6月議会一般質問(2003年6月17日) 八幡町議会議員:川上朝史
<発言通告> 合併した場合と合併しない場合の財政シミュレーションをしてみて、その結果を示そうと思う。財政が厳しくなるから町村合併はやむを得ないと、合併に向っているが、合併すると余計に苦しくなることを証明したい。合併特別委員会でもその点は議論されなかった。時間がないことから、合併協議会でも確かめられていない。補正係数が人口に応じて下げられることから起こる。係数が下げられたときは、合併していても、していなくても影響は同じである。合併しているほうが良いという根拠はない。合併特例債を含めたバブルが起きる。現在の借金状態にさせたと同じ情況をまた作る結果となる。町村自治を自ら弱める結果となることを危惧する。町長の考えを聞きたい。
細川孝弥議長; 2番川上朝史君の質問を許可します。
川上朝史議員; はい、2番川上朝史。(登壇)
日本共産党の川上朝史です。通告に従いまして質問をさせていただきます。最初に合併十年後の財政運営についてということでお伺いいたします。今回、合併が煮詰まってきていろんなことが決まってきていますが、そもそもこの合併問題の発端は財政危機によるものであります。この財政危機が負担を市町村に求めてきているものと捉えています。これから新しい市にいろんな施策を盛り込まれておりますけれど支えるのはやはり財政であります。ということを思いましたので、合併したらどんな財政状態になるのかを私なりに一生懸命計算をしようと思いました。大変、不十分でありますけれどもこのことについてご質問いたします。
合併をすれば余計に財政が苦しくなるんではないか(ここをクリックすると消防費の計算が出ます)と思います。このことは合併をした場合しない場合の計算が必要であります。合併特別委員会ではこのことは議論されたでしょうか。それから合併協議会でも確かめられたでしょうか。人口に応じて補正係数というものがございました。大体、人口10万人の都市を平均と考えましてこれを1としまして八幡町の場合は1,5ぐらいの係数がついております。これが合併をいたしまして約5万人の郡上市になるわけでして、この場合段階補正係数というものがありまして16%ぐらい私の計算では下がります。それと人口の減がありますので更に落ち込むわけです。一番最初に消防費というのがありました。これは消防費の費用を計算するわけです。この消防費の単価は10,900円とこれは全国一律で決まっております。これに人口と補正の数をかけます。この人口によります補正と人口密度による補正の係数をかけます。人口による段階補正と密度補正というものがございました。それで行きますと八幡町の場合は274,953千円が現在あります。これが合併しますと約4300万円減りまして231,862千円と出ました。これは人口が減らない場合を想定しております。16%ほど減りました。人口は今コーホート法という、コンピューターやインターネットで直接出てくるわけですけれども、それで行きますと更に減りまして6800万年、25%ほど減りました。今は消防費について計算しましたが、土木費ですとか教育費ですとか色々有りました。残念ながら、私の力の及ばないことで今日全部を計算することが出来ませんでした。この計算をしていて思ったんですけれども、この係数は合併をしていても、していなくても影響は同じようにあるだろうと思うんですが、合併をしたほうがいいという根拠が、まあ合併特例債がいただけるということがあるんでしょうが、根拠がないのではないかと。その点はいかがでしょうか。合併特例債を今のように使うと、大きな、10年後に今の様なバブルが又おきてくるのではないかと。現在の借金、国と地方で700兆円の借金があるということですが、現在の借金状態を作り出したのは今の合併特例債を使ったやり方と全く同じです。これでは先に合併バブルというものが起こらないかという不安がありますが、どうお考えなのかをお聞かせください。
細川議長; 川上朝史君の質問にそれぞれ答弁をお願いします。井口総務管理課長。
井口利厚総務管理課長;
はい。それではまずま合併に伴う10年先の財政運営の厳しさを訊ねるという事でございますが、このことに付きましては先の定例会でもご質問があったかなーいうふうに思いますが。合併を議論するうえでは交付税のことが当然話題になって来るということでございますが、合併する事により15年後に交付税が減額になる原因という事でございますが、これは自治体の規模が大きくなることによって今まで受けていた小規模町村を対象とした割増率といいますか、傾斜配分といいますか、補正係数が減少する事によることは一番大きいかなーというふうに思います。合併をしなかった場合でもですが、これはすでに平成10年度から人口4000人以下の団体を中心に交付税が削減されてきております。また、14年度から人口5万人以下の団体に対しても段階補正の削減が行われております。ということで交付税が中長期的には中立であるという考え方かといえます。