Edelstein ”Karfunkel”


膠着する状態
それは、たいがいが好まれない
どうにも世の中は、不安定であることが安定している様子だ
圧倒的に落ち着いていない状態のほうが多いからだ
一旦できた流れが緩やかになって、立ち止まるような
風向きが変わる瞬間の平原に似た息苦しさ
それを感じたら、その後は大変なことになる
吹き荒れる嵐の如く、転がりだした全ての事象は
どうしようもないスピードで不規則に、乱れ、壊れていく
破綻する

「レーヴェ・・・・あなた、本当に」

「姉上・・・本当に、本当に僕は姉上のことが・・・」

「レーヴェ、やめなさいっ!!」

「は・・・はい」

しゅんとして、気弱な弟は縛り付けられた魅惑の女性を前にして
ただ、おどおどと萎縮とを繰り返すばかりだ
虜にした女に手出しもできない、そういう状態だと思えばいい
ただ、どれだけ叱責されてもその締め上げた手枷を外すつもりはないらしい
それを遠巻きでそおっと眺めるだけ
なんとも不甲斐ない男

「何をしているか・・・」

「ご、ごめんなさい、でも姉上をその」

「私のことなどどうでもよいのですっ!なぜ、どうして、よりにもよって北の大国など・・・」

哀色に染まる瞳
愚かな弟に向けて、悲哀をあらわにしてしまう
己の国を半分売りつけて、さらに残った土地を戦場にしようと
なんのために、王家の復興?おろかに過ぎる
そのような何にもならぬもののために、どれだけの愚行を犯そうというのか
キルシェの瞳は何度目かの涙で揺れた

「大丈夫です姉上、すっかり、すっかりになります、北の大国の軍勢はもう既に
ヴェステン北部に攻撃をしかけていると知らせがありました、少しすれば、
何もかもが、描いた通りになります、だから、そんなに怒らないで・・・」

もう一度、キルシェは強い視線と叱責の声をあげかけた
だが、その様子をすぐに感じ取ったのか、走り去るようにしてレーヴェは逃げた
頼りがいの無さというのだろうか、弟の器が知れて
それを担ごうとしていた自分をすら呪おうとしてしまう
どこで、どうして

それでも、幸いなことは少なくとも混乱をこの地に起こせたことだろうか

小さく呟いたが、すぐに、それすらも愚かなことだと気付いてしまう
結局、キルシェは己の無力を知っただけなのだ
格好をつけて、ヴェステンを戦火から守るなどできやしない
それを見越して、姫様はキルシェを遣わし、最低限の、姫様にとっての都合だけがついてこのザマ

どろりとした未来が見えた
これによって、とても自然に、理にかなったと言うのだろうか
誰もが疑問に思うことなく、キルシェは用済みとして捨てられるのだろう
一瞬そんなことを考えてしまった
父親に言われたことに心中が掻き乱されている
いや、考えてみれば、至極、とても当たり前のことじゃないだろうか
あの姫様ならば、それくらい、そして今も

「アル・・・・・・さま・・・・」

情けない、想いをせめてもの言霊に乗せる
己に何も無いということだけをここで確認した
それだけだ、そして、そんな中
呼びたいと想ったのは、夫の名前だった、それは救いなのか絶望なのかわからない

ヴェステン北部では大きな戦乱が渦巻いていた
既に宣戦布告もなされ、北部ヴェステンに対して
北の大国から大軍が寄越されている
圧倒的な武力で、散々に街は破壊されている、戸惑い嘆く国民達は
ただ、すがるように、逃げて、逃げて、南へ南へと移動をはじめている
そこへ、助けに来たと叫びながら騎士団が到着する

蒼の大騎士ゼー率いる蒼騎士隊だ

その稲妻のような強さは、さらに混乱を大きくさせる起爆剤となった
戦場となったそちこちで、接収、強奪、徴発が行われ
次々と戦争のために、ヴェステン北部民の生活は破滅へと誘われた
しかし、それらの物資を得たゼー隊は破竹の勢いで
北の大国軍と互角以上の働きを見せる

「大騎士!!!火石を接収いたしました」

「でかした、ロートホルンを前に出せ、奴らに目に物見せてやれっ!!!!」

ロートホルンという戦車が何頭かの牛にひきずられ出てきた
火石を使い、その爆発力を持って、鉄球を発射させる兵器だ
紅い角笛という名前のそれは、大きく反り返った砲身を真っ赤に燃やして
山の頂きを吹き飛ばすような凄まじい破壊力を発生させる

ぶもーーー、ぶもおおおおーーーー

ぴしぃっ、ぴしぃっ、牛の尻を叩く鞭の音がせわしなく鳴る
そして、頃合いか、一瞬の静寂のあと
角笛は雄叫びを上げる

ずどぉおおおんっっ!!!!

