見性院様・古今和歌集を所持
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山内家の所持した「古今和歌集」は四種!
 山内家の史料によって、一豊の妻が「古今和歌集」を所持し、形見に2代目藩主・忠義に進じたことが知られる。また、土佐5代目藩主は、父の遺品として、東下野守常縁直筆の古今集などを将軍家へ献上している。それは次のようである。

(1)「元和3年(1617)、
見性院様御病気御大切、料紙箱・古今和歌集・徒然草・けったんのほ□こ、御形見として忠義公へこれを進む。」 ( 「御記録」)

(2)元禄13年(1700)11月15日、「松平民部大輔豊房(山内氏松平姓を賜う)襲封を謝して、備前近景の太刀、銀500枚、綿300杷献じ、又亡父土佐守豊昌(同年9月14日卒)遺物として、粟田口国吉のさしぞえ、茶入(文琳)を奉り、御台所(将軍綱吉の正室)に
冷泉大納言為秀卿筆の古今集、三の丸(綱吉生母桂昌院)に東下野守常縁筆の同集を捧ぐ」  (「徳川実記」) 注:豊房は5代藩主
 
 ちなみに山内豊秋家蔵
「古今和歌集・巻第二十」(高野切本)は、最古の伝本で11世紀末のものと推定され国宝に指定されている。(※現在は高知県が所有)
   
   古今和歌集につながる東家の人々
   勅撰和歌集に歴代東家領主が入歌
             以上、「大和村史・通史編上巻」の一部


※ なお、郡上市八幡町の安養寺に、上記に出てくる冷泉大納言筆為秀≠フ父である冷泉為相直筆の「伊勢物語」が伝わっている。流麗な筆致は目を見張るものがある。為相の母は、十六夜日記で有名な阿仏尼の子であり、為相の祖父が藤原定家である。

新しい発見(寛政重修諸家譜)   2005年3月30日

(3)3代藩主・山内忠豊は、「寛文9年6月28日、得物左安吉の短刀及び
(藤原)定家筆小倉色紙の掛幅を献じ、御台所(家綱室伏見浅宮顕子)に古法眼元信筆柳に雁の屏風一双をまいらす。」

(4)6代藩主・山内豊隆は、「宝永3年8月10日、常憲院(徳川綱吉)殿に父(豊房)が遺物相州貞宗の短刀・・・を献じ、文昭院殿(家宜)に来国次の短刀、
御台所(綱吉室鷹司氏)に冷泉為相筆の古今集、御簾中(家宜室近衛氏)に二条為宗筆の朗詠集をたてまつる。
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