合併を考える上で重要な事は今言われておりますように少子高齢化による人口の減少が起きている大きなことかというふうに思いますが、県の推計によりますと実際の運営が困難になることが予想されるということでございます。なお、郡上郡は5万人という目標をたてておりますけれども、ただし、県の推計ではだいぶ減るという推計が出ておりますので、その辺のことが大きな問題であろうかということでございます。そういうことが原因ということでございまして、このことを財政問題としてはですね10年、15年先に付いてはですね非常にシミュレーションすることに付いては問題といいますか出来かねるという情況であります。段階補正とか補正係数については毎年毎年見直しをされるということがありまして私どものほうでどうこうという、知る数字でございませんので、私達の段階では非常に困難かと、今の新市の建設計画で示されている25年度までの財政計画についてもですね果たしてそのことがその通りに行くんかということも疑問な部分があることは確かだと思います。まあ、そういう部分の国のほうの政策といいますか交付税の見直しが非常に大きな見直しをされる所もございますのでその辺をご理解をしていただくことは必要かなーというふうに思います。今日の新聞等々でも三位一体の対策の部分でですね税源委譲のところが一部出ておりましたけれども、その部分についてもですね、まだまだ検討をされなければ出てこないという情況でございますので、今の段階でシミュレ−ションについては非常に困難ということかと思いますので、よろしくお願い致します。
細川議長; 川上朝史君
川上朝史議員; はい、川上朝史です。
これは、(郡上郡合併協議会発行のパンフレット「新市のまち」=新市建設計画(概要版)を広げて見せて)合併、新市の町づくりという、頂いたやつです。郡上の。これの中に財政規模というところがあります。ここで、前期の5ヵ年は約1830億円、後期の5年間はそれより約300億円減って約1500億円というふうになっております。これも、私の計算ですけれども、この10年間の後、5ヵ年間は段階的に交付税の縮減がなされます。交付税というのは大体55%位が、郡上郡の場合は頼っております。それ以外は自分で入ってくる地方税が10数%、あとは大体5%以下の項目ばかりでした。一番大きな交付税が5割以上占める、55%ありましたが、それが段階的に減らされるわけです。これを計算いたしましたところが、1500億円ありましたものが、どれだけに減るかといいますと、10年から15年の間には約300億円減ります。合計しますと10年間(※5年間の誤り)では1200億円という数字が出ました。一番最初(の5年間)は、合併特例債等を使いますので当然多いわけですが、約5年間はここに書いてあるとおりです。1830億円。その次の5ヵ年間はここに書いてあるとおりです。約330億円減って1500億円です。ここに書いてないそのあとの5ヶ年間はどうかといいますと、私の計算ですがまた、300億円減ります。約1200億円になります。今度は段階的縮減が済んでしまいまして本当に援助の無い一人ぼっちの状態ですが、その時は約80億円が減りまして1120億円という数字が出ました。グラフでいうとこんな様なグラフが出ました。これを具体的に、これは数字でありますけれども、具体的に郡上郡はどういうふうになって行くのだろうかというふうに考えるわけですけれども、これは今ある、今みえます職員が200人が自然退職されてその半分を補充するとそういうことでありました。先ほどの商工会のことについて関連を致しますと、商工会では、ここも整理の対象になります。現在、郡上郡では13人おります記帳指導員がたった5人になるそうです。8人おります、補助記帳員が3人に減ってしまうそうです。こういった形で現れて来るわけです。この数字で何億円、何百億円減る実際はこういう職員が減り、商工会についても職員が減ると。こういうことが10数年後には起こります。それで、現在の職員は今のままの身分でいますっていうふうにいっとるわけですけれど、新しい人が入ってこれないということになりますので、皆さんのお孫さんですとか私どもの子どもですとかが、職場を求めて郡上に残りたいと思いましても、そういう若い人の芽を合併は摘んでしまうことになるのではないかと思うわけです。こういうことを考えますと、本当に合併はいいことなんだろうかと、自分で決めて自分で責任を持てということを先ほども言われましたけれども、こういうことについて町長のお考えをお伺いしたいと思います。
細川議長; 小森町長
小森久二男町長;
