Edelstein ”Karfunkel”


「女王様、ヴェステンより帰還いたしました」

「重畳」

「北方の動乱も何一つ憂いなく鎮圧成功です」

「よく、してくれましたねツエク」

「全て、軍師殿の補佐があってのことです、女王様」

「そうでしたか、軍師殿、礼を言います」

「勿体ないお言葉」

北方遠征の報告詳細は、先に軍師が手紙にて済ませている
そこには、ツエクの知らないことがたくさん書かれている
最重要事項としては、マイグレックヒェンはツエクの物となった
その一文に尽きるだろう、読んだ瞬間に女王は思わず声を出して笑ったという
何もかもがうまくいっている、だから、常に上機嫌だ
そして、機嫌がよいから、城内はとても明るさに溢れているように思われた

「そなた達が励んでおる間に、待ちわびたものも出来上がりました」

「本当ですか」

「グラス」

言われると、グラスは宝石を台車に乗せて押してきた
そこに眩い光を放ついくつもの宝飾が飾られている

「これは、凄い・・・とてつもない美しさ・・・」

「そう、その金剛石はツエク、あなたの物です」

金剛石の大玉は、剣の鞘に埋め込まれている
金銀の意匠を懲らした、美しいサーベルだ
サーベルの柄にもいくつか宝石がちりばめられており
緑、蒼、黄のそれぞれが埋め込まれている
朱色の紐がそれらのこしらえに巻き付いている
あまりの美しさに、手が出せない、それほどの威厳がある

「いかがされました、軍師殿」

「いえ・・・・ご説明を戴かなくてはならないことが」

「黒石のことですね、これはゼーが詳しく知っております、仔細は蒼騎士に訊ねなさい」

女王は一切を受け付けない
そういう風に言い切った、美しい黒石の宝飾も素晴らしい
ツエクはただ、手放しで喜び続けるが
軍師殿は、赤ではなく、黒とした
そこに幾ばくかの不安を覚える
披露はそれまでとなり、報告式も解散となった
自分がいない間に、様々な我が儘を通されたのか・・・女王として問題はないが
一抹の不安を覚えてしまう、確かにより彼女に似合う色にするのはよいように思える
だが、早すぎるのではないか、軍師殿がいつもの慎重論に縛られてしまう
ともかく、既に黒い石でできたものは仕方がない、仔細を訊ねて不審がなければよしとしよう
その件はそれで片づけることにした、それよりも伝えておくことがある、そちらを優先しようと動く

「グラス殿」

「軍師様・・・いかがされましたか?」

グラスが城内で様付け敬称を使う相手は
女王、ツエク、そしてこの軍師のみだ
すなわち、その次に身分が高いと言っているようなものだ
女王付きで、格別の恩顧をたまわる身分
その裏で、非情な仕事もしているのだが、そちらはあまり知られていない
ともあれ、今は軍師の話である
注意深く、グラスは眼鏡の奥の瞳を鈍く光らせる

「石のことだが」

「それは、蒼騎士ゼー殿におたずねくださいませ」

「解っている、ゼーを呼んできて欲しいのだ、急ぎの用があるので、私の部屋で少し待つように伝えて欲しい」

いやだ
グラスは思わず表情に出してしまった、はた、気付いて慌てた様子で
かしこまりました、と返答をしてしまった
その様子を不思議そうに軍師殿は見たのだが、それよりも急ぎの用が大切らしく
後を頼む、などと言ってすたすたと消えていった
グラスは、がっくりと肩を落とす、あの蒼騎士と話さなくてはならないとはと

「仕方ない、・・・・この時間ならば、私室か」

グラスは城内の主立った人間のスケジュールまで把握している
大した能力で、秘書のようなものだ、ただ把握しているだけで
それをその相手に対して教えることは全くない
自分が、女王に訊ねられた時、すぐ答えられるようにするだけ
そういうために覚えている、その覚えによれば、今頃ゼーは訓練を終えて休憩のはずである
いそいそ、こちらもまた早足でそちらへと向かった

