Ost.
Die Sonne geht im Osten auf.


礼拝の時間が来た
もう、身体がそれを覚えている
正確な時間は、教徒の、その心の中にある
礼拝をする時間だと、思った瞬間がそれだ
戒律はあるが果てしなく自由だと思われる
枠組みがある中で泳げることが、ある種の自由であるとわかる
バンダーウの神は寛容だ
どのような怠け者にも
どのような働き者にも
平等に時間を与え、チャンスを与え、そして罰を与える、賞を与える

「さて、報告を聞こう」

頭を垂れていた情報の宰相は、礼拝を終えて
ゆっくりと振り返った
無駄な空間が居住区の中にたくさんある
どういうわけか、物を持つのを好むが、それ以上に
不安になるほど広い空間がとても好きな男だ
呼び出された部下は、ゆっくりと切り出す

「デハンが、傭兵を雇い入れました、数は300」

「300か・・・・中身は?」

「まだ判然としておりませんが、少なくとも隊長の男は騎士隊長レベルの強さだと」

「そうか・・・よく、わからないな」

「はい」

想像ができていない
情報の宰相は、実際のところ前線で戦ったことがあるわけでもないし
強いと言われるデハンの騎士の本来の姿を知らない
知っているけど、見たわけではない
噂や情報としてしか持っていない知識は、実感を伴わないから
今一、その凄さがわからないでいる
首を傾げつつ、もう少し訊ねてみることにする

「他に何か、傭兵に纏わる話はないのか?」

「まだ詳細を調査中でありますが、医術の神官と手合わせをして勝ったとか」

「聖騎士に勝ったのか?どうやって」

「両者の剣が折れたとかどうとか」

「???」

首を捻る二人、報告している方も不思議に思っている
どうして剣が折れただけで勝ち負けが決まるのだろうか
少し考えてみて、お互いに口に出してみる

「力自慢をしたのだろうか」

「そうかもしれませぬ」

「おい、他に報告するにせよ現実味を持たせたい、力自慢を何人か連れてきてやらせよ」

「はい」

と、神の耳は探求心を露わにして
ともかく見たこともないものを、見るために錯誤を散らす
集められてきた屈強の男達、どれもこれも石運びの輩らしい
確かに筋骨隆々で、たくましいことこの上ない
何を食べて、どうしたらこのような身体になるのか・・・
耳の宰相は、不思議そうにそれを見て、戦争の宰相とも違う
その素晴らしい力こぶをしげしげと眺めた、そして、言い渡す

「お前達を呼んだのは他でもない、ここに剣がある、これを折ってみよ」

「折る・・・のですか?」

「そうだ、デハンにはこれを折るものが少なくとも二人はいるらしい」

「心得ました、そんな輩に負けるわけにはいきません」

言うなり集められた男達は、手に手に鉄製の剣を持ち、そして
力の限りそれを折り曲げる努力を始める
宰相の部屋は空間があるから広い、広いが
屈強の男達が半裸の状態で剣を折ろうと画策する姿は
なかなかどうして、一言で言う、異様だ

「ぬがががががががが・・・・」

「むがががごぎっぎぎぎぎぎぎ・・・」

「ごごごごごごごごご」

凝視することをためらうような、もの凄い形相で
力自慢達は腕をそれまでの二倍近くに膨らませて
精一杯、鉄を曲げることに執着している
部下とともに見守る耳の宰相は、その光景を目に焼き付けるように
これまたもの凄い凝視をしている

「おお、ま、曲がりだしたぞ、それ、頑張れ、もう少しだ」

思わず応援の声を出してしまう耳の宰相
それを聞いて、一番の力持ちなのであろうその男が
スパートをかける、激しく上半身を前後させて
勢いをつけるようにして、反動とともに剣を曲げていく
ぐいぐい、前後にふれる姿は、何か気が触れたというか
生理的に見てはいけないもののような、目に染みるおぞましさがある
思わず目を背ける部下だが、宰相は目を皿ににして凝視している

「ぐごごごごごああああああっっっ」

雄叫びをあげながら、だんだんと曲がってきた
そこでおそらく二番目に力持ちなのであろう石運びも
負けじと、最初に曲げた男と同じように前後に身体をふりはじめた
だが、こちらはなかなか曲がらない、やけをおこすように
はげしく揺れる男、刹那

