Ost.
Die Sonne geht im Osten auf.


サモン会議が解散された
各々が、慌ただしくばらけていく
ローザヴィ、傭兵一家についての問題は
これでうやむやになったとして差し支えがないだろう
金融公が言うような悪し様もあるが、治安公は彼らをかっていたのだ
治安公派が、これで次の一手を打ったところで
問題は逆転終息するはずだ

だが、その次の一手は打たれていない
スビエ王は、まま、解散を宣言し、次の指示を待つ諸侯に
一つだけ、王が告げた言葉は

「今暫く、治安公と二人にさせてくれぬか」

それのみ
遮る者はいなかった
武威公でもいたら、その不甲斐なさに鉄拳の一つでも
見舞った可能性があるところ
しかし彼は今、戦地で交戦中だ
静かに、王と、聖骸が残されて、サモンの会議室から人が減っていく

上記の言葉を呟く前、
まず、手紙を読み終えた王が、涙を流しながら
それに近づいた、そして確かめるようにして
慎重に、丁寧に、旗を解いていくと、そこに
間違いようのない顔が見られた
ただ、その面構えは酷い有様で火傷痕や無数の傷がおびただしく這っている
それでもわかるのは、酷い中でもその特徴は残していた程度だったことが挙げられる
近くで見守ったものしかそれを見られなかっただろう
それ以上を、その衆目の前で晒すつもりはない
スビエ王はすぐにその旗をまた元に戻した

金融公は黙った、彼は見たのだ
流石に、そのあまりにも変わり果てた姿を見て
憔悴したかのように、この一瞬で、とてつもない年月を積み重ねた
老人のような表情となった
医術公が聖骸の側により、検死等のしきたりを施そうとしたが
それを、王は柔らかく阻んだ、そして
立ち上がり、先の言葉を呟いたのだ

ぎぎぎ、重い音がして閉ざされる
瞑想中とまた表示されるのであろう
誰も咎めることも、責めることもできない
閉じられた扉の奥より
大きな、嗚咽と、哀しみの声が響きわたった
厭世観、それがしっくりくる言葉

閉じられた扉の前から、すぐに人が消えていく
あまりのことに皆、顔をあげることができないでいた
神官に混じり、ローザヴィもその場を離れていく
真っ直ぐに、彼女の、また彼らの住処へと戻っていく
ただその周りを、デハン治安諜報部員が守っていたのだが
それは、守られているローザヴィですらわからない

サモン会議が始まる、少し前
港での攻防

「どんな状況になってるんだ?」

地図を前にして、簡単な確認だけを急いでいる
訊ねているのはカイン、答える役は武威公
お互い戦装束で、朝日を浴びての現在
夜遅くに出陣して、明るくなってきた頃
港寸前まで寄せている、少しでも早く到着せねばならないが
ただ到着するだけで作戦は完遂しないことを
この状況下でも忘れていない
戦いのプロも、戦闘の神官のいずれも

「詳しくは斥候を放っておらぬからわからんが、おそらく第三勢力もあると見ていい」

「第三?」

「西方の商団だ、商隊とは名ばかりの本格的な戦闘集団を護衛として連れている」

「政治的に厄介な地域、港なら当たり前か、それは敵か?味方か?」

「現状では味方になる、守備隊は彼らと合流して今を凌いでいるだろう」

壁一枚を隔てた向こう側に港を囲むような大きな通りが待っている
その港にも一枚壁があり、そこを抜けると港湾部分になる
ツィーゲル自体が港街というカテゴリに属するが、その港そのものの部分がある
市場と倉庫と船乗りの宿でほとんどが構成されるが
住人も混在しており、非常に雑多な印象を受ける
もともと文化の集合体たる姿をしているツィーゲルだが
そういう基準ではなく、もっと根源の、住む、働く、買う、売る、といった生活レベルが
混在している地区になる