「・・・・?」

ゼーの部屋の前に来た
やはり、一つ気合いを入れるなどしないと、とてもじゃないが声をかけられない
随分と嫌がったものだが、グラスはそのために、扉の前で深呼吸をする、別名ため息
しかしこの時は、自分のではない吐息が聞こえた
部屋の中から、まさか、と思うがあの蒼騎士のことだあり得る
女を連れ込んでいるのだ、城内でそのような破廉恥

なんたる・・・つくづく最低な男・・・

グラスは自分が地味でモテなかったということから
感情というか性格がどこか歪んだのだと思われる
その真反対である男、そしてその期待に違わぬ女狂いっぷり
色々と積もり積もって、グラスもまたイライラを募らせてしまう
ようするに、グラスとゼーは馬が合わない
しかし、職務でそうも言ってられない
気合いを入れる、いや、必要以上の怒りで憂鬱な気分は吹き飛んでる

「騎士ゼー殿、軍師様より言づてがあります」

リンと声を上げた、扉の中ではどうなっているのだろうか
いきなりのことで驚いているのでなかろうか
少し、そんな所を期待してしまい、耳を立てる
がさごそ、わたわた
なるほど、狼狽えている様が伺える
いい気味だ、思ったが、さらに追い打ちをかけよう、そこまで考え
無造作に扉に手をかけた

がちゃ

「きゃ、いやあああああっっ」

「うるせー・・・・誰か来たらどうすんだ」

「な、な、何をして・・・いや、させておるのですかっ」

「別にどおってこたぁねぇだろ、もうすぐ済むんだ、ちょっと待ってろ、よっ」

ずむっ!

「うぅううんっっ!!!」

くぐもった声を上げる女、猿ぐつわというか
ともかく口を塞がれているせいで声はあがらないらしい
後ろから付き込まれて、もう絶え絶えといった具合になっている
さっき焦った様子の音を立てていたのはこの女の様子
その姿だけでも、どうしたものかという具合だが
相手が最悪だ

「リズっ!!!貴女・・・・・ゼー殿っ、これは女王様よりっ」

「どこの女かわからないよりよかろう・・・・って、ほらよっ」

「むぐぅううんっっ・・・ふっふっ、ふっぅううっ!!!!」

がくがくがく、派手に果てたらしい
いやらしくくねらせた尻を持ち上げて、一度つま先立ちになったかと思うと
ぶるり、太股を震わせてその場にへたりこんだ
のっぺり、先ほどまで挿入されていたそれは、まだ隆々と反り返っている
だが、先からどろりとした液体が見えるところから考えるに
一応、済んではいる様子だ、へたりこんだリズの膣口から、そのゼリーが零れだしている

「訓練後に汗流すのを手伝って貰ったら、こうなったんだ、よくある男女の営みですよ、グラスさん」

生意気な顔でそう言う、隠そうともしない
むしろ誇示するようにして、ゆっくりと降りてきた竿をぶら下げる
落ち着いて見てみれば、確かに汗を流すため、身体をぬぐっていたのであろう
そういう桶というか、分かり易くいうとタライのような大きなそれと
何枚ものタオルが投げ捨てられている

「まったく、貴方という男は・・・しかし、リズは女王様が特別に」

「あー、大丈夫でしょう、それには寛容だ、なんだったら」

無造作に近づいてきた
慌てるというよりも、恐怖に襲われるグラス
そのおびえを見てとったのか、蒼騎士は冷ややかに目を笑わせた
そして、そのまま腕をつかみ、強引に顔を向けさせる

「あんたも姦ってやるぜ?」

「・・・・このっ!!!」

パァン!!!

