河合潔議員の一般質問集 目次へ

河合潔議員の一般質問          2005年3月14日(月)午後1時20分より45分
                                                 郡上市市議会 本会議室

                                                 
大暮了(さとる)議長:25番河合潔君の質問を許可いたします。
河合潔議員     :議長。
大暮了議長      :25番河合潔君。

河合 潔議員    :25番河合潔です。(登壇)
  議長の許可を得ましたので、日本共産党の河合潔、只今から一般質問を行います。

 
@ 私は本定例会冒頭の市長の施政方針演説と上程されております17年度予算案など関連案件についてまず質問いたします。
 郡上市誕生のための合併説明会の中で、「負担は最低に、サービスは最高に」と市民に説明され合併がなされました。
 これは単に言葉だけでなく、自治省の合併指針にも
 「住民にとってサービスの選択の巾が広がるとともに、現在のサービスを確保しつつ、より高い水準のサービスが安定的に受けられるようになる」と合併するとそのようになるとありますし、
 同じく市町村合併のハンドブック、これも自治省ですが、これによりますと、
 「行政サービスの内容が充実し、安定的な供給が出来るようになる」とあります。
 去年の施政方針演説と今年の施政方針演説を比べてみますと
        「住民サービス」について
    去年は、   
低下させることは避けなければならない、でありますし、
    今年は、   
大きく後退させることは避けなければならない、としておられますが、これは、大変な姿勢の変化であります。
つまりサービスの後退に足を踏み込んだということであります。
 事実、17年度予算では
   ・ 高齢者の入浴サービス、明宝や高鷲のように無料であったものを含めて400円の利用券12枚にする。
   ・ 敬老会事業も、75歳以上のお年寄り1人当たり3000円だったものを2700円にする。
   ・ 寝たきりの老人の介護者慰労事業と日常生活用品給付事業合わせて372万6000円の減額になっています。
又、 ・八幡と美並幼稚園の保育料の引上げ、同じく大和の幼稚園バス利用料の値上げ、美並は無料だったのを1000円にする。
   ・自転車通学生徒に対する助成を1万円引下げるなどなど一つ後退すると、ずるずる歯止めが効かなくなってしまっています。

 
市長として守らなければならないのは、市民の生活であります。時に、少子高齢化が進んでいる当市において、お年寄りや子どもの養育に関するもののサービス低下が目立ちますが、
      
何故サービス低下に踏み込まれたか、
      どの線で踏みとどまるお考えか、

市長の考えを伺います。


 
A 次に施政方針演説で、経常的な事務経費を削減することは言うまでもなく、職員の理解を求める中で、給与を一律5%引き下げ、手当てについても減額することによって人件費の削減を行うと考えていると、さらっと言っておられます。職員給与は、毎年県の人事委員会の勧告にそって民間賃金との格差是正などの理由から改定されています。今年も又、7月頃勧告が出されますが、整合性をどう考えておられるか。
第一にお尋ねします
又、労働者の賃金の引き下げは労働協約や就業規則等で決められており市長の言われる職員の理解が十分得られていないと労働基準法違反になると思われますが、職員の労働組合への結集は何%か。又、その相手である労働組合は5%カットにどう応えられたのか。
明らかにされたい。これが二つ目。
三つ目に、組織されていない職員にはどの様に対応されたのか。私は少なくとも、3月1日に職員を8時から集めて訓示をされたと聞きましたが、全員から忌憚のない意見を聴く機会を設けてそれらの意見の集約の上で、結論を出すべきだと考えるが如何でしょうか。1200人職員の中には、いろいろ事情のある人もいます。1200人を束ねる市長においては、
職員の生活を支える給与のカットは、どうにも、こうにも手の打ちようがなくなったとき、始めて皆に一緒に痛んでくれと頼むものではないでしょうか。
私はこの様に考えますが市長のご見解を改めて求めます。