ぐぎっ

「あぎゃああああっっ!!」

妙な音がしたと思ったら、二番目の男がもんどり打って倒れた
倒れた拍子に他で頑張っていた輩にぶつかった
力みきっていた男にそれがあたるということは、もう、なんというか
ドミノやボーリングのピンのようなというか
少なくとも、智恵のある人間という動物が日常で起こす行動とは
まるで違う、次々と緊張が切れたようにして
ころがり、そして、不気味な音をたてている
あるものにいたっては、剣が反動して突き刺さったものまでいる

「うぎゃああああっ、う、腕がっ、腕が折れたぁっ!!!」

「痛ぇ、いでぇぇええよぉおおおっ」

「くまかかかかかかかかっっかかかっっ」

吼え声のようなものも混じりつつ
次々と脱落していく、それこそ、このゲームの脱落というより
人生の階段から転落していくような
人間の最期っぽい印象が強い、腕は折れるわ、力入れすぎて身体いわすわ
酸欠になったのか、真っ青になって倒れているやからも出た

「あわわわわ・・・さ、宰相様、あ、阿鼻叫喚の図でございますな」

「おおぉ・・・・おそるべしデハン」

宰相、何を言っているのかわかっているか
判然つかない様子だが、ただ興奮して一人剣を曲げ続ける男を凝視
後ろでおこっている、事故というか、災害というか、ドリフというか
それは見ておかないようにして、今、この場で一番重要な情報であろう
人間が剣を折る瞬間を見たいが一心で鼻息を強くしていく
そしてこちらも、突然

ぷしっ

「はぐぁ!!!」

ぴき、ぷしーーーーーーーーーーーーっっっ!!!

「ああ、大変だっ!!力みすぎて血管がっ!!」

「ち、血しぶきが、血しぶきが上がったぞ、誰か、誰か布を持て!!」

「だ、大丈夫か、お、落ち着け、だ、だめだ力を入れすぎて元に戻れなくなってるっ、誰か!
医者だ、医者を呼べっ!!」

わーわー、きゃーきゃー
大慌てで情報の部下達が人を集めて屈強の男達を運び出していく
一番好いところまでいっていた男が、とうとう
人間の限界を踏み越えてしまったらしく、二の腕から膨大な量の血を吹き上げて倒れた
目は血走って、なぜか鼻血に加えて、耳から血まで出ている
耳から血が出るってのは、尋常、あり得ないというかあってはいけない気がするから
そのすさまじさは推して知るべし
青ざめて運ばれていく屈強な男達、それを見て、さらに蒼い顔をさらす宰相と部下
ばたばたと慌ただしい中

「宰相・・・・・」

「恐ろしい者を敵に回しているのだな・・・」

「・・・・宰相」

思うに、宰相が一番恐ろしいような気がいたします
部下はそう思ったとか思わなかったとかあるらしいが
それはそれ、ただ、目の前の好奇心がうち勝つとどんなことがあろうとも
それを見るまで諦めないという、情報を司るのに最適な天才であり変態を
ここに遺憾なく発揮したのであった
目の前では、くの字に曲がった鉄製の剣が転がっている
それを自ら持って曲げようとするが、まったく微動だにしない
噛み締めるようにして、次の敵の強さを悟った
間違ってる気がせんでもないが、脅威を覚えたのは確かだからよいのだろう
進撃の噂はまだ立たず、敵方の、デハンの軍容を探る毎日が続いていく

「おい、耳よ」

「?どうした、目」

経済の宰相が眉間にしわを寄せて情報の宰相を止めた
少し怒っている様子、何か経済的な打撃を被ったのだろうかと
心配そうな顔をして見返す

「心配そうな顔しても許さないぞ、お前、治水が大切だっつう話この間したのに
なんで、優秀な石運び人が何人も倒れてんだ、何しやがったバカ野郎」

「お、あああ、そういえば、そうか、そうだな」

驚いた様子で、先日の阿鼻叫喚を思い出す
そして、すぐに取り直す調子で、真剣な顔をして切り返した

「バカじゃないんだ、これは大変だぞ、デハンの騎士、そして傭兵がな」

「なに?掴んだのか」

「ああ、あの屈強な石運びがよってたかってまるで歯が立たなかった」

「おい、もうやったのか!?早いな、おい」

「無論だ、何事もテストして最高の情報を届けねばなるまいて」

「そうか・・・そうであっては、お前を責めるわけにはいかないな」

真剣な眼差しに思わずそうだと信じてしまう目の宰相
知らない内に、勝負をして負けたような話になっているが、まぁ
情報の宰相からすれば、それに同等のものを手に入れている
敢えてその手段は語らず、その強さに関わる情報を伝えることにする

