12●高知県立図書館蔵「御侍中先祖書系図帳」    

 この(写真を見て)残念ながら後ろ向きでお顔が見えませんが、これ丸山先生なんです。80何才ですが、とてもお元気で私どもに、資料館とか図書館とかに残っております色々なものを見せて下さるために、案内をして下さったんです。この真ん中にデンと座っておりますこの書類ですね(写真)、うず高く綴じてあるもの、これは高知の城の家来に入るとき、代の替わるときの差出系図というものが綴じ込んである。これ一冊じゃないんですよ。土佐のお城の史料として、これがね七十冊近くあるんです。これくらいの背の高さのね。御家来の差出系図。御家来は皆、殿様に代替わりをする時は出さなきゃならない。それを差出系図といいますが、七十冊近くあるんです。その中の一冊に郡上に関係のある遠藤家の差出系図が綴じてあるんですね。で、そこの一番左の方は土佐山内家宝物資料館、その横が山内神社であります(写真)。その横に立派な宝物資料館が建てられていますが、この調べている場所は県立の図書館です。もう随分前に、丸山先生が史料は写真に撮られまして大手町の川上さんの亡くなられましたお父様の所へ色々送っていて下さるのです。だから、私たちは写真で拝見したことはあるんですけれど実物は拝見したことはございませんので、サミットの前に実物を拝見して丸山先生の説明を聞いているところです。向かう側からこちらへ向かって嬉しそうな顔をしているのが川上さんの息子さんの朝史さんですね。私はこちらから写しておりますので残念ながら写っていないのです。これはその時の写真です。さてそこで、第一枚目へ戻って頂きまして、この丸山先生以外にも資料館の中には、日本の紋章学、着物の紋ですね、紋章学の権威者の沼田頼輔博士とか、大勢の方が史料を整理するために入っておられるのです。もう沢山の史料ですから、ちょっとやそっとでは、もう100年くらいかかっても史料が整理しかねるほど凄い史料があるわけなんですね。その史料の中から丸山先生がですね偶然というか、研究を続けて求めておられたんですから発見できたのかも知れませんが、この遠藤家系図を見つけられたわけなんです。そうして丸山先生たちの出しておられる「土佐史談」に発表されました。ここに丸山先生の論文のところだけ抜いて持って来たんですけれども、丸山先生はこの史料を発見しました時「もうただただ美濃の郡上のように離れたところの系図と土佐の差出系図がピタッと一致したということは本当に驚きに耐えない」と書いておられます。もう疑う余地がないというか、本当に驚いたと書いてあります。

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