B 次に、昨年も今年も、防災無線について、市内一波統合に向け整備を図ると述べておられますが、先日、衆議院予算第6分科会において、日本共産党の佐々木憲昭議員が、下呂市の例を取り上げて次のような質問を行っています。それによりますと、
「下呂市は郡上市と同じ昨年の3月、5町村が合併して誕生しました。すると、総務省から旧5町村にあった防災無線について、一市一波、つまり一つの市に一つのシステムが原則だから、周波数を統合するようにとの指導があった。(郡上市と全く同じであります。)統合するには本庁のセンターから各戸の受信機まですべて整備しなければならない、大変な負担です。
広域な山間地域の市である、しかもこの5町村の合併は事実上、国によって押し付けられたようなものだが、平野部の都市と同じ基準で縛るのはおかしいのではないか、それぞれの実情に応じた形で対応することが必要だと思うが、この点での対応策、解決の方法をどの様に考えておられるかお聞かせ頂きたい」。この様に佐々木議員は質問されました。
総務省の竹田政府参考人は、防災無線について、必要最小限の周波数を割り当てている。しかし、市町村合併に当たって早期の周波数の統合が望ましいと考えてはおりますけれど、既存の設備を有効に活用しながら、設備更新の時期などを捉えて統合を図るなど、市町村の実情を踏まえた対応を行ってきた。
例えば、郡上市や恵那市においても合併前と同じ周波数を割り当てさせて頂いている。また、山間とか、地形を考慮して通信を確保するために必要な場合には複数の周波数の割り当てを行っている。各地方自治体の要望や実情を聞いて防災行政目的を実現できるよう柔軟な対応を行って参りたいと考えている。」

この様に述べておられます。
あらゆる情報を使って無駄な経費を節減することが、非常に大事であると思うが、美並町の施設を除いて、一波に統合するためにはどのくらいの予算が必要であるのか。この質疑で総務省の答弁により計画の変更はあるのか、二点について答弁を求めます。

C 愛育手当の所得制限については撤回されましたので触れません。

D 長良川の左右の県道・国道の走っていない反対側についての改良についてお尋ねします。
、生活道路としても緊急災害時などの二ルート化にしても非常に重要な役割を持っている道路であるが、一般質問でも取り上げられているのに、施政方針の中ではこの県道改良の位置づけが念頭に無いのでないかと(県道だから県に任せる)と思えてならないが、考えをお伺いします。

E 次に台風23号による被災者の生活再建支援についてであります。
予算説明では、災害被災者に対する生活住宅再建支援策支援事業を新たに設け、といっておられるので市独自の事業かと期待いたしましたが、県事業の枠内のものであります。12月議会で私は、美並町の被災者支援について4点の認識の確認について当局と一致しました。あの一致した認識を踏まえれば、新年度予算で何らかの救済事業があると思っていた私が浅はかでしたが、家が流れてしまった、家具も何もかも、数代かけて作ってきた身上(しんしょう=財産)が全部流れてしまった、それまでの生活基盤が根こそぎ無くなった、
こうした状態の被災者に対し、災害義援金などの配布方法を含め、せめて国の法に準じた支援が行われてしかるべきと考えます。特に国の法律が適用されれば300万円の支援金が支給金が支給されるのに、100万円しか現時点ではもらえない。全流失被災者へその差額を支援する措置が講じられてしかるべきと考えます。市への義援金の使い方とともに、お答えいただきたいと思います。

F 次に国民健康保険についてであります。
保険証の丸(まる)短表示について、保険証の表紙の左上に、1センチの丸の中にマル短という表示があります。これは未納者・滞納者であります。国保運営協議会でも論議し、今後検討していきたいとのお答えをいただいておりますが、具体化はどの様に考えておられるのか伺います。
又、医療費減免要綱について、国保運営協議会で要綱を定めるとしていますが、内容を明らかにしていただきたいと思います。
合併協議で5年間掛けて、和良・高鷲・明宝の安い国保税を、統一の高い国保税に引上げる取り決めがなされ、本年予算も和良・高鷲の税が上げられます。
自治省の合併推進指針によりますと
合併直後の臨時的経費に対する財政措置について、
「行政水準・住民負担水準の格差是正などの経常的経費に対して普通交付税による包括的財政措置を講ずる」
とあります。こんな指針があるのに高い方へ統一して何十%も税を引き上げる取り決めをし、そのまま市になって実行するなんてもっての外と言わざるを得ません。どの様に考えておられるか、そのように財政措置を取るよう要求されたのか伺います。

G 最後に議会はこの郡上が「非核平和宣言」都市であることを決議しました。今年は被爆60周年であります。去年の原爆記念日には、広島・長崎市長の核廃絶のメッセージが各県へ送られ梶原前知事から協賛の言葉が添えられ郡上市へも届けられました。市長も「先の大戦から学んだ平和の大切さを、21世紀を担う子ども達に伝え、明るく平和な未来が築かれるよう一層の努力をしなければなりません」とのメッセージを平和行進に寄せられました。
郡上市では毎年8月の6日・9日の原爆記念日には役場やお寺様の協力を得て原水爆禁止・鐘サイレンの吹鳴運動が36年間続けられてきました。
被爆60年の今年、非核平和都市宣言をした郡上市として、どの様なアクションを計画しておられるのか、17年度予算には見えてこないので、伺うものです。具体的にお答えください。         以上で再質問を保留して私の質問を終わります。