「ってぇっっ・・・このアマ・・・」

「その手を離しなさい、愚か者っ!!!最低男っ、ロクデナシっ、クズ野郎っ」

グラスが平手をかまして、直接的な言葉で罵った
ゼーもかっとなったが、普段冷たい印象の女が
急に熱くなって、あろうことか、品のない言葉を使った
そっちの方が面白い、ゼーは怒りよりも面白い物を見たという気分で満たされた
怒りが霧散した

「はいはい、悪ぅございました・・・さて、何か用事だったんでしょう、軍師様がどうですって?」

やれやれ、左右に手をふりつつ、きびすを返して服を身に付けはじめた
グラスの怒りはまだ収まらない、が、確かに言われた通り言づてをしなくてはいけない
何よりも、こんなバカにこれ以上かまってられない
鋭い瞳のまま、ゼーの背中にありったけの悪意をぶつけつつ言う

「軍師様のお部屋で待機せよとのことです、火急のご様子でしたのでお早く」

「急ぎ?まじで?」

ゼーは驚くが、それには一切返事をしない
まだ、息荒くへたっているリズにすぐ近づく
そして、様子を伺うが、腹の立つことに満たされたような表情をしている
この淫乱女め・・・
心の中で毒づいてしまうグラス、ぺちぺちと頬を叩き声をかける

「リズっ、いつまでこのようなはしたない格好でいるのですか」

「あ、も、申し訳ございません、侍女長様」

「まったく、教育のし直しです、早く立ちなさい」

「申し訳、ご、ございません・・・んあぁ」

ぷるぷる、余韻が襲ったらしく
艶めかしい表情をさらした、それを見てグラスはどきりと
己の中に淫猥が潜んでいるのを自覚してしまう
悩ましい者は、男、女問わずに同じ気分にさせてしまう
ともあれ、そのどたばたの内、ゼーは仕度ができた様子で
慌てて出ていった、二人を置いても問題はないらしい

「・・・そんなによかったの?」

「?」

「な、なんでもありませんっ」

思わず出てしまった台詞に顔を真っ赤にするグラス
リズは、また叱られたと思い、そちらに脅えるばかり
ただ、その言葉の意味はわかったらしく
さりげなく、小さく、囁いた

「凄く、乱暴にされるんです」

「・・・・」

グラスは聞こえないふりをしておいた
あの男らしい、そう思いつつ、囁いたリズのほのかな愛着を見て
恐ろしくなってしまうのだ、男に乱暴にされてそんな表情ができるものか
そんなに激しく、求められるのだろうかなどと

「ともかく、このことは女王様に報告をします、あなたにも相応の罰があると覚悟なさい」

「はい・・・申し訳ございませんでした」

「女王様」

「軍師殿・・・これは、お急ぎの様子で」

「いえ、急ぎ女王様にお伝えすることが」

「ほう?」

女王は聞き入れる姿勢になった
軍師殿はよくわかっているので、先ほど聞くなと遠回しに言われたことは
絶対に聞いてこない、それではないことで話すこと
つまり、この遠征中のことなのだろう

「ヴェステンにて、不安なことがありました」

「なんですか?まさか、この期に及んで反乱でも?」

女王は笑う、それはない
そう信じ切っているから言うのだ
軍師殿は、それを苦笑して受け止めるが
その言葉をうまく受け流すように紡ぐ

「反乱がヴェステンで起こるのかもしれません」

「尋常ではありませんね」

「ヘヴォン家の残党が貧困層に逃げ込んでいるらしく」

「・・・・」

「もうお気づきですか」

「無論でしょう、鉱山はどちらが押さえて・・・いや、最早その因子が・・・か」

女王の目は鋭くなった
賢い人だと軍師殿は素直に認める
ヴェステンの抱える情勢をすぐに政治のレベルで感じたらしい
元々娼婦だったと言われているが、前女王の妹として
ありとあらゆる政治に絡み、その博識を備えていったのであろう

