硲孝司・郡上市長:(河合潔議員の一般質問への答弁) (2007年9月13日)
後期高齢者の関係で、私も連合議会の一議員として出させていただいています。制度的なことは部長から申し上げましたけども、縷々、河合議員からこの制度自体の問題点のご指摘がございました。それは、私も全部が全部正しいとは思いませんが、今、連合議会におきましては、全県下、市町村、42のそれぞれのほとんど首長が議員になっております。一部、多人数のとこは議会の先生方も議員にお加わりなっておりますが、そういう中で粛々と3回ほど議会を開催をされました。そういう中で、制度的なご指摘のような話も一部はございますけども、やはり先生お話のように郡上市長として国へ申し上げるというような代物でございません。国会で十分厚労省が検討した案を練られて成案にされた、(その)ような見地から、また私のほうは広域連合という立場と、あるいは市長会という立場で問題点等々はご指摘を申し上げたいと思いますが、先ほど名乗りを上げられましたように日本共産党の党員で先生おみえでございます。組織がしっかりしておみえでございますので、その筋から国政の場へ具申をいただけたら大変心強いなというふうに思います。もちろん責任逃れをするつもりではございません。私のほうも、悪いものは悪いということで一生懸命努力はさせていただきます。
それから、諸々申し上げましたけども、特に地域文化と弱者のことを市長自ら口に出しておりながら改悪的な予算執行をしておるじゃないかというご指摘でございますが、これまた、それぞれの議員各位にご答弁申し上げる中で申し上げましたが、自分にもやりたい施策は山ほど持ってございますけども、残念かな、歳入が思うに任せない、あるいは起債残高が膨大なものがある、というようなとこで、真の生活弱者、例えば心身等にご無理があってそうして所得が十分にまかなえないとか、あるいは働く場所が無くて生活保護等々の要援護、そういう皆さんについては、先ほどご指摘のような温泉入浴であれ、他のことであれ、それなりの配慮はさせていただいておる積りでございます。たまたま、高齢所帯等々でいいますと、市内におきましても今65歳以上のお年寄りの皆さん、私を含めまして、(「ブーッ」と終了ブザーの音)1万4千人もおみえでございます。それまで一円にはとても同じサービスがさせていただけないという切ない気持ちでございますのでご理解を賜りたいと思います。
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河合潔議員の後期高齢者医療保険の部分(一般質問)
私は、まず市長に対して後期高齢者医療制度について要請を致します。
政府は75歳以上の高齢者を後期高齢者と勝手に名付けて、他の世代から切り離して過酷な保険料徴収と負担増、医療切捨てを押し付ける後期高齢者医療制度を来年4月から実施しようとしておりますが、実施の凍結と制度の全面的な見直しを政府に対し市長として強く働きかけていただきたいことをまず要請します。
この制度については前回の定例会でも質問しておりますけれども、改めて詳しく質問したいと思います。来年4月1日で、75歳以上の人は、今加入している医療保険から脱退して、脱退でない、追い出されてです、新たに作られるこの制度に全員入ることになります。後期高齢者などというのは、小学校の低学年や高学年であるまいし、余計なお世話だという人もおりますけれども、そんなことより、その中身が大問題なのです。
第一は大多数のお年寄りにとって新たな負担増になります。75歳以上は全員一人ひとりが保険料を支払うことになります。現在、子供さんなどの扶養家族として保険料負担がなかった方は、保険料がまるまる負担になります。また、この制度の保険料は2年ごとに改定されますが、高齢者の数が増えるにしたがって保険料も自動的に引き上げられる仕組みになっています。そして、もらっている年金が、月15000円以上の人は保険料を年金から天引きされます。これに便乗して65歳以上の国保加入者の保険料も年金から天引きされます。今やられている介護保険料の天引きと合わせると、受け取る年金が大きく減って、生活をどうするのかという問題になりますが、生活がどうであれ問答無用で保険料を取り立てるやり口であります。
第二は高齢者の医療費を抑制する狙いが明らかなことであります。高齢者に保険料の痛みを実感させる、そして、現役世代にもその負担感を実感させるとして給与明細などにはっきりと明記することになっております。こうしたことで、高齢者医療にはこんなにお金がかかっているんだ、もうちょっと抑制しなさい、こういう圧力が働くことになります。これは介護保険で実証済みです。介護保険では保険料が高くなるから出来るだけ介護サービスを利用しないように、という制限がひとつ埋められています。
第三には、医療機関(病院)が受け取る診療報酬も74歳以下とは別建てで定額制にし、包括性といいます、手厚い治療をすればするほど医療機関が損をする、そういう仕組みになっています。名目は高齢者の心や体、心身の特性にふさわしい医療を行うという名目ですが、高齢者には医療をするな、医者にかかるなと言わんばかりです。そういうことで粗悪診療や高齢者の病院追い出しにつながってきます。そして健康診断も任意事業になり、やれる分だけとなってまいります。
第四に、保険料を滞納した場合、保険証の取り上げが義務化されます。今は高齢者からの国保証の取り上げは対象外とされています。それは法律で保険証を取り上げてはいけないと定められているからでありますが、昨年の自民党・公明党、両党が強行した医療改悪で高齢者が対象からはずされてしまったからです。生活苦で保険料が払えず資格証明書となった人が病院へ行けずに重症化したり手遅れになって亡くなったりする悲しい事態が続発しております。この制限を取り外したことで貧困で苦しむお年寄りから医療まで奪い取ることになるわけであります。
さて、この制度を運用する岐阜県広域連合は、保険料を決めたり減免制度を作ったりするための条例を制定します。市長はこの広域連合の郡上を代表する議員であります。次の点を是非実施できるよう力を尽くしてくださることを要請しますので受け止めていただきたいと思います。
第一は、先ほど申し上げました保険証の取上げをしないことです。年金が月1万5千円以下の人にも最低均等割り30%がかかります。こんなことが、1万5千円以下の人が滞納しても悪質な滞納者とは言えないのではないかと私は思います。
第二は、保険料を加入者の生活実態を踏まえた金額に設定するということであります。
第三は、保険料の軽減措置や据え置き措置はありますけれども免除の規定がありません。これを是非設けていただきたい。
第四は、県の手厚い支援策を是非とも強く求めていただきたい。この4点であります。
以上、後期高齢者医療制度について市長への要請と広域議員としての市長への要請を致しましたが、制度への市長の思い、考え、認識と、私の要請に対しての答弁を求めるものであります。