大暮議長::河合潔君の質問に対し順次答弁を求めます。 井口総合政策部長。

 
井口権二郎総合政策部長: @住民サービスの件について。【要約】 
@ 町村合併による時代に即した新たな自治体作りは、地域創生・地域再生といえる。限られた財源で何を優先し行政と市民の役割分担を互いにどう考えていくかが非常に重要だ。行政サービスの恒常化・平常化は旧町村の住民サービスの平準化を、どの基準でするか非常に難しい。
新たな自治体を作るとき、既設の制度をどう見直すかという作業があり、行政と市民分担をどう分担するのかが難しい。ご理解がいただきたい。
郡上市の財政状況は極めて厳しい。場合によっては再建団体をも視野に入れておく必要がある。このため新年度は施策・事務事業それぞれを目的や必要性、有効性を検証し、是までの住民サービスを再点検しなければならない。市民と共同で進めていく。市民には「知恵と汗と税金」よろしくお願いしたい。

 
硲孝司郡上市長: @施政方針演説の後退について【全文】
 ご指摘の16年度の施政方針と17年度における施政方針と市長の考えが後退しておるというご指摘でございます。そういうふうにお受け取りになっても致し方ないかなとは思いますが、是は議員の皆さんにかねがね申し上げておりますように、合併は議員ご指摘のように、極めて国も、特に総務省もきれい事を言っておりました。おりましたが蓋を開けてみれば、前回もどなたかのご質問のときに申し上げましたが、国はウソをついたなということを、はっきり申し上げたというふうに思います。といいますのも、既に交付税等々の措置がここ数年で30億円郡上市へ入ってこんようになった。これは出と入りの話でございますから、いくらきれい事を言っても金が入ってこないことには、何ともかんともならんという、極めて自分にも嬉しくありませんけれども苦渋の選択の中での施政方針であって、決して市民を犠牲にして市政を運営するつもりは毛頭ございませんので、その点については議員にご理解を賜りたいし、行政財政改革元年にしたいということも、敢えて申し上げましたけれども、是につきましても理事者側としても、真摯に検討を進めて参りますこと、議員各位においてもなお一層ご検討やご指導を賜っていきたいと思います。極めて財政が厳しい、先ほど政策部長が申し上げたように、再建団体にまで行くような事はあってはならんと、それに若干の貯金、財調を持っております。これを食い詰めて後進に譲るなんていい加減なことは出来るものではありません。その辺の財政計画をしっかりと足を据えてやっていかざるを得んという社会情勢でございます。


松井隆総務部長: A給与を一律5%引き下げ、手当てについても減額することについて 【要約】
 職員組合に対し助役が何回か説明している。非組合員へは3月1日に全職員を集め市長がお願いした。職員総数1096人のうち管理職116人を除いた980人の組合加入率は20.5%だ。給与抑制は、深刻な財源不足対策と民間との均衡を図るためで常勤特別職含め行うもので理解されたい。賃金カットは職員士気低下につながるというが職員の資質を疑う問題だ。市の職員は全体の奉仕者として公共利益のため全力で職務に専念すべきと考える。民間の賃金、中濃平均26万3747円・飛騨平均25万5267円(県の「実態報告書」15年)に比べ、市職員は29万6555円(16年)と3万808円高い。

硲孝司郡上市長: A給与を一律5%引き下げ、手当てについても減額することについて【全文】
 これは当然、議員ご指摘のように、給料を安くして喜ぶような職員はただの一人もおりません。そのことは重々承知の上でございますけれども、先ほど総務部長が申し上げたように、官民格差等々がある現実を踏まえれば、やはり市民の皆さんの公僕として働かせてもらう我々としては、自らを律して、そして市民の皆さんにもご理解を賜っていかな、自分だけ給料は下げんぞと、サービスは落すぞと、そんないい加減なことは毛頭言える立場ではございません。職員の諸君も100%賛成ではございません。ございませんけれども、ある程度ご理解を賜らんと市民の皆さんに申し訳が立たん、あえて総務部長が申し上げています。そのことによって職員の士気が下がるような職員は辞めてもらって結構というくらい私は厳しい姿勢で臨ましてもらっております。


