赤まるち


来栖川芹香

来栖川グループ総帥の長女、美しい姿が大和撫子という単語をそのまま立体化したような風
しかし、どういうわけか内向意識が強く、あまり他人と深く関わる事がない
趣味はオカルト全般、黒魔術が得意なお茶目な女の子

完成した法術が発動した
黒衣のお嬢様を中心にして地面に、光りの文字が浮かび上がる
六芒星を象ると、お嬢様の衣服をたなびかせて下から神々しい光が照らす
そして、その足下から巨大な物体がずぶりずぶりとせり出して来・・・

「わ・・・ね、姉さん!!いけないっ、呪文間違ってる、それじゃ冥界が開いちゃうっ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

その声に気付いたのか、じっと足下を見る
地面があるはずなのに、地の深くまで拓け、地獄のような所が
顔を覗かせている、中で何か見たことの無い生物(?)が
たくさん、蠢いて、奇声を上げている

「メッシャアアアアアアアアアッッッッ!!!」

「シャギャアアアアアアアアッッッッ!!!!」

「ロリコヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲンンン!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
(・・・・・・・・・・・・・・・・・手屁♪)

お茶目に、こつんと自分の頭を叩く仕草を見せるお嬢様
相変わらずのペースながら術の解法を説き、魔法陣が散開
驚いたのは権助だ、足下がまるで地割れを起こしたように
大きく大地が口を開けて、その奥底からこの世の物ではない物体が
それこそ、今日もどこかでデビルマン(意味不明)
不気味な物体が、今や、はい上がろうという所で、法術が解けたせいか
消え失せる、しかしその一瞬だけで充分、常人の神経を触れるくらいの破壊力はある

「い、今・・・・・・・『最後の幻想』っぽい物体が・・・・・く、黒魔法なのか!?サンダガなのか!?」

なぜサンダガなのか謎だが、権助が今まさに起こった事象を
近代科学が発達しているこのご時世に、魔法という言葉で片づけようとしている
頭の中では、ケアルガ、ケアルガと、呟いている自分に遭遇する
と、直後突然身体に異変

どくんっ

何かがやってきた、頭の中が重く熱くなる、突然視界が三重にも四重にもブレる
心臓の拍動が一つ一つ大きく、強くなって、血が吹き上がりそうなくらい滾(たぎ)る
なんだ?・・・・・ど、どうなってる?・・・・ば、バイアグラ?
ちょっとカンチガイしてるが、権助の身体が、生まれてこの方感じた事のない
漲り溢れる力に翻弄されつつある、どくんどくんと胸をそのまま、張り割いてしまいそうな
強い拍、自然と息が荒くなる、目の前の芹香嬢が、ものすごく不安そうになる
下半身裸で息が荒い男、いよいよなんですか?と・・・・ふるふるふるふるふるっ(激しく首振り)

「か、柏木の血が・・・・・今ので?」

綾香一人だけわかったような狼狽をしている、不審に思ったのは
33型、突然現れたわけのわからない露出狂に邪魔をされた上に
自分より目立たれてしまっている、バシッと音を立てると
腕を突きだして、権助に照準を合わせる
しかし、綾香の一言にひくりと、片方の眉を上げると

「柏木・・・・・?・・・・・・・そうか・・・あの柏木か、あんた」

こいつも分かった風な口を聞いて、雷撃を放った、一帯に
巨大な電気の帯が広がる、それが権助を取り囲むようにして集束し
そこで全てが弾け飛ぶ、鼓膜が破れるような烈しい音
その暴力的な波が斬撃のように空気を切り刻んだ

しかし

「・・・・・・・・・・・・・・ドーマンセーマンだと?・・・・白魔術だろそれは」

目の前で炸裂した電撃によって、消し炭になっているはずの物体が
五芒星を地面に描き防いでいた、芹香のみ、権助は見捨てたのだろうか、意外と酷い
ドーマンセーマンとは今流行りの、陰陽道、和製白魔術の始祖
流石魔女っ子お嬢様、この辺りしっかり押さえていたらしく
その結界にて、電撃を物ともしなかった、しかし
この結界、決してその雷撃のために張ったわけではない

目の前

「!」

33型が初めて恐怖を覚えた、綾香、セリオを相手にしても
どこか余裕を持っていたのが、これを目の前にして
北極を裸で歩くような寒さを覚える、そう、これは冷たいという感覚だ
恐怖で凍り付くとは良く言ったものだ
真の畏怖は、全身から熱を奪い、そして命を喰らう

「・・・・・・・・柏木・・・・・これが?」

「・・・・・・・・・・・・・・・お、お嬢様」

セリオまでもが危機感を感じて、わずかに語調を乱している
凄まじい恐怖が、周りを包み込んでいる、ぞくぞくとしたやばい感覚だ
空気が冷たく不気味に柔らかい、気持ちの悪い感覚が背筋を走る
綾香もやや臆されたかに見えたが、ここが凡百の者と違うところ
きっ、と口を結ぶとそれに対して気概を持って当たる