「芽は摘んでおきたいものだな、火種があればそれを利用する輩が現れるか」

「ええ、ただそこについては、現ヴェステン王は、紅の国に借りを作りたくないと考えているらしく」

「介入を許さぬというか・・・ふん、ゴキゲン取りがくだらんことを考える」

「国主として、対面を考えておいでなのでしょう、あまりに傀儡にすぎる自分に
不安を覚えているのかもしれませぬ」

「傀儡らしくしておれば、盤石の地盤を築いてやれるというのに・・・そうか、そこでどうする?」

女王はワインをあおった
赤ワインだが、アルコールのカーテンがよくよくしたたっている
随分と濃度の濃いものらしい

「私が密かに手数を率いて治めに参ります」

「軍師殿直々にか?」

「はい、お許しをいただきたく・・・」

女王は流石に黙った
確かに、政治も情勢も安定している、だから今
軍師殿がいなくてはならない事件は一つもない
しかし、それを単独で使わすのは、いささか考えるものがあるらしい

「そなたでなくてはならないのか?、ゼーやマリーネでは足らぬか」

「はい、今回は鎮圧が目的ではありませんので」

「?・・・ならば」

「ヘヴォン王家ゆかりの者、全てを城都に囲い込もうと思っております」

「登用すると申すか」

「はい、こうなると交渉ゴト、私以外ではいささかと」

軍師殿の決意は硬いらしい
そして、その狙いの大胆さに驚いた
女王は、深く息を付いた、この男を側におけて
本当によかった、大変助かる
やはり、元来頭が良い方ではない女王は、このように
よりよい事を思いつく者を殊更大事にする、軍師殿はその最高の一つだ

「考えたものだな、今拾えば、奴らは必死で働くというか」

「ヴェステンの情勢を考えるに間違いありません、あれだけ虐げられているのです」

軍師殿は、ここで拾い上げることで恩を与え
うまく飼い慣らすまでいけると考えている
仇のように思われているこちらが優しくする
これを罠だと思われないように扱う必要がある
それを、この男ならできる、己からそう信じている

「あい、わかった、ただし式典の後にな」

「無論です、式典ではグイ導師も来られるとのこと、私が戻るまで滞在いただくのもよいかもしれません」

「考えよう」

「それと、もう一つ」

「まだあるのか?」

「いえ、確認のようなものですが・・・あの、リズという娘について・・・」

デリケートな話題だ、そう思いつつ
軍師殿は確かめなくてはならないと心持ちを強くする

「何か?」

「ジッキンゲン家の血を引いていると聞いておりますが・・・娼婦だそうですね」

「その通りだ、玉がよければ磨くことで宝玉となる、あれはそのつもりで飼っているのだ」

「よもやとは思いますが、寵愛されるのはよろしいが、決して妹という位に・・・」

「はははは」

女王は面白そうに笑った
軍師殿は、少し強ばった様子で、決してその笑いが
よい方面から産み出されたとは信じていない
じっと言葉を待つ

「娼婦を妹にする、なるほど、前女王が私をそうしたようにか?愚かな、その轍は踏まぬよ軍師殿」

「そうでありましたか」

「模倣はするが、そのような愚かなことまでしようとは思わない、それに
根本的に前女王、姉姫様と私では異なるのだ」

女王は饒舌にその様を語る
軍師殿は黙って聞くだけだ
実際のところ、この女王が娼館から拾い上げられたとはわかっているが
その経緯と意味についてはわかっていないことばかりなのだ
前女王がどうして、娼婦を自分の妹にしたのかも

「あの人は、私を後継者とするために拾い上げたのは間違いがない、実際その通り
ほら、後継者は私なのだ」

「確かに・・・」

「私は、そのようなマネはしない、跡を継ぐのはツエク」

「ならば」

「娼婦を拾うのに、ならばもなにも、目的は一つだけなのだ」

女王の目が淫靡に染まった
どくっ、軍師殿の心臓が撥ねたように思われる
目を見てはいけない、魅了される
悪魔を見るかのように、軍師殿は目の前の女のことを考えた

「娼婦として囲ったのだ、頭の悪い淫乱を側におきたい、そう思ったからだよ軍師殿、
安心せよ、いぢめる相手を側に置いておけば、そなたが心配している私の荒淫も
いくばくかは収まるだろうからな」