松井隆総務部長: B防災無線の一市一波の統合について 【要約】
 
合併後3年を目途に施設統合の計画書を出した。今は継続運用している。美並(アナログからデジタルへ)・八幡(機器年限超過)から順次整備する。合併当初の一市一波の指導が議員仰せのように変わった。一中継局一波だ。3年以内の整備≠熈柔軟に対処する≠ノ変わった。17年度予算要望は10億3000万円程だが変動要因もあり精査し経費節減に努める。

硲孝司郡上市長: B広報無線について【全文】
 広報無線の関係については、日本共産党さんに大変敬意を表したいと思います。お陰さまで、このあいだまで総通(東海総合通信局)が、かたくなに一波ということを言っておりましたけれども、方針を変えてきました。さすが権威ある国会でご審議いただいたことに、これは高く評価いたしますが、役人とはああいうものであるな、ということを痛切に感じました。当然、その国会の論点の中で一波という事にこだわらないというお話でございますから、出来るだけその設備投資をしたところを大事に使いながら、まず美並のオフトークは早急にやらなければなりませんが、そういうふうに順次整備をして市民の皆さんの利便性の向上に努めたいというふうに思います。


藤村登美雄基盤整備部長: C長良川沿線の県道改良について 【要約】
 西側県道は、白鳥から大和間は殆ど改良済みだが、大和美並間は46%の改良率だ。美並町白山から美濃市の境まで(白山美濃線)は4.6%と低い。県に気長にしつこく粘り強く要望する。狭い場所の1.5車線、待避所、崩落防止工事等、早急に対処出来る事業を要望していきたい。

硲孝司郡上市長: C長良川沿線の県道改良について【全文】
 県道の長良川対岸の県道をサッパリ疎かにしているのではないかという御指摘でございますが、これにつきましても我々、合併以前、町村長の7人が絶えずあること寄るにつけ触るにつけ、この話を一番の重点項目で運動を展開してきました。もちろん、東海北陸、濃飛横断、等々大きなプロジェクトがありますが、それに(国道)156を含めて対岸県道というのは我々の生命線ということで運動を展開して来ましたし、現在合併しても同じ気持でやっております。あえて付け加えれば、先ほども窓口の職員に言ったのですが、世の中ではもう公共投資はいらんというような暴言を吐く人間がおりますけれども国県へ絶え間なく運動を展開し、また、市道整備についてもしっかりやらしていただきたい。気持だけは、金のことは問題ありますが、人に負けんくらいの気持を持っておりますのでご理解を賜りたいということです。市民の皆さんにお叱りを受けんよう最大限の努力をしますので今後ともご指導をお願いします。


松山章健康福祉部長: D台風23号の被災者支援について 【要約】
 被害は甚大で今まで受けたことがないものだが、国の基準の激甚災害とか、国の被災者生活再建支援法の指定には至ってない。県創設の支援制度を受け、市が被災者生活再建支援補助金制度を創設し実施している。他に市単独事業の災害復旧資金利子補給制度、災害復旧貸付金制度、保育料や介護保険料の減免制度を実施している。


原市民環境部長:国民健康保険証のマル短の表示について【要約】
 
全くなくするのも具合悪いので検討させている。医療費の減免条項は4月1日から行う告示をしている。

松井隆総務部長: E国民健康保険税と国の財政等ついて 【要約】

 合併直後の臨時的経費に対する財政措置として普通交付税が1億5600万円(5年間)算入される。また、新たな町づくりへの財政措置として公共料金の格差是正・公債費負担格差是正等の合併後の需要に対し包括的特別交付税が7億9700万円だ。これが、1年目は50%が、2年目は30%が、3年後は20%の割合で特別交付税に算入されてくる。ただ、他の項目でそれ以上の減額があり交付税全体を比較すると増加してない。


 井口権二郎総合政策部長: G非核平和宣言の件について【全文】
 議員ご指摘のように昨年10月5日本会議におきまして「郡上市非核平和都市宣言」を決議をされました。市としましても非常に重要なことであり、世界平和は極めて重要なテーマと考えてリます。この決議を尊重し、機会あるごとにあらゆる核兵器の廃絶と世界平和を強く求めていくべきと考えております。今年の春まで早い時期に、「非核平和宣言の町郡上市」という懸垂幕の設置についても積極的に検討を加えて参りたいと思いますし、8月等の適時において、広報を通じ市民にも非核平和宣言の趣旨等について周知していきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。


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