テケスト
台湾旅行記録 その2
■二日目、朝
朝だ
目覚ましなぞつけなくても、気持ちがあれば起きられるんだと
時差で最早何時なのかもわからないのに
さっぱりと目覚めを迎えたのでありました
バカンスは本当に楽しいなぁ
そして、いそいそと身支度
ああ、そういえば、パジャマというか、いわゆる浴衣的な部屋着はありませんでしたので、
自前のTシャツとパンツで寝ていたんですが、過ごしやすく心地よかったです
なお、部屋はエアコンが入っていて可もなく不可もなく
噂では、もっと寒いものだと聞いてましたが存外大丈夫だった
あと、トイレでありますが、
本当かどうか確かめませんでしたが、外国では大を行った場合に
尻を拭った紙は流していけないということらしく、
トイレ脇のゴミ箱にポイという感じであります
なんというか、凄い抵抗がありましたがそうだと信じてやっておいた次第
下水管が細いから詰まったりするらしいので、気がついたらみんなもやろう、そうしよう
朝は、なんとホテルの朝食がついていたので、それを食べにいく
2階だったか、3階だったかのレストランでバイキングを食べる
まぁ、そこそこ食べられるんだが、なんというかなあまりに普通すぎてちょっと残念
もっと、台湾ぽいものを食べようと思っていた私からすると、
この朝食代抜いて、もう少し安くして貰った方がなぁなどと、
けしからんことを考えるのでありました
それでも、台湾名物の一つ、朝からお粥を少しだけすすり
とりあえず出かけたのでありました
■便利な地下鉄MRT
目的地は故宮博物院、泣く子も黙るというか、もうこの凄さは筆舌に尽くしがたい、
憧れ中の憧れの場所であります、死ぬ前に見ておかないといけないと
真剣に考えた挙げ句、今回の台湾旅行は、ここを見るためだけに…うんぬんかんぬん
と、そんなわけで、故宮のある士林(シーリン)まで移動しないといけないんだが、
ここで、台北で超絶便利な地下鉄、MRTに乗るのでありました
そして、観光といえば当然のように一日乗車券
まずは、近くの駅でそれを手に入れるというあたりから朝を始めたのであります
■台北観光護照
英語で、TAIPEI PASSというんだそうで、
これが一つあるだけで、MRTとバスが一日乗り放題
はっきりいって超絶お得でありました
値段としては、そもそもの運賃が安いのでそこまで得とは思わないものの
これ一枚あれば、バスもMRTも乗り降りが凄い楽、
日本で、ICOCAも持ってないのに、タイペイではPASS持ってたというのは
いささか考え物でありますけども、それはそれ
便利でよろしいのでありました
で、これを求めるために、地下鉄の案内所にいく
このあたりは流石外国というか、案内所が、かなり頑丈なプラスチック窓で出来てまして、
かつて、イタリアの大使館を訪れた日々を思い出すような重厚さ、治安大丈夫だろうか
ちょっと気後れするものの、ガイドブックを指さしてこれをくださいと日本語でいうと
こっから選びなさいと言わぬばかりに、メニューを見せてくれて
無事購入成功でありました、180元、場所にもよりますが、6回も乗り降りすれば元取れるかな?
ともあれ、それを手に入れて、あとはささっと地下鉄で移動を始めるのでありました
松江南京駅から移動開始しまして、民權西路駅で乗り換え、そして士林駅まで行くのであります
地下鉄は、明るく、されど、座席が少ないという印象、
座席については、博愛座なるものがありまして、いわゆる優先席
ここで驚いたのが、うら若い女性が、年上の人を見るとすぐに席を譲ったというあたり
このへんが、忠孝といいますか、文化だよなぁとちょっと感心してしまったのであります
みんな静かに乗ってるし、清潔で安心安全な印象であります
で、故宮博物院に向かっていたんですが、どう考えても到着が早すぎる
9時開館なのに、8時には到着してしまう様相だったので
ちょっと寄り道をしようと、圓山(ユェンシャン)駅で降りてみました
■圓山駅と孔子廟、そして、関羽
後々に寄ろうと思ってましたが、思いの外時間があるので
ぶらりと孔子廟を目指すことにする
駅から歩いて10分ほどのところにあるんですが、
その行くすがらに、一つの地蔵堂のような場所が
覗いてみると、関羽がいる
赤ら顔で長い髭、関羽だ、これ関羽だ!