「・・・・そのようなことは」

「知っているくせに、宝石商その他が死んだ話、少々過ぎたかとは思って反省しておるのだ」

「・・・・・」

女王はそう言って、残りのワインをあおった
美しい薄いガラスに、ほの赤い液体が少しばかり残っていた
軍師殿は、それ以上何も言わずに下がっていった
女王は少し、考えるが、すぐに次の酒を注いだ

それとは別の場所のこと

「グラスさん」

「これはマリーネ殿、何か?」

油断ならない目つきをしている
後ろでは、おずず、リズという得体の知れない娘が隠れるように伺っている
マリーネは、リズを邪魔だと思いつつも
とりあえず笑顔を続ける

「そんなに身構えないでください、どうしたんです」

「・・・そう、ですね、あなたはゼー殿とは違いますものね」

「ゼーが、また何かしたのですか?」

「お友達なのでしょう?直接お伺いなされば」

どんな酷いことをしたんだろうか
マリーネは、舌打ちしそうになる口を少し尖らせるような仕草を見せる
その調子を見て、グラスは、ふと怒りが遠ざかったのを感じた
本当にこの騎士は、あの蒼騎士とは異なるのだ

「そうですか、謝って済むことではないとは思いますが、申し訳ございません」

「いえ、貴方のされたことではありませんので」

慌てた様子でグラスは、いえいえと手を振った
後ろに隠れていたリズも
マリーネが、ゼーとは異なる類の男だとわかったらしい
そっと前に出た、頼りなさそうなそういう印象を持つが
いい男だ、顔を見てそうも思った

「その・・・そういうつもりではなかったのですが、これを」

「??」

「プレゼントです、受け取ってください」

「え?・・・わ、私にですか?」

マリーネは耐えきれなくなったのか
なぜか顔を真っ赤にして、そのまま二人を捨てて走って逃げた
情けない男だと、後でゼーに言われてしまうだろうが
知ったことではない、そういう感じで逃げた
以前にキスを無理矢理迫ったような、あの勇気は今ないらしい

「・・・・櫛?」

グラスはそれを見て、またその対応を見て
様々に思うところがあった様子だが
リズの前でそれを出すこともなく、その場を立ち去った
少しばかりの教育を施して、リズは解放される
だが、いそいそと向かわなくてはならない先がある
女王の部屋の前に立つ

「?・・・リズか、浮かぬ顔だな」

「その・・・」

「どうした、グラスに何か言われたのか?教育なのだ、仕方ないことぞ」

「いえ、その・・・じ、じつは・・」

もじもじとしながら、リズは女王を見た
女王は不思議そうにその瞳を見つめる
女王が、呼びつけていたのだ
当然、その相手とするために

「ゼー様に・・・ら、乱暴を働かれて・・・あの・・・」

「ほう?」

女王は別段驚いた様子もなく
娼婦がうろうろしておれば、それを襲う輩がおるのも当たり前
そんな風に考えている
むしろ、そうやって様々な者と関わり合うことで
間者のように使えないかと考えているほど
ただ、己が今から楽しもうという相手が、既に一度使い古されているのは
いささか興が殺がれる

「それはいけませんね・・・どうされたのか」

「その、か、身体を拭けと言われ、拭っておりましたところ・・・手ではなく、く、くちでと言われ」

「ふむ、それで」

「あ、あの口でゆっくりと全身を嘗めるように、言われるままにそうしておりましたら、
だんだんと、あの、男性の部分が硬くなって、そこを念入りにせよと命令をされました」

女王はじっと冷たい目でその告白を聞く
リズは報告をしつつ、その視線に恐怖を覚え
言葉を震わせる、しかし、その時を思い出して
その時の恐怖とも共鳴を見せる、次第、身体は潤いを取り戻し始める