「中は、船着き場のまわり以外は、かなり狭くて煩雑としている」

「守っているならどのあたりになる?」

「港の本部はここだ、ここを陥とされたら終わりになるから、その手前でくい止めているだろう」

「敵は、東から入るのだから、ここか、ここだろうな」

カインが、いいところをついている
流石だな、武威公はその目利きに改めて感心するが
そこから話を延ばす

「そうだ、だが本来はあの外壁を隔てて応戦をしているはずだが、
既に中に入られているところを見ると、この門を破られている可能性がある」

「どうして」

「なに、切り崩しだろうさ、ここは自由区でデハン、バンダーウ問わず、人間が入り乱れて住んでいる、
手引きする奴が出てくるのは想定できることだ」

武威公は言いながら、鋭くさらに指先を走らせた
その走る先それぞれが、防衛ラインで落とせないところとなるらしい
事細かい説明をさらに重ねて、カインはおおよその概要を汲み取った

「わかった、二隊に別れるのは予定通り、本部内部へ我々が向かう、武威公は外を」

「無論だ、急ごう」

ザガッ、音をたてて立ち上がると
すぐに大号令を放った、もう中に声が聞こえようがどうしようが
関係はない、これから数分の後には戦場で大暴れだ
その景気づけに、前座で温めるような、そういう助走行為をする

「聞けっデハンの騎士達よっ、聖戦はいよいよここに最大の雷を落とす
我々はその光の欠片だ、力の源だ、神の裁きに代行者だ
全身全霊を賭けて、この地にデハンの戦勝を飾る、よいなっ」

「おおおおおおおっっ!!!!」

「続け、この神の大槍を見失うなっ!!!」

「おおおおおおおおっっ!!!!!」

だだだっ、そして馬のいななきとともに
騎士隊が突入を開始した
西側の門へと向かって走っていく
大きな声と音を立てて、もの凄い力が走り込んでいく
遠目で見ていても、その力強さ、勢力が見てとれるほど
中の様子も一変することだろう
置いていかれるわけにはいかない

「さぁ、我々も続くぞ、いいな、港本部の確保と守備が目的だ」

「おうよっ!!!!」

「突撃開始っ!!!!!!!」

どどどどどど、こちらも騎馬数頭にあとは軽装の市街戦を意識した
優れた男達が走り込んでいく、いずれも血に飢えた顔をしている
下品だ、まるで下劣だ、醜悪きわまりない
そこが素晴らしい連中だ
最後の戦功と誰もが気付いている様子で
その力を、また、生き残ることを天秤にかけつつのゲリラ戦に挑んでいく

「外も派手な声だな」

「隊長、余裕だな」

いくつかの細かい組に別れて、傭兵達は港の中を縦横無尽に駆けていく
遭遇する敵とは瞬時に戦闘態勢に入り、そこかしこで喧噪が始まった
敵はかなり手強い、例の黒い奴らだ
戦力として見たら、互角になるだろうか

「本部奪回、行くぜ?」

「もちろん」

カインが剣を抜く、カインの組10人が本部へ向かって突入を始める
他数組は、ここへカイン達を連れてくる役や、周辺の敵と交戦するため
ちりぢりになっていった、この10人でこの場を制圧する

「新手かっ!!!!」

「喋ってる暇ぁ、無ぇんだよっ!!!!!」

こちらに気付いた様子の敵兵を、真っ二つに切り落とした
剣が血塗られてぬめぬめと光り始める
本部と呼ばれたそこは、宿屋のような風情をしている
おそらく、もともと港付きの宿場だったところだろう
二階建てになっているらしく、一階にたむろしている敵と現在交戦中
カインは率先して切り開いていく、無論部下は後ろをついてきて
やがて追い越して殺しに行く、殺されにいく

「あ、あなた方は・・・」

「遅れました、ランディシー傭兵団、デハン方の傭兵部隊です」

中でやられていた様子の守備隊を一人助ける
かなりの傷を負っているらしく、もう、立つことはままならないらしい
そのまま簡易の手当をほどこしておき、すぐに敵の掃討にかからなくてはならない

