3月、卒業〜櫻の愛でる頃に〜


ついにこの日が来た
待ちわびた、3度目のこの日が
長かった高校生活がついに終わる、本当に長かった

なんたって2ダブ(2年留年)だから

一昨年は、純粋に頭が足らなかった
去年は、出席日数が豪快に足らなかった

だが今年は違う、出席日数も合格ライン
赤点を山のように取ったが、毎日の補習に加え
卒業試験をようやくパスした、もう目の前に障害は無い

それにしたって長い高校生活だった、改めて振り返る

中学の時、惚れた先輩を追いかけて
死にものぐるいで勉強してようやく入ったこの高校
入学早々、先輩と付き合うことになったのも、今じゃいい思い出だ
進学校であるここは、俺にとってはおおよそ入れるような代物じゃなかった

毎年が辛かった、どうにかして三年まではがんばれた
先輩が居たから・・・・・・先輩と一緒の生活が、続くのがただうれしかったから
だけど、先輩は卒業してしまった、俺を置いて

「ごめんね、高校の付き合いは高校までで終わるのがいいと思うの」

そう、先輩は「〜と思うの」、という語調の人だった
可愛らしいそのクセは俺の心をくすぐったし、今でも大好きだ
フられた者は仕方ない、生きる気力を失った俺は、ニダブに追い込まれていたが
今年はようやくそれを乗り越えた、っつうか、普通に生活してて
はた目からでも、20才の高校生は、イタイっ、イタすぎるっ

俺は逃げるのを選んだのかもしれない←台詞に陶酔してる

次々とやってくる知らない顔の同級生達
俺を通り越えていく後輩だった奴ら、そして俺が三年になった時に入学した奴らと
今は同窓を構えている、もし俺が卒業したら、同窓会はいったいどこに呼ばれるんだろう
ちょっとした疑問だ、まぁ、いい、いよいよ卒業すれば、そんな細かい悩みなんて・・・・

パンパンパンパンパンッ

「うわぁっ!!!!」

「ぎゃぁぁああっっ」

「な、なんだ・・・・・・・うわぁっ」

「て、テロだっ!!!!!!!!!!!!」

いきなり全身を完全装備に固めた外国人風の輩が教室に入ってきた
そして有無を言わさずに、クラスメートを何人か銃殺した
呆気にとられた俺達、テロだと叫んだ奴も、今撃ち殺された
突然の有事、ああ、そういえばテロの告知がどっかで出されたとはニュースでやってたが
まさか、うちの高校にやってくるなんて・・・・・・・・って

「じ、冗談じゃねぇぇっっっ!!!!!!俺ぁ、卒業すんだよっ!!!ざけんなっ」

「わっ、や、やめるんだ雄琴さんっ!!!!!」

クラスメートが年上の俺を気遣って名前を「さん」付けで叫んだが、それを振り払いガイジン野郎に飛びかかった

「卒業させろっ、この、腐れ毛唐っ!!!!!!」

「毛唐とか言うな、雄琴さんっ!!!」

クラスメートの悲鳴を背中に、冷静にガイジン野郎に組み付いた
伊達に2ダブじゃない、成人男性として立派な身体を授かってる
銃を撃つより先に組み付いた、GLOCKなんて、ブローバックアクションさえ
封じてしまえば、弾が出ない、こんなもん常識だっ

がごっ!!!!!

俺の2ダブパンチが炸裂し、すぐにガイジンを倒した銃を取り上げて
頭に銃口を突きつける、一瞬で片は付いた、静寂、クラスメートが固唾を呑んでる

「卒業式まで黙ってろっ」

「ち、違うよ雄琴さんっ!!!そういう事じゃ」

「え?」

かち、ぱんっ!!ぽしゃーーーーっ(血しぶき)

「きゃああああああああああっっっっ」

「うおわっっっ」

うっかり引き金を弾いてしまった、もの凄い血が吹き上がる
手違いで一人殺めてしまった、い、いかんいくら卒業したいからって
人を殺してまで・・・・・・・、いや、2ダブだ、これ以上は譲れないんだから仕方ない
割り切って、とりあえず返り血をハンカチで拭いつつクラスメートを見た

「どうしよう」

パニックだ、半狂乱になっているクラスメート
っく、やはり若いこいつらにゃ、こんな刺激の強いシーンはまずいのか・・・・
一人大人の俺は、冷静に分析する、狼狽えるクラスメート
ほとんどが外に逃げていった、現金なものだ
とりあえず俺も着いていこう、そう立ち上がった時

バンッッ!!!!ドガガガッガガガガガッッッ!!!!!!

「銃声!?まさかっ!!!!」

「た、助けてっ!!!」

「うわぁっ!!!!ま、まだいっぱい居るっ!!!」

数人が慌てて逃げてきた、が、ほとんどが今ので殺られたらしい
なんだ!?凄い音だったぞ、マシンガンなのか?
俺はさっき奪ったGLOCKを持って、扉沿いに移動する、そして鏡を使って
外を見てみる、同じ様な装備をした奴が二人居る、じりじりと近づいてこようとしている
まずいな・・・・・・UZ持ってやがる・・・・・