ばごぁっ!!!、ばらばらになって吹き飛ぶ人間だったもの
凄まじい破壊力をそこに降臨させる
未だ、この兵器を保有する国は少ない、いや、この近隣では
紅の国しか無いと言っても過言ではない
他の大砲とは作りが違うのか、その射程と破壊力のいずれもが桁外れに大きい
もっとも、その分だけ火石を凄まじく消耗するため
おいそれと使われることはない、今回は違う、ゼーは笑うと
さらに何発もの虎の子を、惜しげもなく発射させた

ぼごぁああああっっ!!!どぐぉおおおぼぼぼぼぼっ!

「ははは、バケモノの吼え声だな・・・・そろそろよかろう、騎士隊前へーーーー!」

子供のように笑う様だけは変わっていない
だが、戦地に到着してからの戦勝風景に
すっかり馴染んだ姿は、名声にいよいよ実力が追いついたようだ
ゼーのまわりを取り囲む、無数の蒼い騎士達も
一様に同じような笑顔を浮かべている
どれもこれも若い、だから、戦場で逸る
圧倒的な破壊力を前にすると、わけもなく笑みがこぼれてしまう
子供なんてそんなものだ
馬鹿げているものを見るのが大好きだ
目の前で、人間だったものが粉々になっているのを笑って見てしまう

騎馬を駆り立てたゼーは、隊の陣形が乱れるのも厭わず
一番に戦場へと躍り出た、敵の戦意は未だ高い様子
しかし、その中心で笑いながら、怒号を上げて威圧をし
槍を振り回して、十二分に働きを見せた
怯む相手の隙を衝いて、遅れてきた蒼騎士隊がなだれこむ

「狂犬がっ!!!」

「誰が犬だ、この阿呆っ!!!!」

言われたまま、狂犬のほうが相応しい
そんな目の色でゼーは、蔑んだ敵を正面から撞き殺した
槍がそのまま深く突き刺さり半ばで折れる
使えないものは仕方ない、やおら捨てると腰の剣を抜き放つ
長剣がぎらりと光る、朱塗りの鞘がマントから見え隠れする
元々の主マリーネが好んだ、その愛剣だ

ずぐっ、ずど、ばばっ!!!

「驚くほど斬れるな・・・」

叩きつけて鎧を砕く、そんな使い方ばかりをしてきたが
その継ぎ目を狙い剣を奮うと何度でも敵を屠ることができる
何よりも力が要らないから、長く戦える
力と勢いだけで戦ってきたが、技と呼ばれるらしいそれを
ようやく身に付けつつある

「東方の蛮族も、力が無いからあれこれ考えると見える」

いつだかに殺した敵の瞳を思い出す、この技はその敵から盗んだ
どくり、背中に痛みが走る
傷を負ったわけじゃない、記憶が奔っただけだ
ゼーは馬を二度、三度とその場で回転させて
引いていく敵を追うのを辞めた、遠巻きではあるが
敵のしんがりが体勢を整え初めているのが見える
重騎士と呼ばれる分厚い鎧を着込んだ、ずんぐりとした兵隊が盾となっているのが見えた
手にはナイトキラーと呼ばれる、長槍がある
あんなものと喧嘩するほど酔狂じゃない

「北の連中も焦ってやってきたらしい、疲労がだいぶ見れるな」

「ゼー隊長どうされますか?」

「当面は北部ヴェステンの確保だけで充分だ、街の外まで追い出せ」

「伝令っ!!」

「なんだ」

「西三国が北大国と軍事同盟を結んだ模様」

「想像通りの展開だな、苦戦必至か」

ゼーが戦場を眺める、この街を確保するだけでもしんどいことになりそうだ
軍事同盟とのことで共同戦線を張ってくるのだろう
三国がまとめて派兵してくるとなると厄介にすぎる
せめて、北大国に道を譲る程度の同盟内容ならよいのだが
楽観できそうもない