「大本営からの味方・・・・ありがとう、二階でおそらく、西方の商隊がバンダーウ方と交戦してます」

「わかりました、加勢に参ります、では」

言い終えて、カインは合図をまわりに送る
早くも一人脱落した、残りカイン合わせ9人
二階へと階段を駆け上がる
上がったところには全く人の気配がない
登り切ってから全員でフロアを見てまわる
だんだんと近づいてくる、揉み合う音と声

「隊長、この向こうだ」

「よし、行くぞ」

どだっ!!!!
踏み込んだ先、煌びやかな鎧に身を包んだ者が三人
その他、相当数のそいつらの護衛がいる
踏み込んで一瞬、そちらが敵だと錯覚してしまうほど圧倒的な数量差

「隊長こいつは・・・」

「言うな、彼らが今まで港を守ってくれたのだ」

カインが部下の台詞を小さく止めた
入った所では、既に勝敗が決している様子だ
バンダーウの黒衣装もいくつか居た様子だが
下を攻略した勢いで、ここに突入して、予想外の反撃を受けたのだろう
圧倒的な数量差でほぼ、全滅に至ったのが伺える
第三勢力は強い、それがわかった
同時に
第三勢力は味方かどうか妖しい、そこまでもわかった

下で死んでしまったデハン方の守衛を哀れに思いつつ
この騎士、いや、貴族然とした連中がこれだけいながら
彼らは彼ら自身を守るだけに留まっていたのだろう
やるかたない、カインはそう思って、思わず表情に出す

「隊長、それはよくねぇ」

「・・・・・そうだな」

部下にたしなめられるようではダメだな
思うものの、目の前では、自分たちの加勢はほぼ
関係の無いものとして、敵であるバンダーウは片づけられつつある
この場所は、彼らが居る限り、すくなくとも
バンダーウ方には落ちない
ただ、デハンのものという話にもならないんだろう

「終わる前、俺達が居たことも記しておこう」

「安心しろ、あんたがトロい間にもうやってる」

言う通りに、残った人数が手当たり次第に手柄を挙げている
まずまず、戦果を挙げたうちに入るだろう
一通りの喧噪はあっと言う間に終わった
あとは武威公が外をなんとかするまで、ここに群がってくる敵を
ひたすら叩くだけだ、こいつらと一緒にだが

「貴公は?」

「始めてお目にかかります、デハンに雇われている、ランディシー傭兵団の」

「ああ、いい、そうか、噂の傭兵さん達か」

高飛車なことだな
女ならあるいは、赦しているかもしれない
そういうことを部下の一人は思ったが、それは皮肉だ
いけすかない、傭兵稼業を馬鹿にされている
馬鹿にされるべくした職業ではあるが、それにつけても板についている
ああ、ムカツク
そうやって部下達は思った、カインもそう思ったのだろうが
ぐっとここは堪えている

「表には、デハン武威公が加勢に参っておられます、すぐに合流して敵の掃討を」

「そうでしたか、そうでしたか」

まるで聞いていない風で、貴族風の三人はやれやれという顔をしている
ともかくこの場は収まり、そして、拮抗していた戦況に
一石を投じたのは間違いないのだろう

「では、我々はまた表の加勢に参ります」

「ああ、我々も続こう、共に繁栄するため」

返事はしない、しらじらしい言葉と
油断のならない雰囲気
何よりも、同行が、監視めいているところ
傭兵達にとっては、精神衛生を犯されるような
不穏な奴らと同行して急ぎ、本部外へと出る
まだ敵は相当数がいるだろう、なんらかの
分かり易い決着をつける必要がある

「多分、武威公もそう思っているだろう、急ごう、彼が一人で先走る前に」

「大丈夫だ隊長、他部隊から、ほらよ」

情報は来ている、いくつかに別れた部隊
その内の本当にいくつかは不憫なことに
全滅をしてしまった様子だが、それでも
残った隊は有り余る戦果と、情報をとってよこしている
傭兵隊はここに突入した時点で、情報網も確保したようなものだ