ちょっと感激してしまって、触りたい衝動にかられるものの踏みとどまり
じっと観察するに至る
もの凄く煌びやかというか、原色あしらわれた、いかにも台湾寺院といった様相の祠に、
大きな関羽、その右手側に虎ヒゲの何か、多分張飛、
そして、左手側には白面のシュっとした像が、多分劉備
この世界では、どうやら関羽のほうが立派な様子で、その他にも
多分、蜀の誰かなんだろうと思われる像というか、人形というか
ともかくそんなのが山盛り並んでいて、ありがたく手をあわせてきたのであります
さて、関羽で楽しんでいる場合ではない、
そんな塩梅でいそいそと孔子廟へと向かう、歩いて10分もかからずたどり着けるのであります
台湾来て初めての歴史的な建造物(だと思われる)に到達
幾重もの回廊というと聞こえがいいですが、
敷地がいくつかの瓶で仕切られていまして
中は、まさに中華寺院という感じ、台北孔子廟と呼ぶのだそうでして
様々ないきさつがあり焼失していたものを台北市民が、自ら復興をなした立派なものでありました
朱色の壁に、煌びやかな門、しんと詰まった石畳
なんというか異国情緒と読んでいいんだろうか、東洋のそれというのをもの凄く感じられて
なんともたまらない
進んでいって驚いた、老女が社交ダンスを躍ってる
噂には聞いていましたが、朝から台湾の老人は元気であります
さらに老女ダンスの門をくぐり、大成殿という中心の建物に近づくと
今度は、老人が太極拳してる、本当、台湾に来たんだな…
みんな思い思いというか、それが当たり前なんでしょう
ミスマッチとも思えないほど、そこに馴染んで繰り広げられていて驚くのでありました
そんなわけで、孔子の像とか、色々と見ていたんですが
ちょっと時間をかけすぎて、本題である故宮博物院の入り時間に遅れてしまう
慌ててここを後にして、いよいよ士林に向かったのであります
■士林駅から故宮博物院
紅30
バスの路線の名前であります
このバスに乗ると故宮の入口すぐまで連れていってくれる
その知識だけを頼りに、士林駅降りてすぐの場所をうろうろします
かなりの数のバスが行ったり来たりしておりまして、
これを乗りこなせるようになると、さらに台北暮らしが楽しくなるんだろうと思うものの
まずは無難に乗れるものから
バスに乗って15分から20分くらいだったと思われる
ようやっと到着、途中バスの運転手と中国人らしき人が話しをしていたんだが
両者まったく言葉が通じていなかったようで、
これが噂に聞く、中国語でも地方によって通じないのそれかと
まじまじと見入ってしまった、気さくそうなおっさんで
必死に説明して最終的にシエシエと笑顔で去っていったのがよかった
そして、このバスにも当たり前のように「博愛座」がありまして
またも、お年寄りに譲るシーンを見たのでありました
と、そんな民族それこれを見ておきながら
いよいよ、待ちに待った故宮博物院であります
故宮がどんなに凄いか、そして、ここにどうしてこんなに来たかったのか
その全てを記すには、あまりに余白が足らず、つまんないから書かない
ともかく、見たくて仕方なかったんだ、だって、世界の至宝があるんだぞ
死ぬ前に見ておかないと絶対に後悔するんだぞ
もう本当、超絶すげぇ絶頂の逸品ばっかなんだぞ
そんなテンションで向かったのでありました
到着してまず驚いたのが、すげぇ数の観光客
これはいけない、完全に出遅れた、これだからお上りさんはダメなんだ
自分のことながら、情けなくなるほどでありました
しかし迷っているというか、うだうだしている暇などないので
急いでチケットを購入し無事入館、こんなに凄いのに160元で入れちゃう
で、初手から失敗したんですが、
館内案内図を手に入れられず、気付いたら人山の中に紛れ込んでいる
もう凄い、多分大陸本土からやってきたんでしょう、
凄い喧噪と人いきれ、これは文物を見るという体ではない
完全に弾丸ツアーの観光のそれだ
名物チラ見するためだけの長蛇の列が延々
挫けない
呟いて、一人もりもりと見てまわったのでありました
結局どこに何があるのかわからないため、入っていきなり大きな階段を登り、
二階から見物することにしたのでありました
■2階 陶磁器・書画エリア
もう大当たりであります
本当に凄い、超絶大名物の空が落ちてきた器(意訳)がある
というか、そういったいかにも名の知れた名物だけでなく
収蔵品の全てのレベルが違う、違いすぎてさっぱりわかんない
凄いものを見すぎると、何が凄いのか理解できなくなる
ああ、これがゲシュタルト崩壊というやつなのか(違う)
呆気にとられるというか、魂を食いつぶされたように
うろうろ、もたもた、よたよた
次から次へとショーケースの間を縫っていきます
宋の頃の名品の数々に酔いしれながら、
もう一つの大名物女の俑を見たりして満喫
一方で書画エリアでは、もの凄い静けさを体感
というか、書画人気無い、全然人がいなくて観賞にはぴったりでありました
どっかで聞きかじった、王義之の写しと見られるそれも確認でき、
歴代皇帝が捺した判子ともども堪能、すばらしい
