郡上郡町村合併に対する服部政子議員の反対討論
細川孝弥議長:反対の諸君の討論を求めます。
服部政子議員:はい。
細川孝弥議長:6番服部政子さん。
服部政子議員:はい。服部です。前でですか。
細川孝弥議長:はい。
服部政子議員:
ただ今、賛成の討論がありましたけれども、いろいろ、確かにむずかしい問題を調整されてきております。しかし、これは行政側のいろんな都合であります。私は単純なことかもしれませんけど、住民の立場に立った心配事などを、ちょっと出していきたいと思います。4点ほどありますけれど。
@ 町村合併はいろんな点で地方自治の形骸化、民主主義の後退をもたらすといわれています。合併によって行政区域が拡大し、人口が多くなると共同体意識が希薄化し、他人任せになる、こういう心配があります。地方自治の後退をもたらすことになります。これは先にも合併した岡山市あたりで合併したような所で、やはり衰退してきているとか言う、実際いままでにおこっているところがあるわけです。
A それから次は、住民の声が届かなくなるという心配であります。自治体が大きくなると一般的には行政が官僚的になり勝ち、気軽に首長に会えたものが、いくつもの関門を乗り越えないと会えないとか、お互いに顔見知りだった住民と職員の間が、信頼関係がなくなって機械的な対応に変わったりとか、また警戒心・不信感などが双方に生れてきたりと、そんな心配があります。さらに、職員は住民の声に耳を傾けるよりも、組織内のことに気を使うようになったり、いずれにしても住民の声をブロックする行政の壁が厚くなることは確実であります。議員の削減においては、日本は削減が歓迎される方向にありますけれども、今まで地域や職場の仲間だった議員が定数削減により普通の市民ではなかなか議員になれない特別の人になってしまう。住民と議員の接触が少なくなってしまうということから、住民の声が議会に反映されなくなる心配があります。
B 3点目は、市役所や役場から住民の足が遠ざかるということです。市役所や役場までは時間的距離は交通や通信手段の発展によって解決で来るかもしれませんが、自分達の自治体という実感が持てなくなります。自治体までの政治的距離が極めて遠くなります。自治体は行政サービスの単なる提供機関ではありません。暮らしやすい地域や社会を作る立場から、住民の様々なニーズに一定の政策を持って応える政治組織であります。そのような自治体が自分達の物、という意識が薄くなってくる。住民の悩みや要求を持ち込むという場でなくなっていく、そういうことが少なくなっていってしまうのではないかと思います。
C 4点目は、住民の声が無視されていく。例えば一つの自治体の大きな出来事でも、合併後は一つの地区の小さな出来事になってしまいかねません。そうなれば、その地区住民の多数派の声であっても無視されていくことも当然出てきます。このような心配があるわけです。
地域審議会などの設置もこれから考えていきますけれども、住民と行政との距離を縮める。こうしたことはなかなか、今までにもスウェーデンやニュージーランドでも大きな自治体に合併で大きくなって言った良い例のように捉えられておりますけれども、実際ここでもいろんなコミュニテー委員会あるいは地域支部とか、そんなようなものを設けて緩和措置をとっておるわけですけれど、これは完全な解決には繋がっておりません。
ここでも今、逆にまた地域を分けていくような傾向も少しづづ出て来ておるようなわけです。
それで日本のような住民の主権者意識がまだまだ低い国では、意識を後退させてしまうような合併ではなくて、もっと住民の知る権利を具体化したり、情報公開の実現や地方自治の確立を目指した地方分権の推進、住民参加の町づくりの促進、大事なことは住民投票で決める住民投票条例の導入など住民の主権者意識を高めることが急務ではないかと考えます。
また財政問題においても先ほども共産党の意見で川上議員が申しましたように国の財政のあり方も大きな問われる問題であります。こうした点からも、本当に住民にとっても大変な不安をもたらす合併には反対いたします。