「ともかく、我々の任務はヴェステンの救済だ、ヴェステンを北の阿呆どもから守るのだ」

ゼーは大きく叫んで鼓舞をうながした
蒼い旗と紅の国の旗をそちこちで掲げて、ようようと戦意を煽っていく
ヴェステンを守る
ヴェステンの何を守るのか、国民が泣き叫び逃げまどう様を見て
残された遺産ともいうような、食糧や、衣類、なけなしの金銀
それらを守るのだろう
守り方も、すら、敵に奪われなければよい
ただそれなのかもしれない

「せめて、土地くらいまでも守ってやるかな」

「隊長?」

「なんでもない、ロートホルンは後ろに片づけておけ、敵に盗られると厄介だ」

指示を出して、喧噪が遠のいていく様を眺める
戦勝を自らの手で盗った
しかし、すぐにでも反撃がやってくる可能性が高い
この土地の確保期間はどれほどだろうか
ふと、そんなことを考えて、誰かを思い出したように思う

「英雄騎士も、先日はこの気持ちだったか?」

まさか、軍師様は俺を捨てたりはしまい
ゼーは思う、だが、戦略上ここは捨てられるのは間違いないとも思っている
後任が来るだろう、それが誰なのか
わからないが、別命があるまでこの場所を確保し続けるのが肝要
ともかく今は目の前の勝利を目指して
街で敵を倒すばかり、積み上げるのみ
英雄騎士の妻は、どうやら別の手段で既に捕らえられているとも聞いている
全ては順調にすぎるほどだ

マリーネの墓の前にまた立っている

「マリーネ安心して、ゼーがきっと、奴を連れてくる・・・だから、それまで安らかに」

静かに声をかけて、墓石に清水をふりかけた
さらさらとした輝きが、大理石のそれにひたりひたりと光を与える
グラスは、毎日の行とでもしているのか
ここに来て、進捗の報告を彼にしている
間もなく、近い未来にこの墓の前に仇の首を晒すのだ
グラスの瞳は心地のよい色に染まっている
それは動乱を示す、赤黒いとぐろを巻いている

「グラスさん」

「ツエク様・・・お待ちしておりました」

恒例になっている
ここでツエクから情報を聞き出すことが

「いえ、表情が変わられましたね」

「?」

「なんというか、陰鬱とした沈んだ感じじゃなくなったように思えます」

「それは・・・ツエク様のおかげです、様々なことをお調べ頂いて・・・」

ゆっくりと笑顔を作った、はにかむように
意識して表情をかたちづくる
明るく見えてきたのは本当のことだろう
沈んでいるよりも、這い上がって怒りにまかせて敵を討つ気概が満ちているのだ
暗い顔ではないはずだ

「いえ、今日は・・・何もお知らせすることはありません」

「そう、ですか」

そんな日もあるだろう
グラスは落胆するでもなく微笑みを絶やさなかった
遅かれ早かれ、妻のキルシェが囚われているというヴェステンに現れるはず
そこをゼーが叩けば全て終わる話、何も問題はない
そう思って、聞き流そうとした、が、女の勘が警鐘を鳴らした
瞳はぎゅっと引き絞られて、ツエクの表情を追う

嘘をついている

「ツエク様?」

「え?」

「いや、何かぼーっとなされている様子・・・何か、ございましたか?」

迂遠な質問から囲い込む
空は随分と晴れている、このところ晴れの日が続いているらしい
ただ、南では不安定な気候らしく、大雨と日照りが不規則に続いているのだそうだ

「あ、いや・・・何も、その力になれなくて申し訳ないと・・・」

「そうですか」

それ以上は聞けない、そういう物を言葉端から感じ取った
深入りはしない、大人の女の笑顔を見せるだけで
また、いつものように、そっと口づける、ただ今日はそれだけで終わらない
そっと、抱き締める、抱き締められるように体を預けるのだが
自らを押しつけるように、しとね、自ら抱かれている形を作りよたる
しっかりと、ツエクが自分の体を受け止めたのを確認する
支えられる手、指先がそっと、柔らかいグラスの肉に手形をつける

「ツエク様・・・もし、私が聞くのも辛いような事実を掴まれることがありましたら、
それでも、包み隠さず、どうぞお教えください・・・私は、全てが知りたいのです・・・」

