8 千代の誕生 悲しいことが続いていた盛数夫妻に久しぶりに明るい出来事がありました。 すでに盛数夫妻には、長男慶隆・次男慶胤・三男慶直と一人の女の子があったのですが、また玉のような女の子が生まれたのです。 喜んだ夫妻はこの女の子に「千代」と名付けました。千代に八千代に長生きをするようにと祈っての事でした。 ところが、運命のいたずらか、当時、井ノ口(今の岐阜)の斎藤龍興のもとで奮戦していた盛数は、ふとしたことから病を得て、3年後の永禄5年(1562年)に死去してしまいました。 長男慶隆は13才、千代は4才になったばかりのときでした。(つづく)