああ、鈴音御使、ははは、あれは三年前に無くなったじゃないですか」

「はい、けれでも」

「解散と謳われ、世に散り、あなたもかつてその掃討に荷担したのでしょう、伺っています」

「……」

「どうしました?」

「だから、こそ、と申しますか」

「なるほど、そう、鈴…ですか」

そこでとぎれた様子。
外から声だけで伺っている甘鈴には、どんな顔でこの会話が続けられているのか解らない。
いや、見えないから解らないのじゃない、事柄があまりにもだから理解や想像ができないのだ。

甘鈴は、墨曜から頼まれていた仕事をこれにて完遂したことになる。
いや、あと報告が残っている。戸惑いが瞳に波紋を広げる。
その場に立ちつくしてなお、中の声から注意を逸らすことはできない。

「天帝の権威が、いや、力がまた戻りつつあると?」

「いえ、私にはそのような政略はわかりません」

「宰相様に任せておけば良い物を邪魔だてする、治世というもの知らぬな」

「…」

「世の乱れが民草を追いやる、それを無くす為には正しい統治が必要だ。
この街の治安がよくなれば、人が増える。助けられる人が増える。
そのために、あなたに辛い仕事をやらせている。折角うまく行きつつあるのに、
邪魔をされるなんて、これだから大局を知らぬ天帝方は阿呆揃いなのだ」

朗々と暗唱した詩のようにして嘆きを露わにした。
その内容は、甘鈴の耳に随分と痛々しく届いた。
批判を受けて、怒りよりも先に痛みを覚えているということは、
心のどこかでそれに屈しつつあるということ。
甘鈴はその自分の機微を理解できないまま、呵まれる感覚に酷く打たれた。
盗み聞きという悪い手法がまた、彼女が自身を後ろめたいと脅迫している。

「しかし、そうとなると近くここまで来るかもしれませんね」

「その通りです。いかがなされますか?」

「逃げない。暴力に屈するなど、文化人のする事ではないし、
何より私は自分の仕事を放棄するわけにはいかないから、全ては民の為、宰相様の為…」

「つまり、」

「警護もお願いします、あなたには本当に済まないと思っています、劉」

その台詞は、強い意志から放たれているように聞こえた。
そうか劉さんは料理の腕でなく、そういう理由で。
甘鈴は、先の劉との会話に上った言葉の本当の意味を知った。
静かに悟られないように、甘鈴はそこから離れる。
話してくれたことは嘘ばかりだったんだろうけども、心持ちや想いは嘘じゃなかった。
劉は今の仕事に迷いがあるんだろう、だけども、あの志から目を背けるほどヤワでもないのだ。
料理人として雇われたいと思いつつも、もう一つの仕事の方がうまくやれる不釣り合い。
甘鈴は、自分の足先を見つめながら、とぼとぼと歩き厨房へと戻る。

冷やした甘物を盆へと乗せ、一つ息をついた。
杏仁豆腐という奴だ、そのつやつやとした表面にぼんやりと甘鈴の顔が映る。
ブサイクだな、自分でもそう思う。
だけど彼女は、決して嫌われることが無い。
姐手伝いが言う通り、気立ての良さが滲み出ている。それが唯一の魅力。
だから、今の自分の立場が自身の一番大切なところを翳らせるようで、
苦しみは重くのしかかる。

豆腐に映る顔が、さらに不細工になったのを見て思い直す。
いけないわ、年頃の女がこの顔では真剣にまずいわ。
思想とかと関係無いところで、自分の年齢と容姿の切実な戦いを思い直し、
静かな足取りでまた、県令の部屋へと向かった。
わざわざ自分が来たことを中へ報せるように、今度は足音をわざと立てて近づく。

「失礼します、食後の甘い物です」

「ああ、甘鈴ありがとう、劉、これからもよろしくお願いしますね」

「はい、旦那様」

「ああ、そうだ、大切な話がある、これを」

すっかり明るい雰囲気になっていた部屋の中。手渡されたのは手配書のようだ。
そこには「悪党にご用心」と手書きの丁寧な文字が並んで、
似顔絵がつれつれと書かれている。
見ている限り、この顔の男が悪人で、気を付けないといけないとよくわかる内容だ。

「夕方頃に見回り役から届いてね、尽くしていても治安はよくならない様子だ。
なんでも最近荒らし回っている盗賊の頭領だそうだ。商家から被害届も出ている。」

困った顔で主人は、甘鈴に言い聞かせている。
甘鈴はその紙を見ながら、ちらりと隣の劉を伺った。
どうやら劉はその手配書を既に見ていたらしく、注意しろよ、
といった具合のお兄さん的視線を送り返してきた。
甘鈴はもう一度その手配書の顔を見る。

どう見てもヨウさんだ。
げんなりしながら、視線を主人に戻した。

「そんなに怯えた顔をするな甘鈴、大丈夫だよ、安心しなさい」

「あ、いや」

そうじゃなくて、とは当然言えない。
黙ったまま、こくりとうなずき、ありがとうございますと続けた。
なんで隠密行動をしている正義の味方が、悪党として手配書を回されるまでになるのか。
理解に苦しみながらも甘鈴は部屋を後にした。
一緒に劉と歩いたが、二人の間には別段会話は無い。
この後はなんてことなく、いつもの通りに夜が更けた。

つづく

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(09/01/02)