「グラスさん・・・いや、そんなことは、何もないよ、大丈夫、全部伝えるよ」

そっと抱き留められた形がこわごわと固められる
ツエクの腕に力が入り、しばらく離れなかった
しかし、よく晴れた日だ、ずっと抱きついていられるわけじゃない
少し暑さを感じた、そんな表情を作る、目は閉じてうつむいているが
ツエクの位置からはわかるだろう、優しい皇子はすぐに手放す

ぱた

「申し訳ございません・・いつも、弱気なことばかり・・・そうだ、もしお手伝いするようなことがあれば」

「それは・・・」

「ああ、私自らというではないですが、ゼー殿が出られてから、リズが持て余している様子ですので」

「そうですか」

落胆
そういうのがわかりやすく顔に出た
まだ、脈は、釣り糸は切れていない
グラスはそう思い、その申し出だけを済ませると、そっと墓場から去った
足早に自分の部屋へと戻る、扉、厳重ではないが鍵を閉めてある
ぎぃ、音を立てると分厚い扉は内側に開いた
滑り込むように体を入れて、また、ぎぃ、音を立てて閉める

ぱたし

「・・・・・・・」

「うー・・・・うー・・・・・・んー・・・」

虜となった女の子は、随分と卑猥に見える
グラスの瞳が眼鏡の奥で冷たくなった
暗がりに入った猫のような、瞳孔が少し開いた状態
そう見える、鬱蒼というのか、薄暗い部屋内に
不器用ながら縛り上げたメイド姿のリズが一人

「動くほど痛いって、言ったのに」

グラスは鞭を取り近づいた
その姿を認めた瞬間、リズの瞳の動きは
小動物を見ているようで飽きが来ない、グラスはそう思って笑顔を浮かべる
ぴぃ、空気を切る音を鳴らす、ふるふる、リズが震える
恐怖に脅えているのが手に取るようにわかる
しかし、

「相変わらず、こうしただけで喜ぶなんて・・・」

ちく、鞭の先で股を一つ撞いてみる、湿った音
ちくちくちくちゅく、何度か捏ねると、うー、うー、声を漏らしながら悶える
するり、抜き取れば先から粘液が大きな橋をかける
ぴしっ!!そして、有無を言わさず一撃をくれる

「ぎゃんっ!!!」

「犬のように鳴くのではありません、リズ、何度言ったらわかるの?」

ぴちぃっぴちちっ!!!

「ひんっ・・・ひんぅ・・・うーっうー!!」

女王がゼーに与えた
そういう扱いになっている、女として使われているのは確かだが
その女というのが道具とか、そういった、リズの権利を無視した扱いだった
ゼーが留守となっている以上、グラスが教育係として
また、しばらく預かるということになる
なので、この状態はなんら問題がない、しかし、こうなった経緯にはいささか曰くがある

「女王様が、手ずからゼー殿のためにお前を調教したと聞いています、しかし、
今度の遠征後に関しては、私が代わりにしつけをします」

ゼーが出ていってから、毎日、これを続けている
この口上が、いわゆる、プレイの始まりを告げる合図
縛り上げられてM字に脚は開いている
そこを隠す下布だけ剥ぎ取り、あとはメイドの衣装を崩さない
厚手のタイツが脚を包み、全身を衣で包まれている、素肌が見えているのは
下半身の重要な部分だけだ

「まぁ、まだお仕置きの期間が済んでいませんからね・・・わかって?」

「うぐ・・うぐ」

猿ぐつわをされているから声は出せない
何度か頷いた、既に涙が零れている、いつものことだ

「部屋を覗いていたこと・・・まったく、躾がなっている以前の話」

ぴちっ、ぴぢっ

「あまつ、中でゼー殿と私が何をしているか・・・お前はそれを見ながらどうしてた?」

「ひぐ・・・ひぐ・・・・うぅ・・むぅー」

ごめんなさいと、必死に言おうとしているのがわかる
だが、決してそれが声にならない
だから、謝れば終わるこのお仕置きは永遠に終わらない

「淫乱、その荒淫は直らぬと見える、だから、お前には本当の罰を与える」

ぴぢ、ぴぢ、ぴぢ

「これが終わった後より、ツエク皇子の側仕えをするのだ」

「!・・むーむーむーっ!!」

「そんなに嬉しいか?寝取られて持て余したそれを、充分に発揮できるか?」

くすくす、グラスは楽しそうに笑っている
これは生け贄だ、そして、女間諜だ、古典的なそれだ
ツエクのお手つきとなるのは、たやすいことだ
だが、それとなった時にどうなるのか
女王様の喚起を被ることがないか、その賭をする時
グラスではどうしても分が悪い、しかし、ツエクは利用したいそれである
だから散々、青い性を煽っておき、手頃なところでリズを与えることにした