「商隊の方々も、こちらへ、おそらく主戦場がこちらとなります」

「うむ、よきにはからえ、本部の守りは任せなさい、我々の騎士隊を置いてある」

いちいち頭にくるいいざまだ、商隊の護衛無勢が騎士とはな
それ以上は会話を持つ必要を感じず
傭兵隊は先頭を切って武威公の方へと走ることにする
既にいくつか戦闘を経て、そこに向かっているのだろう
疲れや、様々なことを考慮すると
武威公に万が一があると考えられてしまう
カイン達は先に言った、少し残された様子で

「・・・・おい、よいのか?」

「ふん?」

「傭兵隊、武威公隊が入ってはここの戦況は、あからさまにデハン方へと傾くぞ」

「それでよいではないか、同胞の勝利は我々の勝利だ」

「悠長なことを・・・・貴様、あくまで瀕死のデハンを救ってこそここに価値を見いだせるのを忘れたか?」

貴族三人の会話
一人に対して二人が非難を浴びせている
だが、受ける一人は、あっけらかん、つまり
大した問題とは受けていない様子で笑う

「なに、その場合は、いや、むしろ歓迎できる、我々の目的はこの港を取ることだけだ」

「それは確かにそうだが、そう思うなら本当に」

「バンダーウ、デハン、どちらにも荷担せず、我々の勢力をここに」

「・・・・策が?」

「策なんて、かっこいいものじゃないさ、当たり前のことをするだけだ、結末が見えてきた以上な」

一人はただ笑った
この三人のボンボンの中では、もっとも賢いと言われる
それが当たっているか、外れているか、わからないままに
戦場の鈍色の雲がどんよりとたれる
後ろのその会話は知ったこともなく、カイン達は急いだ
そして、その眼前に見える

「お前ら、いいなっ」

「わかってるぜ、隊長っよぉっ」

前線になっているところへと来た
両軍が入り乱れた市街戦、これは困る
まだ始まったばかりだろう、こういう状況は5分ともたないはずだ
いいタイミングで加勢にこれたと言える
カイン達傭兵隊はすぐに突撃をする、槍が見える
そこへ向かい、人垣を撥ねるようにして突っ込んでいく

「後続、来ませんっ!!」

「気にするな、目指すのは武威公だ、マスターを守りに行くぞっ」

剣がまた血に濡れて鮮やかに光った
生々しい音という音が、破壊を奏でて、
目の前の黒い集団を蹴散らしていく、いや、敵もさるものだ
反撃の手がやってくる、カインの前に部下が出る
そこを引き受ける、そうやって1人、2人、3人、減っていく
途中で合流した組も、残らず減っていく
減る分だけ前に出ていく、まもなくだ、戦闘開始から何分経った
一際大きな喧噪の場所に辿り着く
周りは、取りはからわれたようにそれなりの空間を保っている、
決闘の場所は作られていたのだ

「・・・9区の司祭っ!!!」

「??・・・・・、貴様、傭兵か・・・・貴様にも借りがあるな」

ジャン、音を鳴らして剣を抜いた様子だ
取り巻きの黒衆が、攻撃を重ねてくる騎士達と奮戦している
その中央、ゆっくりと歩いてその戦場に向かう
対面には武威公が槍を持って地に降りている
頭に血が上っているのがわかる、金融公は不必要な情報を与えてくれた
治安公の仇などと思って、カッカしてたら、どうなるかわからない

「武威公っ!!落ち着け、冷静にっ」

「貴様、サモン治安公を知っているな?」

聞いてねぇ
カインが続けて何か言おうと思ったが、黒い信者が3人かかってきた
流石に3人にかかられては、喋る余裕などなくなってしまう
強引に、その戦場から退席を命じられたようなものだ
背後は部下に任せつつ、そいつらと剣を交える

「昨日会ったよ」

「今は、どうしている」

「宮に送ったよ、安心しろ、1区には立派な棺桶屋があるんだ」

ぶぅんっ!!!!
槍の吼えた音が響いた、さっと、取り囲んでいた黒衆が避けて
とうとうグイと武威公の間に妨げは何もなくなった
抜いた剣を構える、だが、呆気ない幕切れを迎えることになる