「ゆ、ゆっくりと、大きくなったそれを口に含んで、ほ、奉公をいたしました、ただ
何度そうしても、いつまでも、まったく硬くなるばかりで終わる気配がなく、ついに
苛立ちを覚えたゼー様が、私を強引に四つん這いにさせて、う、うしろから」

「挿れられたのか?」

「は、はい・・・・んあっ!!」

くちゅくちゅ、告白に濡れるそこを
女王が足で嬲った、指先にぬめりを感じる
ほどほどの温もりと、肉の感触が随分女を感じさせる
女王は、いじりながら、続きをうながす

「ご、強引に入れられて、後はこ、壊れるかというほど強く・・・んっ・・・は・・あっ
その、強く何度も腰・・・・をっ、い、入れてっ・・・ん・・・んあっっ」

ちゅくちゅくちゅく
女王の指先が、ねぶりねぶって
その告白とともに濡れて、蠢くほとを嬲り続ける
話を聞くかぎり、ゼーは女の扱いを色々間違えているのがわかった
まだ若いからと言ってもよいのか、女を無理矢理力で従わせる、
そればかりしているらしい、グラスからも何度か聞いたのを思い出した

「で、それでイかされたのであろう?」

「は、はいぃ・・・そ、そのとおりですぅ・・・は、はしたなく・・・んっ」

「今も、それなりにはしたないことだ、淫乱で、ほとほと呆れて物も言えぬ」

「も、申し訳ございません・・・じょ、女王様ぁ・・・ああっ、じょ、じょおうさまっ」

「言いながら、よくよく濡れておるではないか、なんだ、そういうのが好みであったか、
とうとうと、いぢめられる、力で押さえつけられる、虐げられる、踏みつけられる、嬲られる
犯される、入れられる、叩かれる、なじられる、よくよく、全ての虐待に淫乱な尻を振るのか」

「そ、その、その通りです、罵られ、嘲笑われるだけで、か、身体が熱く・・・ほてってくるのですぅ」

「ど変態だな、恥ずかしくもなく、ほら、足を開け、もそっと嬲りやすく奉公せよ」

「は、はいぃ・・・も、もっとくださいませ、もっともっとぉ」

リズは、足を開いて、スカートを上げた
ぐしょぐしょになったそれを足で踏まれて、嬌声を上げる
女王ものってきたのか、少し精液の臭いが残るそれを
丹念に丹念に、足指でいじり倒した

「んああああっ、も、もうううううううああああああんんんんんん」

びくびくびくっ、痙攣が一度大きくリズを揺すった
続いて、それが連続して、襲いかかる
リズが目を見開いて、ヨダレを垂らし、必死に抗う
身体が壊れていくのがよくわかるらしい
女王の嗜虐がここに満たされていく、楽しい、愚かな女を足で嬲るのが楽しい

「ひゃ、ひゃっ、ひゃうううっ、も、だ、んあああああおおおおおおっっ」

びくびくびくびく、痙攣は続けて、いよいよとリズの身体を包み込んだ
何度かまた、大きく撥ねた挙げ句、とうとう気を飛ばした
派手におもらしを吹き上げて、退屈な嬲られショーが終わった
女王は濡れた足を、そっとそこから引き抜いた

「もう少し耐性をつけねば、私が楽しむまではいけぬかな・・・ゼーにでもやらせるか」

ふふ、笑って、己がイくことには頓着なく
だらしなく倒れた娼婦をそのままにして、自分だけはベッドに横たわった
ひっそりと、己の陰部を触ってみる
ちく、少しだけ濡れている、一人でいたすかと
小さくくぐもった声を上げて、娼婦を狂わせる指を己に向けて夜を過ごした

式典は盛大に行われた
パレードのように華やかな、国民全てが祭に浮かれた
そういう表現でだいたい合っている
城都の大通りを編隊組んで行進
馬揃えも素晴らしいが、やはり馬車が特に美しくあった
そこに、例の宝石を身に付けた女王と皇子の姿がある
二人は、ゆっくりと国民に笑顔を振りまいて
練って移動した