獣が叫ぶ、聞き取れないほど語は乱れ、・・・・・・・・・・これは咆哮か

「××××〜〜〜〜〜!!!!!!!!」

危険だ
危険すぎて書けない(ぅぉぃ、吠える権助、その台詞に、一同緊張が走る
そう、女として危機を覚える、そういう危険だ、怖いぞ柏木の血
・・・・・・・・・・・・・・・・書いてる作者すらひいているという最悪の事態を
招きながら、権助が覚醒する、そうだ凄いことが起きる時に犠牲はつきものだ
権助思いの外頭の中はすっきりしている
意識はちゃんとある、身体の自由も利いている
不思議だ・・・・・・・確かめるように、もう一度叫んでみよう

「お・・・・・・・・・・・・」

どばきゃっっ!!!!!

「アホか、おのれわっ!!!!」

今度はすかさずマルチがつっこんだ
いつもの如く針金をへし曲げるようにヤバイ方向へと首が折れる権助
それでも死なない、しかし、一気に空気が安穏とする
ハード路線はどうしたんだろう、その時
マルチを見て33型がほくそ笑んだ
それに対して綾香は、気まずい表情を作る
セリオは何も感じさせない、目は曇ったまま
芹香が不思議そうに目の前の殴られた変態と殴った女の子を見ている

「ま、マルチ・・・・・・て、てめ・・・」

「馬鹿野郎・・・・・・・見つかっちゃっただろぉ?・・・・・どうしてくれんだよ」

マルチがやや困った顔で主人にそう言う
その割りに、うれしそうに見える
手に持ったモップを、かわいらしく携えて、媚び媚びのポーズで
綾香、セリオ、姉であるD33を見つめる
そしてマルチがかわいい声で唄う

「・・・・・・・・で、誰と誰がやられるんですか?」

「はいっ!!柏木権助リクエストします、是非あの太股女と俺で後ろか・・・・・・・」

「お黙り」

血がたぎって妙にテンション高い権助を、さくっと口先で殺す
そのやりとりの中から、権助の存在を抹消した形で・・・ようは無視して
33型が柔らかい物腰で話しかけた、当然マルチにのみ視線を向けている

「3103?・・・・・・・・・・・そうだよね、3965はどうしたの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「喰ったのか」

「姉さん、そんな事しないよあたしわ・・・・・・・・・」

不思議な会話風景だ
権助が自分の記憶を辿る、確か、マルチは初めて会った同機種(白娘)に対して
全く面識が無かったはずだ・・・それなのに、今目の前にいる、姉と呼ぶ相手の事は
とうに知っているという口調、向こうも当然という感じ・・・・
同じ赤い髪何か理由があるのだろうか・・・・
と、考える傍ら、姉妹どんぶりという謎の単語を反芻している、侮れない

「どっちにしろ・・・・・・・・・・・・残るのは一体のみ、覚悟しての事でしょうね?」

「お姉さまに楯突きたいとは思いませんでしたが、場合が場合ですしね・・・」

マルチが心底丁寧な口調で話を進める、まずい、こういう時のマルチはまずい
権助が経験からきっと良くないコトの前兆だと敏感に感じ取る
大爆発とかそういうのに巻き込まれるといけないと思いそそっと
後退しようと後ずさる、さっきの妙な感覚によって覚醒した力などというものを
むやみに振りかざしたりしない所が、この男のわずかに残った利口な部分
それが非常に正しいと思われる判断を、いつもなら下すのだが

「・・・・・・・・・・いや、でも・・・・・・」

利口な部分が弱くなっている
手に入れた力を試してみたい・・・・とは違う、何か確信めいたものが
自分の中で渦巻いているのに気付いた、おそらくわ、さっきの戦いを見ても
今の自分なら、それを上回る事が出来る、そういう予感があった
血が騒ぐ、女を触れと血が吠える
なんだか犯罪を起こした理由が、満月だったからって言うイカレタ兄ちゃんに通ずるモノがあるが
権助が、無謀・・・・いや、勇気の一歩を踏み出した

「待ちなお嬢ちゃん、下がれ、我がメイド」

どげしっ!!!

「横から口出さないでくださいますか、ご主人様?」

やる気十分のマルチが笑顔で殴りつける、思いっきり横面弾かれたが
自信にあふれた権助は、それを気にすることもなく、ずかずかと
33型の目の前に歩みを置く、不審な顔でそれを見る33型
なんたって下半身未だに裸だ

「・・・・・・・・・・・ヘンタイ?」

33型がそういう目で権助を見ていると、気配を感じさせずに
芹香がそそくさと現れて権助の下半身に、マントを巻いて
とりあえず隠すと、ふむふむと一人納得してまた下がっていった
面倒見のいいおねいさんなんだろう

さておき

「悪いが、マルチと俺は家に帰ってヤる事があるから、お前さんの相手をしてる暇がない」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「そういうわけで、そっちの太股女と遊んでなさい、それでは・・・・・」

ずばっ!!!!!!