「まぁ、ゼー殿のことは安心せよ、たっぷりと、私が相手をすることとなる、
なにやら、お前では足らぬ肉感を喜んでいる様子、悲しむことはない」

「うーうーっ、ーっ〜〜っ」

今までにないほど激しく暴れる、涙はいよいよ流れ始めた
それまでのとは質が違う、本気でゼーに惚れているのか?
グラスはそう思うが、だからどうというわけではない
ゼーのしざまに惚れていただけだろう、ツエク皇子によくよく優しくされるがよい

「まぁ、ともかく、しっかり務めるように、その為にも今日はとくとく教えてあげましょう」

グラスは笑顔をたやさないまま
鞭を勢いよく振り下ろす、ぴしぃっ、派手な音とともに白い肉に紅い線が奔る
もっとも服の上からなので実際は見えない
あまり傷をつけると、色々となった際に、妙なこととなるかもしれない
そう思うと、グラスの手はそれ以上暴力を働かなかった
もっとも、乱暴にはする
それは止まらない

「さぁ、ゆっくりと、私は女王様ほどの手管を持たぬ、だから散々にしてやることしかできぬ」

言うなり、猿ぐつわを外した、ぷあ、ヨダレがだらりと垂れる
だらしのない顔だ、はぁはぁと息づかいが荒く
それまでの苦しさから解放されて、いささかの安息を得ている様子
しかし、その口を閉じることは無い
すぐに手で股ぐらを弄び始めた、ちゅくちゅくと、ほどよく熟れたそれを舐る

「んうあああっっ!!!!ひひゃああああっっっ」

ちゅる、ぴちぴちぴちゆうるるる、
指で豆のあたりを散々に小練り続けつつ
だらしなく、開閉を繰り返す膣口に舌を這わせる
女のそれを嘗めるという行為にどうにも屈辱めいたものを感じなくもないが
グラスができる、この手の技は全て、口によるそれに集約されている
マリーネのために覚えたそれ、男も女もあまり代わらない

「ひうひうっああ、ぐ、グラスさま、お、お許しくだしゃい、しゃいっ」

聞いた風はない、そのまま、終わることもないように続ける
舌技もそれなりに尽くしたが、もうよかろう
そう思うと、そっと口を離した
まわりがべたべたとするのを不快に感じつつも
両の手で丹念に、女を凌辱する

「んあっ、んあっ、んあっ!!!」

「やはり、出し入れされるのが好きなようで、前も、後ろも」

「ひゃいっ、す、すきですっ、すきです、だしいれされるのがすきですっ」

よくよく教え込まれている
そう言ったら、喜んでそうしてくれるご主人様ばかりだったんだろう
グラスは呆れながらも、望み通りにそれを繰り返してやる
ちゅぱちゅぱと音を立てて、前の穴からはとめどない液体が溢れている
そのおかげで尻の方もいくらか簡単に出し入れができるようになった
だが、長時間そんな奉仕を続けたいなどとは思わない

グラスの仕置きは愛がない、ただ、本当に蔑む凌辱だ

「んっ、んっ、んっ・・・・ひゃ・・・んっ!!」

声が一定のリズムで続く
かくかくと、何度かイった感触を味わった
抜き差しする指を器用に締め上げてきたのを何度も確認している
こうされると、なるほど、女でもまんざらではない気持ちになる
これが指ではなく、男のそれならばなおさらなんだろう
妙な観察を続けつつ、そんなやわい快感など捨てて、じっと探す

かり

「きゃっ・・・ひゃぃっ!!!」

声が変わった、ここ?