どうしてこんなにうまい字が書けるんだ
そんな当たり前の感想しか書けないのが悔しいが次
移動を始めるものの3階に向かう階段がもの凄い混雑
将棋倒しに巻き込まれたら確実に死ぬというような
それはそれは凄い量の人間が、進路に向かっている
どうにも、中国のツアー客集団だったと思われるが
ともかく凄い人数で恐ろしくなる
なんとか人の波を掻き分けて、そのあまりに混雑している名物品を後回しとし
先に、他の物体を見て回ったのであります
■3階 青銅器・鉄器エリア
人気の玉器や、彫もの系は全く近づけなかったので、
あまり冴えない感じに思われた、鉄器を見てまわる
鼎とか、でっかい釜というか、鍋というか、鉄製のでっかい器
じっくり見てみる、ああ、この文様、そうか、饕餮文だ
目があった
全身に稲妻が奔るというのは、こういうことを言うんだろうか
凄い迫力だ、そうか、これが歴史というヤツなんだ
そんなちょっと、中二病をこじらせたことを思い至る
饕餮というバケモノを模したそれなのでありますが、
その目の部分、写真やテレビで何度も見てきたけど
本物の、その歴史的な古さを考えても、
凄い、これは本当に凄いものだ、なんでこれをみんな見ないんだよ
そんなことを思ったりしたのでした、鉄器は凄い
なんだろう、歴史を感じた文物であります
さらに、青銅器を見てまわります
日本では、いわゆる銅鐸が一般的ですが、酒器のような
そういったものが多く展示されている、当然のように、
あの有名な酒器、三国志とかでも出てくる、あの盃もあって、
感激もひとしおでありました
もっとも、これについては日本でも結構見られるのでそこまで感動しなかったけども、
本場のはちょっとでかいんだななどと思ったり過ごす
ちょっと素に戻って、今見たのだけで
鑑定団的なものでいったら、何億円分くらいなんだろうと
何か、バランスのようなものを失う
そして、もっとそんなのを見ていてもよさそうなものだが
やはり、お上りさんというやつでありましょう、大名物というか
有名なそれを見ようと、次のエリアに行く
■3階 玉器エリア
ちょっとショートカットしたりして、玉器については、
白菜と豚の角煮以外を先に見ました
というか、正直、あの二点は有名だからアレだけど
その他のは本当に凄い、これが伝説で聞いた玉であり、璧なのか
翡翠細工の細かなそれもさることながら、
翡翠で作った屏風というか、衝立というか、ともかくそれが凄い
なんだアレ、どうやって作ったんだアレ
今回、一番の収穫というか、ガンプクだと思わされたのが
この玉器シリーズでありまして、まあ楽しいなんでもんじゃない
本当に凄い、祭礼や、貨幣の代わりにとか
色々と使い道はあったんだろうけども、それがどうとかでなく
完璧に(まさに字元の如く)、優れた宝でありました
特に、璧なんて、三国志のゲームでしか見たことなかったけど
あれはなんというか、その価値が、一国と同等だったというのも
なんとなし頷けてしまうような器気というか、そんな怪しげな妖気にも似た何かを感じたのであります
前に骨董市で見かけたけど、やっぱり本物は
なんというか、どうも違って見えたのであります
多分、本物だと思って見るからそうだったんでしょう
そんな目利きがあるはずもない
と、そんなことを思いながら、あまりの翡翠細工の見事さに
目を奪われ、皇后さまが台湾故宮に返却したという見事な水差しだとか
もう、凄いものをあれこれと見て満足
そして、いよいよ、話題の有名作品を見るために並んだのでありました
まずは、豚の角煮と白菜
何を言っているんだという感じでありましょうが、
故宮で、一、二を争う有名文物であります
玉なんだが、その変化というか、石、いや、玉の光と色の加減によって
もう、豚肉にしか見えないそれと、白菜にしか見えないそれがあるのです
これが、同じ展示室に置いてあるんだが、流石有名文物
とんでもない行列というか、人ごみで大変
押し分けるようにしてなんとか見たのであります
正直な感想として、意外と小さいというのと、
豚肉がリアルすぎて怖い、白菜は思ったほどの衝撃でなかった
そんな塩梅でありました
白菜は、キリギリスが彫り込んであったりと、なかなか細工が面白いんですが
個人的には、これとは別に展示してあった、ゴーヤの緑と白の玉が素晴らしかった
あっちのほうが、なんというかな、大きさといい本物みたいで良かった
しかし、豚肉の質感については素晴らしいの一言、
完璧に豚肉、宝石なのに角煮、そんな塩梅で
ほれぼれと見入ってしまった
アレが欲しいかと言われると、価値をおいとけば、別に要らないと
思わなくもないんですが、凄いものであります
そんな、天然と人間の技によって作られた玉器コーナーだったわけですが
今度は、人間の超絶技巧を堪能出来るエリアに
■3階 彫刻エリア
彫刻というと語弊がありますね
象牙細工がメインです
こういう、細工系において、中国の名品というのはもう
絶後のそれよなと前々から思っていたのでありますが
実際に見ると、まぁ本当に凄い、どうやって彫ったんだこれ
どういうこと?