「ダメだ、殺されるんだ、殺されるんだ・・・・」

「いやだぁっ!!!し、死にたくないよぉっ!!!」

「黙れお前らっ!!!!」

弱音を吐くクラスメート、仕方ない彼らは若いから
事態を飲み込むことが出来ないんだろう、俺がやらなきゃ・・・使命感を覚える
もう一度敵を確認する、二人はじりじりと銃を構えたまま進んできている
よくない傾向だ・・・・・・一人じゃ、どうにもできない・・・・くそ、卒業が・・・

「雄琴・・・・・・・」

「??・・・・・・ヤンキーの・・・・石山」

俺の横に一人の男がやってきた、今日日流行らない長ランを羽織った
リーゼントのヤンキーだ、クラスメートだが一人この進学校では浮いていたな

「俺もやるぜ・・・・・卒業したいしな」

「ヤンキー・・・・・・・・」

卒業したい、その気持ちが俺と呼応した
俺のやる気が一気に増す。力強く頷くとヤンキーに持っていたGLOCKを渡す

「ヤンキー、バックアップを頼む」

「ああ、任せとけ・・・・・・・いいかてめぇらっ、生きて卒業すんぞっ!!!!」

他のクラスメートは引いている(色んな意味で)
っち、と舌打ちが聞こえたが、そっと諫めた、仕方ないぜと
このあたり俺は大人だ
俺が机をそっとかつぐ、学校の机ってのはなんだか頑丈に出来ている
こいつを盾にして突破口を作ろう、そう考えた

「行くぜ」

「頼むぜ、雄琴さん」

ヤンキー石山の声を胸に、机を持って飛び出した
ズガガガガガガッッッッ、凄い音でガイジンのUZが火を噴いた、ナンボ頑丈でも
30秒保たんだろう、そう判断して俺は、机を投げつけた
奴らが怯んだ、俺が飛びかかる、その後ろにヤンキーが来る、パンパンパンッ

一人を殺ったっ
もう一人、弾切れを起こしたらしく、手間取ってやがる
素人がっ!!!!!俺の2ダブキックが炸裂する
アゴをかちあげてもんどりうって倒れた、有無を言わさずにヤンキーがトドメを差す
パンパンパンッ、三発の銃弾が打ち抜いた、息絶えた

「やった・・・・・・・・が、まだ居る可能性が高いな、一旦教室に戻るぞ」

「おう、武器だけかっさらうぜ」

ヤンキーが慣れた手つきで追い剥ぎをしている、いつもこうやってタカリやってんだろう
戻ってみると、どうやら俺の他は本当に極少数の生徒しか居ない事に気付いた
いじめられっこ「のび太」こと草津、将棋部の西大路
ヲタクの大津、柔道部の山科、そしてヤンキー石山と、俺、雄琴の6人だ

「他の奴はみんな死んだのか・・・・・」

「らしいな、どうする雄琴さん」

ヤンキーが俺に意見を乞う、仕方ないな年上だしここは俺がリーダーシップを
発揮せねばなるまい、とりあえず、机でバリケードを作らせた
幸い一番端の教室だから後ろの心配が無い、前に向かってバリケードを作っておけばいい
三階だから、外の情報も比較的取り入れ易い、見晴らしがいいんだ

「いいか、これはテロだ、奴らを倒してなんとしても俺達は卒業しなくちゃならねぇ」

「そうだ、その通りだ」

ヤンキーが俺の言うことに何度も頷く、好い奴だ・・・そう思った
他の奴は、非常に言いたいことがあるようだが、何から話したらいいか
っつうか、どこつっこみどころかわかんねーよって顔で、俺の話を聞いている

「将棋部、お前作戦を立てろ」

「ええええ!?」

「そうだ、お前毎日将棋してんだろ、戦争なんてお手の物じゃねぇか」

「そ、そんな戦術なんて・・・ぼ、ぼく・・・・・・」

「大丈夫だ、サポートにヲタクをつける」

「ぼ、僕も?」

「そうだ、お前ヲタクだから、そういうゲームとかいっぱいやってっだろ」

「そ、そういう偏見で片づけないで欲しいなぁ、ぼ、僕はヲタクって言っても
その、アニメヲタクだから、ゲームとかはあんまり興味が無くて」

「ぐたぐた言うな、雄琴さんに従えっ、卒業したいんだろっ」

ヤンキーがヲタクを揺すっている、なんていうか
極日常的な雰囲気がするのは気のせいだろうか、ま、いい
そんでもって

「柔道部は、俺とヤンキーと一緒に戦うほうに行くぞ」

「やっぱりかよ」

「そうだ、んでもって、のび太、お前は将棋部とヲタクの護衛だ、いいな」

「え・・・・う、うん、わ、わかったよ」

随分と聞き分けのいい奴だなぁ・・・・そう思ったが
ともかく今は全員が戦えるようにしなくてはならないだろう、卒業式の時刻は
とっくに過ぎてやがる、本来ならもう、証書を貰っててもおかしくない時間だ
今日中になんとしても卒業しなくてわ・・・・俺は焦っている

「よし、30分で作戦を立ててくれ。それまで俺らは武器の手入れとかしとくし」

わたわたしている将棋部だったが、ヲタクと一緒に
やるしか無いと悟ったというか、悟らされたというか
あきらめた顔で、色々と考え出していた、俺は
ヤンキーと柔道部と一緒にバリケードを頑丈にして
武器になりそうなモンを集めることにした

卒業は、まだ遠い

つぎ

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ボツ企画逝き濃厚ですが
連載これ以上増やしてどうするって話ですが
俺しか面白くないですが気に入ったら、メールでもください(ぉぃ