「んぁうっ・・ああ、ああああ、っ、や、やら、やらっ!!!ぬやああああっっ!!!」

ちょぱあああ
尿の口が少し開いた、そこから黄金色の液体が漏れた
汚い、グラスは不快を露わにするが、指は絶対に抜かない
見つけた、この場所を刺激すればいいのだ
お祭りの始まりだ

「んのおおおおおおっっ!!!!」

「そうそう、その調子その調子、さぁ、何度イける?どう?どう?」

「んああっも、い、ひくっ、ひくぅっ、いっ・・ぁああああああああっっ!!!」

ぶるるるる、躍った
完全に捕まえた、リズが弓なりに沿って、気をとばしたような嬌声を上げる
この箇所を責め続けるだけで、あとは、気を失うまでただただ

「ひ、うおあああああおおおおおおおおおおおっっっ」

「ほら、ほら、はしたない声、獣のよう・・・かわいらしく女の子のような声をあげなさい」

「ひぎゅうううううっっうにゃああああっっ、あああっっ!!うあ、はうっ、はうんっ、はうんっ」

かくんかくん、壊れた玩具みたいな動きになってきた
面白い
グラスは気をよくして、液体を吐き上げ続ける下半身をできるだけ見ないようにして
それでも指は丹念に、その部分を圧したり撫でたり、ひっかいたりを繰り返す
どくどくと、脈打つように、締め上げられる、必死に体を捻って逃れようとする様が
随分と愛おしく見える、仰向けだった体を、なんとかよじってうつぶせになった
だが、そうしたからといって逃げられるものじゃない
むしろ、四つん這い(もっとも縛られているので這い蹲っているだけだ)になって
より深くをえぐられるようになっただけだ

「も、もうやめて、やめてください、やめてくださいっ!!!」

「まだまだ、ほら、どんどんとここは欲しがっている」

「や、やめ・・・やめてっやめてっ!!!!やめっ!!!ひゃああああああっっ!!!」

がくがくがくがくがくがくがくがく
連続でイき続けている、もう、気持ちの悪い動物のような動きしかできなくなってきた
脚を伸ばそうとするのか、大きくひきつけを起こしたように撥ねる、
筋肉が、健が、伸縮を精一杯に繰り返して、それに追いつかなくなった
柔らかい部分が、ふるふると痙攣を続ける
やがて、その痙攣だけを残して

ぺたり

「リズ・・・寝ていいとは言ってませんよ、はしたない格好のままで」

言うが、もう反応はない、
あう、あう、あう
呼吸の音なのか、声なのか、白目を剥いた女は
そう繰り返して、どっぺりと上半身をたえて
下半身だけを辛うじて、持ち上げている、そこで暴れる白魚のような指が
蠢く度に、反射だけ起こす、びくびく、撥ねるが脊髄の反応だけだ
官能によって、脳への伝達回路が焼き切れたのかもしれない
そうなってようやく、グラスは手を止めた

「まぁ、これくらいでよいでしょう、あとは殿方にして頂かなくてはなりません」

汚いものを見る目だけ携えて
気を失った女をそのまま捨てておくことにする
こんなものでも、役に立つだろう
女として薄い、何もかもが足らない、それ故にハジメテにはよかろう
すっかりそんなことを考えられるようになったグラスは
ハジメテの後も、自分のコトを忘れられないであろうツエクのことを考える
ゼーで試した通りだ、男なんて所詮、そういうものだ

マリーネ、あなたの為に

気をやったのは、一体だれのことなのか、本当にリズのことなの?
ふと、正気に帰ったようにグラスは呟いた
涙が頬を伝って流れる、狂ったのはどこで誰がどうしてか

軍師殿が悩んでいる

「・・・・・・」

声は漏らさず、じっと、ツエクがもたらした地図を眺めている
また、この地図に写された詳細は変化していくのだろうが
その変化していく様が見える
それを起こされると、負ける算数が見えてくる
やられる前に潰す、いや、そこに出てくると解るから、逆手にとって完勝を期する
選択しなくてはならない
軍師殿は完勝ではなく、その策を潰すだけに専念しようと心持ちを固めつつある

「人が足らない」

呟いてしまった
悩みがいっぱいまで詰まった、仕方がない
元々大きな国土ではない、それ故、多方面にそれこれと
派兵できるほどの余裕はない、じっと耐えつつ、敵を退ける手段しかない
今、軍師殿が考えているそれは以下の通り

南港の戦を長期化させて釘付けとする、ここに二人の大将格を派遣中
東のバンダーウ教とは同盟関係確認返書により無力化
その東に居たゼーを大将格としてヴェステン北部へ派遣
手持ちに残っているのは、紅の軍師隊と親衛隊マイグレックヒェン