大広場にて、そのフィナーレがやってくる

「10年を共に過ごせたことに、敬愛を示す」

おおおおおおおお
国民のうなるような声が、女王の演説に箔を付ける
その地鳴りが静まるのを待ってから
また、褐色の女王は声を続ける

「平和を手に入れ、今、この10年をもって、紅の国は盤石を得たように思う、
紅の国の名前は決して消えることはない、しかし、我らはその血塗られた国を
今一度、平和の光で照らす時を迎えようとしているのだ」

おおおおおおおお

「未だ国権は、私のもとにある、だがこれは、国民全ての、総意に基づいてあるものだ
私のもとにあるだけで、私のものではない、今後も全てを守るため
私はこの権を行使し、守ろうと思う、また手助けをねだることもあろう、全ては
輝かしい光を手に入れるために」

どおおおおおおおおおお

「光は、澄み切ってなお、一切の澱みを覚えない、我が子ツエクが持つ宝剣にある
この金剛石と同じく、白く済んだ、等しく清い精神をもって
紅の国は、美しさと精錬と、あらゆることへの寛容を示していく、
10年は過ぎた、しかしこれから100年を過ごすのだ、国民よ声を上げよう、
我らの輝かしい未来に向けて、声を、万感の思いを!!!!」

うおおおおおおおおおおおお
聞き入った国民全ては、狂ったように大声をあげた
万歳を繰り返し、両腕を空に向けて突き出す
ざわついたそれらの音は、やがて、女王とツエクを讃える言葉に統一されていく
誰が音頭をとったのでもなく、自然、この王家を讃えようと
総意が発露したのである

「女王様万歳、ツエク皇子万歳」

最高のテンションを保ったまま
夜遅くまで、その宴は続いた
常時上機嫌で女王は過ごし、ツエクもその姿を見て
ほとほと嬉しかったのか、笑顔を絶やさなかった
夜が明けるまで、その催しは続いたのである

「軍師殿、いずこかへ?」

「少し、留守とします」

「もう出かけられるのですか・・・もう少し、宴に参加なさればよいのに」

ツエクが少し酔っているのか、顔を紅潮させて軍師殿に声をかけている
軍師殿は小さく首を横に振った
そして、礼を見せて、すぐに旅立っていく
ツエクは一度、大きく励ましの声をかけた
それを聞いて頼もしく思う軍師
廊下を抜けて、城外へと向かう

「?・・・・ああ、朝日が上ってきたのか」

燦々と輝く、美しい太陽が東から昇ってきた
東から昇る強い新しい光
その光が窓から城内を照らし始める

「?・・・・血?」

一瞬、驚いて立ち止まってしまった
床一面に真っ赤な血痕が見えたのだ
城内で乱闘、いや、この量ならば乱闘というよりも殺人が行われている
焦った様子で、真っ赤な床が見える部屋を覗いた
しかし、死体はおろか、血痕はない
いや、血痕ではなかったと言うのが適切だろう

「・・・・なんと、美しい赤」

床一面に真っ赤な光が落ちているのだ
その元を辿るように視線を移す
移して、なぜか喉を鳴らして唾を呑んだ

視線の先に、女王を飾っていたあの、黒い宝石達が並んでいる

「・・・・朝日か、僥倖・・・・か」

軍師殿は、なるだけ吉兆と読み取ろうと念じた
しかし、不安はぬぐい去れなかった
真っ黒なその石は、朝日を受けて、赤く光り輝いていたのである

血のように紅く、この国が最も愛する色に輝いたのだ

つづく

もどる

もう一つどころかもう二つくらいというか
なんだ、話進める気があるのかないのか
もうエロシーンだけ書いてたらどうなのか
疑問ばかり浮かべつつ
イけない中途半端なエロシーンの6話
(07/02/05)