第20回「連句フェスタ宗祇水」奉納連句 2006年7月29日(土)
岐阜県郡上市八幡町向山 大乗寺 参加者27名(他に報道陣:ケーブルテレビ蟹NG・中日新聞・岐阜新聞)
発句 百代の 過客と宗祇 水涼し (岡本 星女)
二句 我が身を染めて 一瞬の夏 (水野 隆)
三句 黒揚羽 民芸館の 扉(と)に触れて (日高 玲)
四句 香合の闇 解き放ちやる (武藤千代美)
五句 十五夜の 月のうさぎの 眼が笑ふ (日下部喜平)
六句 風船葛 ひとりゆらゆら (伊藤 哲子)
七句 村正の 刃が断ちぬ 秋の空 (赤田玖實子)
八句 撥音高く 反らす踊る手 (鈴木美奈子)
九句 わだつみの 神より届く 文の数 (渡辺たみこ)
十句 しとどに枕 濡らすきぬぎぬ (竹内 茂翁)
十一句 旅の町 櫺子(れんじ)格子の やや荒びて (福井 直子)
十二句 酒即是飲 呑即是酔 (喜平)
十三句 くしゃみして 砕けた月に 繋がんか (美奈子)
十四句 寄り添うてゐる 凍鴉二羽 (清水 春美)
十五区 しゃべりつつ 行けば露地の 突きあたり (天野 収一)
十六句 お地蔵様に 湯気立つ椀を (りえこ)
十七句 灯ともりて けぶるが如き 雨の花 (尾山 祥子)
十八句 官吏の群れを 脱け出せし春 (水野 光哉)
十九句 囀りに 似し円空の 笑みこぼる (古田 了)
二十句 つらね声色 つっかへもせず (玖實子)
二二句 古箪笥 梳き櫛 蔵(しま)はれしままに (千代美)
二三句 お守り代りに 秘すわらひ絵 (星女)
二四句 国元は 百鬼夜行の 選挙前 (収一)
二五句 時総べる姫 絲取りの歌 (光哉)
二六句 夢ひとつ 抱きしめてをり 水中花 (蓑洞 美幸)
二七句 ヘソ出しポーズ 未だ見慣れず (中村 速雄)
二八句 渾身の頭突きいっぱつ ジダン去る (了)
二九句 夕のもみじに 刻止りゐて (松本いづみ)
二九句 独りごつ 月の明るさ 50階 (古田 憲治)
三十句 秋刀魚のやうな ミサイルを撃つ (斎藤 佳成)
三一句 冬なれや アイロンかけて 赤マント (水野 五月)
三二句 大原雑魚寝 後夜の鐘撞く (哲子)
三三句 出迎えて くれる我が子の やうな犬 (蒲 しのぶ)
三四句 末裔(すえ)若草の 常縁(つねより)が筆(ひつ)(川上 朝史)
三五句 水晶の 奥は未来の 花降りて (隆)
挙句 春泥の靴 洗う巡礼 (佐藤 好博)