ヴェステンで動乱が大きくなっているのが気がかりだ
レーヴェという愚か者をうまく傀儡とし、南ヴェステンを姫側につかせなかったのは良かったが
北部に別敵を呼び込まれるとは思わなかった
いや、実際は予見できなくもなかったが、そこを抑えられる手段が無かった
西との政治をもう少ししておかなくてはならなかった
少し前にツエクへと説教を垂れたのが懐かしい

今、北部ヴェステンを落とすのは得策ではない
だから、北部にどうしても一つ増援を向かわせなくてはならない
手持ちのコマは少ない、マイグレックヒェンを送るわけにはいかない
必然的に自分が向かわなくてはならないだろう
自分が行けば、あの土地は確保することができる
そんな自信もある、しかし

南港、いや、南ヴェステンを先に襲いたい

敵大本営、姫君の狙いが見えた
デハン、ヴェステンのいずれも捨てた上で単身乗り込んでくるつもりだろう
そして、紅の国内に入りさえすれば
彼女はかつての王権を取り戻せる、そう考えている
浅ましい、いや、作戦にすらなってない
しかし、それをやるだけのキーを備えている
息のかかっている何者かがいくつも存在しているのか
それとも、魔法を使って、彼女がいるだけで
そんな気分になる愚か者がいるのか

ともかく、近づかせない、なんとしても国境を越えさせてはならない

やりたくは無かったが、北部ヴェステンを堅守し
南ヴェステンと南港を姫君にくれてやることで
対等の戦力を持たせる

純粋な戦争で勝負をしよう

軍師殿が最終的にとったのはそんなところだ
戦術、戦略、戦争のうち闘争部分のみを純粋に抜き取った
殺し合いの最中で勝利をとろうと思っている
政治が関わるそれらになっては、とてもじゃないが太刀打ちできない
だから、戦いだけに凝縮させたい
そのためにも、軍隊を持たせたいと思っている
いくら姫君が優秀であっても、勢力を確保すると不思議なことに
全く己の思ったことができなくなる、あの姫君にとってもそうだろう
かつて紅の国に君臨した頃、戦場にはほとんど出向かなかったという話からも推測している
それらが苦手なのだろう

「軍師殿」

「!・・・これは女王様」

「ツエクから伺いました、必勝の策があるとか?」

本当にうれしそうな笑顔
期待半分といった具合なんだろうが、半分にしても
その期待の総量が大きいということなんだろう
久しく見ていなかった笑顔がまばゆい

「いや、必勝とは・・・」

言いつつも、次善の策である
姫君に軍を与える策
それを披露する、神妙な顔つきで女王はそれを聞き
何度かうなづく仕草を見せていたが、話の終わりには笑顔が消えていた

「女王様・・・」

「軍師殿、いわんとするところは解る、それに狙いもよいように思われる、しかし」

姫様はさも当然といった様子で、
ツエクと同じ軌道で、地図の上で指を滑らせた
母子なのだな、その仕草の似たところを見て声を失う軍師殿
必勝の策の動きをその指は描いた

「しかし、その策は危険が伴います」

「そうであろうか、南さえ、あの姉姫様さえ葬ることができれば・・・」

「いけません、北大国を侮ってはなりません」

「そんな話では無いはずです、北の大国とあの人、どちらが危険かというお話です」

軍師殿が答えに窮した
確かに、言われる通りだ、今、勝率の高い方法が目の前にあるのに
それをとらないでいる自分の慎重さ、臆病さに覚える感情
女王は何度目かもわからない
目の前の男の臆病さに言葉を選んでいる、今までは罵っただけだったが
今回は違う、この戦にかける思いの差がそうさせたのだろう

「軍師殿、今は、そうではない、一刻も早く恐怖を取り除かなくてはなるまい、
現状は刻一刻と変化している、この変化が、一つ一つ、全てが
あの人によって起きているという恐怖から、なんとしても解放されなくてはならない」

「女王様、それは」

「違うと言い切れますか?あの人が、北の大国を呼び込んだとも思えるこの状況、
ならば、そちらへと援軍を送ることすらも手の内、今はその裏をかくべきでは・・・いや」

女王はふと、自分の言葉に違和感を覚えた
どちらかを選ばなくてはならない
その条件付けに不思議な気持ちを覚えた、いや、
ルールを作られた、その通りに躍らされる
そういうコトの成り行きが、あまりにも姫君が喜ぶそれではなかったか
本当にしなくてはならないのは、敷かれたレールから飛び降り、自ら道を踏破すること