「恐ろしい奴らを相手にすることとなる、悪魔の教徒は流石だ、魂を売ってるだけに強い」

「そんなにか・・・・腕には話したのか?」

「いや、まだもう少し集めてからにしようと思っている、それよりも例の工事はどうだ」

「まぁ、石運びを何人か失ったのが痛いのだが、少し遅れている時間を稼ぎたいのだがな」

「そうか、時間か・・・・なんとか、しよう」

言い終わると二人は別れた
お互いの言葉に、その場では随分と表情や感情の起伏を見せるが
本当に重要な情報と言葉に対しては
聞こえなかったのかと疑うほど、関心を寄せずに
何も答えずに、言葉では何も交わさない
長身の男が二人、そうやってすれ違った
バンダーウの人々は、どういうわけか背が高い、だからどうというわけではないが
シルエットが美しく、西方の敵方よりも洗練されて見える

「・・・・・」

「なんだ、その複雑そうな顔は」

「いや、一つ訊ねておきたいことがあってな」

ざっくばらんに、武威公の部屋へとやってきた治安公は
勝手知ったるなんとやら、断りもなくセラーからワインをかっぱらってきて
一人でやりながら訊ねている
それを別に咎めるわけでもない、一人暮らしにしては広すぎる
その部屋で暇を持て余していた武威公は、ただ、訊ねられるのを待っている
二人は仲がいい、そして、二人とも妻帯していない
デハンでは、神官や騎士など神に仕える身分となったものは
妻帯を許されていない、だから当然だ

「あの傭兵どうだ?」

「ああ、いい男だな、武人として信頼をおける、これは医術公も同意見だ」

「いや、あの男はいいんだ、あの部下、見たか?」

「まぁ、一通りだけな」

「実際使えるのか?」

「それは、見るまでわからぬ、一人一人闘(や)るわけにもいかない」

「そうか・・・・やっぱ、見ただけで解るようなもんでもないか」

「何をそんなに心配しているんだ?」

不思議そうに武威公が、今度は訊ね返した
ワインは赤だ、美しいルビーのような輝きが
グラスを嘗めて、アルコールの滝をその淵に作っている
よく熟成されていて、香り、味ともに、素晴らしいことこの上ない
上質なそれは、おそらく西方からわざわざ取り寄せたものだろう

「不思議なものだよな、俺達、西方から来た民族だと自負しながら、その西方を知らない」

「・・・・皮肉か?西方の方からわざわざ食物を取り寄せることに・・・」

「そうじゃない、ワインは確かに、いや、チーズも肉も西方の方が美味い、それは確かさ」

「じゃぁ、なんだ」

わからないとなると機嫌が悪くなる
武威公は人格者かと言えば、少し妖しいところもある
人間なのだから、機嫌の善し悪しなどあるが、サモン神官である以上
それも慎まなくてはならない、それをまだコントロールできていない
若いとも言える、それを補うために、治安公は近くに居る
そうとも言えるし、そう思って思われている

「あの傭兵、生まれが西方のような気がするんだ」

「唐突だな」

「憧れているのかもしれん、お前の事もそうだけど、俺は本当は騎士になってみたかったんだ」

「今からでもなれる、俺が教育してやるさ」

「ははは、そうもいかん、お前をサポートする神官がいなくてはデハンが壊れる」

「で、それがどうして、そんなに知能溢れる治安公を追いつめるのか?」

チーズは、ごく普通のだブルーチーズじゃない
あれは臭すぎる、そう思っている
だからカマンベールチーズをちくちくついばみながら
赤ワインが流し込まれていく、本当は赤じゃなくてロゼあたりを楽しみたかったと
思っているのかもしれない、紅に染まる乳白色は
体の中で、確かな力になっていく、脂肪となりそうなものだが
残念ながら、そんな余裕があるほど暇ではない