ギィンッ、

「話にならんな」

「く」

役者が違う、武威公の力が圧倒的すぎる
一撃で剣は空を舞い、グイは腰を地に付ける

「バンダーウ、雑兵は所詮その程度か」

武威公の瞳が燃えた
その程度の男によって、最愛の友人は、
槍が落ちる

「それまでだっ!!!!!休戦だ、休戦っ!!!!」

どよっ、槍先は命を奪う目の前、傷つけることもなくそこでピタリと止められた
バンダーウ方、デハン方、両方からその使者が到着した
停戦、そう言われた以上、それ以降殺し合いをしたら
戦時ではない、平時の殺人になってしまう
すぐ、両者の兵が武器を納めることになる
悔恨、それを眉に残しつつ、力をこめられた槍は
まだ、グイの眉間の前にある

「どうした、停戦だ、早く槍を引け」

「・・・・・・・・・」

「治安公とやらは潔く、立派な男だったぞ」

言われて、槍をようやく下げた
ふぅ、一息をついて、マントを翻して自陣と言うべきか
味方の待つところへと歩いていった、もう何一つ声をかけない
すぐ、黒の衆がグイを囲んだ、瞳に悔しさがにじんでいるが
悔しさだけで埋められるほど、その溝は浅くない
その耳に一つ情報が入る

「なに?まことか、斧の宰相様が!?間違いであろう、あの方ほどの武勇が」

だが、すぐにその武勇をしのぐかもしれない
そういう可能性を紡ぎだした
武威公
あいつが?・・・・私は、何をしていたんだ、殺すべき相手、背を向けて
誰に言うわけでもなく、グイはとりつかれた表情のまま
意識があるのだろうか、わからない様子で、ボウガンを取った
そして目の前の悠々とした背中に向ける

「事故死だ、武威公」

ブン、矢の飛んだ音
だが、そのすぐにそれは吸い込まれて消えた
武威公は気付かないまま仲間の中へと消えた
グイは驚いて見上げる
見上げてまた、瞳が黒く澱んだ

「停戦だ、これ以上の武力行為は違法となる」

「貴様・・・・殺し屋がどの口で違法などと」

「なんと言われても構わないが、お前のやっていることは騎士道に反する行為だ」

「騎士道だと?傭兵無勢が、愚かなことを」

相手にしない表情でグイを見下ろす
分厚い布でくるみとった矢を返す

「何をしておられるか、大丈夫か、傭兵殿」

「?・・・・・ああ、いえ、なんでもありませんよ」

「よいか、停戦後に戦場を荒らすことや、醜い感情により殺意を抱くなど、そういったこと慎めよ」

知った顔で貴族がその場にやってきた
鬱陶しい奴だな、そう思って、カインはそこを下がることにする
戻る、どういうことになったかは、わからないが
すぐに停戦最後の調停式が行われるだろう
戦争は終わったのだ、あとは政治が残るのみになったのだ
その後ろ、貴族が一人だけついてきた、残りの二人はグイの所にいる

「おい、待て」

「なにか」

不機嫌な表情で振り返る
だが、男は柔和な笑顔でついてくる
なんだろう、既視感を覚える
無視をするわけにもいかず、足を止める

「貴公らの活躍よく耳にしてな、この戦が終わったあと、我々で雇いたいと思うのだが、いかがか?」

「・・・・・・・活躍を、どこで?」

「聞こえるにキマっている、港は耳が早い、口が軽い、まぁ考えておいてくれたまえ、明日の調停で気持ちも固まるだろう」

言って、貴族はまたグイの方へと戻っていった
胡散臭い、臭すぎる、嫌だな
そういう感想しか持たなかった
最初の既視感めいたものは嘘だったと感じた
後ろから、柔和な笑顔で

それを使えるのは、治安公のみだったのだよ

誰に語るでもなく一人胸にしまい
青空の下
戦火の匂いが、風に舞い上がる

翌日、調停の会が催される

つぎ

もどる







次回で終わる予定ですが
ちょっちどうかしらとか

なんだこの尻切れっぷり!?
とお想いの人がいてくれることを祈りつつ
最終回をたんたんと進める予定です

駄文長々失礼いたしました
R(06/01/23)