「軍師殿・・・どちらかではならないというのは」

「これは、今の兵力を二つに割るのは得策でないからです」

「兵が足らない、前にもそう仰いましたね、ならば兵を増やしましょう」

「女王様・・・」

軍師殿が苦笑してしまう
兵が足らないというのは、二つの意味があったのだ
兵隊も実際足らないが、それを率いる将軍が足らない
そちらの方が問題なのだ、それを言おうと軍師殿が口を開く
しかし、その機先を制して女王は笑う

「将軍が足らないなら増やしましょう」

「違います、そのように新参のものを任命するだけでは、名前だけの将軍など」

「わかっています、ちょうどよいのがいるではないですか」

「ちょうどよい・・・?」

軍師殿は思い当たらない
彼が知る限り、現在の幕僚にそのような強者がいるとは
まったく思いも寄らない、しかし、不敵な笑顔の女王は
軍師殿を見据えると一人の男を推薦した

「重騎士クラフト将軍・・・、引退したとはいえ、元々は大将軍の地位にあった人、充分でしょう」

「く、クラフト将軍ですか・・・・しかし、彼は・・・」

重騎士クラフト
紅の国の王が代わる度、その側で武勇を奮い
紅の国を守るために命の全てをかけていた男だ
北の砦を建造したことでも知られた、この国のもう一人の英雄
生き伝説のようでもある

「何を狼狽えることがあるというのですか、あれほど戦に執着した人、声をかければすぐにでも」

「しかし彼を引退させたのは、他ならぬ・・・」

軍師殿は言葉を飲み込む
10年前、政権を盗った後、幕僚改変に伴い
クラフトを旧臣としてはじき出したのが軍師殿であり、女王である
新政権にとって、最も邪魔な男だったと言える
そのため、費やした様々な工作は酷く、度し難いものも多く
最終的には屈辱的な引退を受け入れさせた
今は、監視下で労働監督の仕事を「やらされている」
労働者は犯罪人だ、また、重騎士隊の元隊員も多くいる
その扱いは、間違うことのない犯罪人に対するそれと同じだ

「あの忠義者、絶対に弓引くことはない、それは軍師殿もわかっておいでだろう」

「はい・・・・」

それだけの仕打ちをされながら、文句も言わず
ただ生きながらえている、そういう風情が漂っている
世間の話はうまくコントロールして、彼の名声は守ったまま
その実、力を失わせるようにと囲ってある
あまりのしざまだが、決して反抗のきざしすらも見せたことがない
紅の国の為に
それだけが凝り固まって、全てが作られている男なのだという

「クラフト将軍と重騎士隊を北の守りに向かわせましょう、重騎士にはうってつけの仕事」

「・・・・・」

「それで交代して戻ってくるゼーを使いヴェステンを攻撃、クラフト隊を派兵すると同時に」

「私が支隊を率いて南での戦勝を呼ぶ」

「その通り、これで姉姫様のレールを、ルールを破ることができる・・・勝てる」

軍師殿はそれ以上異論を唱えなかった
それを赦さない視線を浴びた
女王の決意は、すなわち、国の総意に他ならない
軍師はその方向を糺すべきではない、なんのために働くのか
与えられる任務をより確かに達成する方法を考えるためではないのか

難しく考えるのはやめた
軍師殿はそう結論づけて、うやうやしく頭を一つ下げた
女王が下がった、翌日クラフト将軍が召還され
大将軍の地位とクラフト重騎士隊が与えられる

召還された騎士隊はいちように漆黒の鎧に身を包んでいる
初めてその姿を見たものは、重々しさに圧倒される
女王は、その黒を好ましい者としてことさら褒めて

「クラフト将軍、よろしくお願いいたします」

笑顔を見せたという

つづく

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やっつけエロシーンのため
なんか前と同じじゃね?そういう具合で申し訳ございません
ちなみにあと二回とか言ってたエロシーンも
ほぼ上のと同じです、残念賞

こんだけ長いのに収集ついてないのが痛すぎ
しかも、ラスト決まってないという体たらく
エロ小説としてまっとうに終わりたいと思うのであります
(07/07/09)