「彼らが、騎士と同等であるならば、俺は作戦を最初から練り直したほうがいいのかもしれんとな」

呟いてもう一度グラスをあおった
流し込まれていく紅の液体、ふつふつと、既に白い肌を赤く染めている
ぼやっとした具合の濡れた瞳で、どこを見るわけでもなく
ただ、台詞だけはしっかりと武威公に届くようにしている
それを受けて、付き合うようにして、だが、ボトルから直接液体をあおって
ぐぐいと喉を鳴らす、鳴らした後に言う

「それには及ぶまい、奴らは教徒ではないのだ、そこが根幹だ、俺が譲った最低のラインだ」

「・・・・・ありがとう」

「礼を言われる筋合いはない、騙すということ自体、俺には納得できていないのだからな、
今更、転身されては、お前を信用できなくなる、それだけだ」

「それを聞いて安心した、明日だ、とりあえず彼らを知る為に戦地を用意してる」

「ほう」

「バンダーウの間諜がサモン直下に紛れ込んでる、それをあぶり出すのとついでに
彼らの実力を計ろうと思う、それだけの戦場を用意した、体勢には関わらない小さな、でも
大きな収穫がある戦場だ」

「それで、俺にどうしろと?」

「戦地に赴いて、見極めて欲しい、正直、勝敗はどちらでも構わないのだ」

「どこでやるんだ?」

「最北端だ、勝っても負けても、前線は広がらず、そして、とっても取れずとも
今後の勝敗には全く関与しない、9地区だ」

「・・・・・」

「どうした?」

「負けるのは気にくわない、俺直下の部下とともに行って、まぁ、見てくる」

「頼んだ」

よいせ、そう呟いたかどうか、口はそう象ったように思う
治安公は小柄な身体を起こして、ソファーから地面へと身体を預ける場所を移した
そのまま脚は確かに去っていく、残されたチーズとワインが
切ない色と香りを放つ、武威公がそれを口に放り込むころ、治安公の気配が無くなった
その日のうち、ランディシー傭兵団に命令がくだった、初戦の指令だった

「北端か」

「そう、頼んだよ」

治安公はそれ以上何も言わなかった
先日の会話で、この男がデキるということを知っている
だから下手な小細工はしないでおいた
今回が、傭兵団のテストであると、暗にして伝えることにしている
それを知ってか、カイン隊長は黙って地図を見ている
既に頭の中で戦場のそれを思い浮かべているのかもしれない

「いいでしょう、なんというわけでもない、というよりもよかった、我々も慣れないことだから
一度、試させていただきたかったのだ、チャンスを戴いたこと感謝いたします」

「そうか、後詰めには西方最高の勇者である、武威公が当たる、安心して戦に専念されよ」

「はは、出番は無いですよ、そう伝えておいてください」

生意気なことを言うな
そう思ったが、それを聞いて、どこか心が躍るように思った
治安公は、その初めての感情に少しドギマギとしながらも
優しい笑顔で見送った、先日の初見後に、彼以外の輩を見たが
残念ながら、彼ほどの騎士ぶりを見せている男は見えなかった
だから、こんなことをしないといけないな
そう思って送り出している、無論、彼もそれを解っている様子だ

「嫌なものだな」

「どうされました?」

「いや、お互い解っているのに、その本質について一切触れないというのは」

「??」

「なに、お互い浮気がばれている連れ合い同士のそれと似てるってことさ」

「なるほど」

深く、治安公についてやってきて、側にいた神官は頷いた
どうもそういう事件があったらしい、それをおかしく思いながら
聖なる神官である治安公は、出ていく男達を見送った
行く先には、デハンを挑発をするために集められた、バンダーウの部隊が集結していると知っている
そんな情報を掴み、それの真偽を確かめるまでもなく送り出した
本当だとすれば、値千金
嘘だとしても、傭兵の実力をを計れる
安く仕上げるために、金融公との口約束を果たすため
傭兵達は、うずらうずらと歩みを進めて、青空に消えていった