今、合併に対する交付税の問題がよく議論をされるわけで御座いますが、先ほど総務課長が申し上げましたように、現在、傾斜配分・段階補正、そうしたものが段々見直されてきておると、そういう情況で御座います。これは特に郡上郡の場合は特に財政力が弱いと、県下でも弱いほうで御座いまして、市は大体40%以上の財政力を持っていまして、平均しますと市は60から70%となっておりますが、郡上は現在30%台に載っておりますのが八幡・白鳥・高鷲・美並の4か町村で御座いまして、あとは10%台か随分低い、ということで御座います。おそらく財政力が75以上あれば、交付税は75%が標準ですので、合併してもせんでも交付税に関係が無いわけで御座いますけれども、しかしながら現状を見とりますと、こないだ稲沢市でちょっと話を聞いたんですけど、稲沢市あたりは財政力は80以上ありまして、交付税なんかそう貰っておらんのんではないかと聞きましたら、いくらも貰っておらんと、しかし合併についていろいろ議論をしとると、寄る所も60から70の財政力指数のあるところですけれども、一つはこれからのちょっと大きな視野に立って今後の財政運営あるいは日本の今の経済状況等を考えながら枠組みを大きくしながらもっと基盤を大きくしていくという問題が一つある訳であります。それで、これは先ほどおっしゃいましたように、雇用という問題からいきますと、たとえば職員を減らす、どんだけかカットしていくことは雇用がそれだけ減るという問題が御座いまして、相反する面も、これは全部が全部ええということではなしに、一面にはそういう面もある、これは当然出てくる問題で御座いまして、トータル的にこの合併をしたことによって、今後の将来に対する、最終的な狙いというのは住民福祉の向上ということが、これは最後の行政の一番大きな役割で御座いますので、施設を整備するのも何を行うのも、政策として行うのは最終的には住民福祉の向上を図っていくという事が大事で御座います。そういった意味から、この合併の問題が論議をされておる。従って、それにはこれからの時代に対応する地方分権の時代あるいは環境の問題いろんな問題が御座います。そういったものをクリアーしながらよりよい地域づくりをしていくには行財政の基盤を強化をしていく、専門性を高めながら住民の皆さんの付託に応えられるような態勢を敷いて行くと、そういったことも一つの大きな問題であるわけであります。地方交付税の問題について川上議員は川上議員の一つの手法で試算をされておるわけで御座いますけれども、そのこと自体が全くどうかということ、これは一つの試算で御座いますので、これはいろんな試算が出ておりますけど、私のほうでこの問題はいつも提起されておりまして、郡の合併協議会、これは県と県の職員も派遣されてきて、専門家で御座いますので私も15年あとがどんになるんか計算できんか、何時も言っておるわけなんですが、一つの公表をすると言うことはそれが一人歩きする問題も御座いまして、現在の所、三位一体の問題とか国の先ほど申しました段階補正ですとか傾斜配分を段々減らしていくとか、いろいろな政策の問題が御座いまして、現在試算をすると言うことは先ず出来ないと、そういうことで公表されておらんということでございます。これは非常に難しい問題で御座いまして、ただ国の特例法を見ましても10年は現在の交付税を、七つが合併すれば七か町村の交付税の率ですんな、そういうものは保証するけれども、5年たっと段々緩和措置で5年間かかって、例えば5万なら5万の市のふさわしい積算をする交付税に戻していくということですので、ある意味から言うと例えば100億全体あったものが80億になるとか段階的に減らしていく形になろうかと思っています。そのことはこの合併特例法にも謳ってありますので、そういうことはあるんですけれどもその代わり合併をせずにおった時に今までの郡上のような小さい町村がたんとそれぞれあるわけですが、それがそのまま15年経ったあとどういうふうになっているということが、なかなか計算がしにくいという問題が御座いますので、比較がしにくいという問題が御座います。ただ、一般的に言えますことは、人口規模が多くなる程、財政効率は良くなる、良くなっていくと。小さい町村ですと、職員一人当りの人口が非常に多い(?)わけですけれども、ある程度人口規模が多くなるに従って、地形の問題ももちろん御座いますけれども、職員の数は段々減っていきます。そして行政に対する経費というものも段々大きく、枠組みが大きくなれば住民一人当りの経費は減っていくと。そういうような、いい面もありますし、また先ほど申しました人数が減っていくという問題やとか、あるいは住民の皆さんにすると、遠くなるとか、自分たちの声が届かなくなるとか、そういうような不安がある。それは事実で御座いまして、そういった不安の問題については今後そういった不安の無いように努力をしていくと、そういうことで御座いますので宜しくお願いをしたいと思います。
細川議長; 二番、川上朝史君。
川上朝史議員; はい。
有り難う御座いました。私の不安は、今云ったように、新しい方が就職しようにも勤め口を封ずるわけですので、いくらこれは人口増を描こうと思いましても増えることが無いのではないかと、そういうふうに考えます。合併して地方へ落ちる金も無くなると言う事で、益々高齢化をして錆びれて行くんではないかと、こういうふうに心配を表明いたしまして私の質問を終ります。(降壇)
細川議長; 以上で川上朝史君の一般質問を終ります。