そんなことを思うような恐ろしいそれこれ
虫眼鏡とかで凄く拡大されて、ようやっと何がというか
また、それを見て、本当、どんな手先をしていたら
あんなものが彫ることができるのか
それこそ、3Dプリンターでも無理じゃね?と思うのでありました
ここでは、最高名物の一つであります
象牙多層球
象牙を彫り込んで作った、球体のそれであります
物の本によれば、その20層にも彫り込まれた象牙は、
層ごとに動くという話し、これ本当なら、いや、多分本当なんだろうけど
ちょっと、どうやって彫ったというか、もう、わけわかんねぇよ
なんだよあの薄さと細さ、見ているだけでも、どっか壊れそうな繊細さだよ、
あまりに細かすぎてわけわかんないよ、大好きだこれ
本当、死ぬまでにこれは見ておかないといけない
もう何度か見ないと死ねない
そんなわけで、流石にというか、やっぱりこれは本当に凄い
故宮で一番見たかった文物でありましたので、こいつは本当に満足でありました
おかげで、他にももっと凄い彫り物があったんだが、忘れたというか
そこまで衝撃受けなかったからな、目が肥えるというか、麻痺するといけません
と、それだけ満足に見て、いい加減に人ごみが嫌になったので
1階へと移動したのでありました
■1階 特別展示
ここは企画展示をやっていたようで、最初全く気付かなかったところに横道がありまして
そこから、なんと、清王朝コレクションが見られるという、これはこれで
一人ラストエンペラーごっこが出来てしまいそうな楽しさ
上の階で見てきた色々な文物と、同等あるいは、それ以上の物品が
そこかしこに展示されているのでありました
その他、仏像なんかもちょっとだけあったんだが、あまりにおざなりというか
人気がなくてしんみり、じっくり見るにはよかったんですが、
なんというか、こういうのは故宮のそれとは合わないななんて思ったのでありました
面白かったんですけどね、いい加減疲れたというか
ちょっと胸ヤケぎみでありました
凄いものはまとめて見てはいけませんね
その他、西洋の化粧瓶なんかの皇后コレクションがあったり
普通のそれらも数多く存在したのでありますが、ともかく草臥れたというか
宝玉に中てられたというか、中たった感じだったのであります
どっかで、唐三彩の馬も見たはずなんだが、もう、あれ大好きだったのに覚えてないんだよな
■昼食
故宮で食事といえばここだろうと、ちゃんとしたレストランに行けることが
ほとんどないと自分でもわかっていたので、楽しみにしつつ
故宮脇にある食事どころの安いほうに行ったのでありました
府城晶華(店の名前)であります
いきなり地下へと誘われるような感じなんだが
中はこざっぱりしていて、夜はバーとかになるんじゃないかと思うような
割と広々としたレイアウト、適当に座ってくれという顔をされたので
さらっと座って、メニューを見ると、流石観光地であります
メニューにチェックして持ってきて貰うタイプだった
これは素晴らしいですね、外人用のこれを見たことありましたが
まさに、自分がこれを使って外人扱いされるとはなかなか
思うまま、一人からでもコース料理が食べられるとのことで
ここは大奮発、「國宴小吃」なるコースを選択、450元(1400円くらい)でありました
注文すると、あっと言う間というか、あれよあれとよ小皿が持ってこられる
早い、手早すぎる、11品もあるのに、半分くらい一瞬でやってきた
食べてみて感激、ああようやっと、台湾の料理を食べているのだな
果たして、これが台湾家庭料理と言えるのかしれませんが、
ガイド本によれば、ここは家庭料理を満喫できる店なんだそうで
もりもりと食べたのでありました
蜜漬けになった甘い果物から始まりまして、
タンタンメン、エビを揚げたもの、豚足の煮込み、蒸しちまき、
エビ饅頭、魚のすりみスープ、タロイモ、サイシンの炒め物
そして、杏仁豆腐に季節のフルーツと、まぁ盛りだくさん
特にサイシンの炒め物が、いかにも台湾という感じでありました
いわゆる、空心菜というヤツですが、あれに独特の味付けされたものが
なかなかうまくて、箸が停まらなくなる感じでありました
大満喫して、はっきりいって食べ過ぎたという具合でしたが
こんだけ楽しければ十分であると
もっとお金持ちになったら、この上の階にて、翠玉とか、豚肉とか
あの類を食べてみたいと思うのでありました、つるかめ
終わって、少しうろうろとしてから、またも紅30のバスで士林に向かいます