「!!好都合だな、耳」

「まぁな」

「そうなると思っていたのか?」

「それは商売上、言えないな、まぁ、頼むぞ腕」

不敵な笑みを浮かべて、情報宰相は戦争宰相に答えている
その後掴んだ、傭兵隊300で、まだ信頼されていないという情報を
神の腕に伝えて上で、一つの提案をしたのだ
戦況に関わらない北端で、とりあえず試してみることを
奇しくも、バンダーウ、デハン両者から試されることとなる戦場となっている
だが、それは些細なことだ
情報の宰相には、この戦をすることにより、気が逸れて、時間が稼がれるという計算ができている
先日の経済の宰相との約束を果たす役目もある
それぞれの思惑がうずまきながら、ここは用意された
用意されたバンダーウの民は、前線で闘い続けてきた
バンダーウにとって、決して軽んぜられるほど弱い民ではない
それを投入するほどの価値がある、三宰相がそう判断した以上、誰も何とも言わない

「で、何人で迎え撃つんだ?」

「お前は思い違いをしている、耳」

「何?」

不可解なことを言うな、そういう顔をして情報宰相は聞き返した
それを聞いて、満足そうな顔、その下で情報宰相の情報網をくぐりぬけた
その偉大さを感じているのであろう、戦争宰相は
たおやかな笑顔で告げる

「迎え撃つんじゃない、既に攻めている、数は500、9区は前線だった強い教徒ばかりだ」

「もう出陣しているというのか、まさか・・・・聞いていないぞ」

「当然だ、誰にも知られることなく作戦を実行に移してこそ、本当だからな」

「なんたる・・・・戦場はどことなる予定なのだ」

「さぁな、9区の住民はただの暴徒じゃない、あれでなかなか、いい司祭が一人居てな」

「司祭だと?」

「その内、宰相まで出世するかもしれぬ、そういう男がいるのだ」

「・・・・9区・・・そうか、グイか」

「知っていたか?」

「当然だ、だがあれは過激な思想を持ってはいるが」

「だからいいんじゃないか」

笑顔をやめない戦争の宰相
ずぶどろめいた、そんな黒さが瞳に宿っている
宿したまま、口からも零れる毒

「奴がここで死ねば、俺達のこの地位は安泰だ、万が一奴が勝てば、それはそれでバンダーウにとって安泰」

「・・・・・・」

「意外だな、情報宰相ともあろうものがそんな表情をするなんて」

「いや、確かにそうだな」

「そうだ、俺達は他人を蹴落としてここに登ってきている、後を続くものを蹴散らすのもまた必定」

「そうだ、バンダーウはそういった切磋琢磨から、真の教徒を集おうとしておられる」

「ならば、そのような顔、するまでもない、それはともかく、間もなくだ、お前が持ってきた情報が本当かどうか」

「シヴァ様は知っておられるか?」

「知っておられるだろう、なにせ、神の代弁者だ、知らぬことはない」

「お前・・・」

それ以上、情報の宰相は言わなかった
野心家が集っている、そう思うが、それは自分も同じだと気付く
かつて、宰相だった人達を追い落として、また、成り代わって
今では盤石の三人となった、その狙っていた頃の自分たちと
ひどく被るかのような、それでいて、まだ10代のあどけなさを残した
親衛隊になれず、だけども、バンダーウの膝元で必死にもがいてきた
グイという名の神官を思う

「北端は、意味のない地域だが、そこで戦争が行われ、その結果自体は意味がある」

「わかっている」

「勝っても負けても、頼むことになるぞ、耳」

「無論だ」

密約は交わされ、バンダーウの手勢500が、9区と体面するデハンの区域
10区へと進軍を進めている、それを知らぬまま、デハンで傭兵隊への指令が降りて
ランディシー傭兵団が進撃を開始していた
カインを先頭とし、騎馬数十騎と歩兵数百を抱え
砂煙とともに戦地へと赴いていく

つぎ

もどる







短く納めてみたりなんだったりしつつ
読んでいただける方に
決して飽きられることがないように
それだけを願いながら、毎日
怯えながら更新していきます

嘘、毎日は更新していませんね
駄文長々失礼しています
R(05/08/22)