旋風
あ、っと声を出すまもなく、旋に巻かれて権助の姿が消える
鐵と鐵がガシガシと擦れあう時に出るような、火花散る音が
幾重も織って旋が消えると同時に広がった

ジャキッ・・・・・・・

「言ったろ?・・・・・・・お前の相手してる暇は無いんだよ」

「!?・・・・・そ、そんな」

あの綾香が驚きの声を漏らす、それもそうだ、ただのえろえろ青年のはずの
権助が、世界でおそらく最強の二人に数えられるであろう、綾香セリオタッグと
互角以上の戦いをしたメイドロボの攻撃を全て受け返したのだ
いや、ただ受け返しただけではない

「・・・・・・・・・・・・・紐はまずいだろう」

不敵に笑う権助の手には女性モノの下着
それを見て黄色い悲鳴があがる

「え・・・・ああっ!!!い、いやぁっ!!!」

「って、セリオあんたなのっ!!!!」

顔を真っ赤にしてスカートの裾を押さえるセリオに、綾香がつっこむ

「!・・・・・・・・・・・・・。」←芹香発言中

「!!・・・・・・・って、実は姉さんのモノって、ふ、二人とも・・・」

綾香だけ子供だったという話(そういうオチなのか?)
さておき、セリオに続いて芹香まで顔を赤くして、もじもじとする
同じもじもじさせるならやはりキャリアが上なのか芹香のほうがかわいらしい
というか、二人何時の間にそんな親密な仲になったんだか知らないが
乙女の秘密が、あれあれと暴露される
これでまず二人死んだ(そうなのか?
権助が、にやりと笑うと下着をポケットに・・・・・

ぺしっ

「あう」

「やめんか、恥ずかしい(怒)」

マルチがささっと横取りして、顔を赤くしてうつむいている芹香に
それを渡す、てれてれとそれをしまって何事も無かったようにまた
元の表情に戻る、ギャグ一辺倒に見えるが、そう思えてない少女
33型が権助の前で固まっている

「なんだ?OS不安定か?」

権助がふふりと声をかける、半端ではない自信だ
しかし裏付けがある、あの電光石火の攻撃を受け止めながら
隙が無いと思われたセリオから下着を脱がして持ってくるという
おそらくは人類最初の栄光(?)をやってなしたのだ、権助の中で
既にその行為だけで勲位3等以上に値する
恐怖を覚えた、それは正しい・・・ロボットとは思えないほど感覚が鋭いと言っていい

「さて、帰ろうマルチ・・・・・・・」

「待って、柏木さん」

「?・・・・・・・なんだ太も・・・」

「綾香」

唯一動揺が動きを止めるほどではない綾香が、権助を呼び止める
止められて権助がくるりと振り返るとヤバイ目つきで綾香を見る
一瞬たじろぐが、ぐっと堪えて、優位な位置から話を進めるように
やや高慢とも思える態度で接する、気圧されたら駄目なのだ

「どうしても・・・・・・・いい、あなたが何をしたいのかは、何となく分かるような気が
しないこともないけども、とりあえず代わりのメイドロボを貸してあげる、だから
その子は置いていって、お願い、その子の為でもあるの」

「マルチの為?・・・・・・・・・・・・・・・・・そいつはどういう意・・」

権助がじと目で綾香を見て、言葉を続けようとする
その脇からマルチが出てきて、綾香の相手になる

「関係ない・・・・・・・・・・・・・・私はこのまま帰る」

「・・・・・・・・・・・・」

「そう・・・・・・それは同じね、わたしもこのままで帰る、討ち死にするくらいの気分で来たけど」

姉・・・・いや、33型もそれに続いた
意見が揃うあたり、やはり共通のOSを持つせいなのだろうか
不思議と仲がいいように見える、狭い距離で三人の牽制が火花を散らす
すす、っと陰が動いたかと思えば綾香の後ろにそっくりの・・・・・・いや
やや面もちが柔らかい、姉・・・・・芹香が近づいていた

「・・・・・・・・姉さん・・・・・・」

ふるふる

来栖川姉妹vsDの姉妹!?
ある種夢の対決のような気がしない事もないが
権助が割って入る

「・・・・・・・・・悪いが、マルチは置いていけない・・・・・・言っておくぞ
俺はな、メイドが欲しいんじゃなくて、マルチが必要なんだ・・・・わかるか?」

「え・・・ご、ごんすけ・・・」

意外にかっこいい台詞をぶっ放す権助
血に目覚めてからなんかキャラ違うぞ、マルチが柄にもなく赤く頬を染める
凛々しい顔で権助が続ける

「マルチと俺は帰る・・・・・・これが今の全てだ。
もっとも、お前が身体をなげうってまでというならそれはそれで全く話しは別になってだな
姉妹でなんつったりしたらもぉ、そりゃ、のしつけて・・・・・」

どごずっ!!!!!


以下次号(酷ぇ内容・・・・

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