運命の女の母・とも(友)には、すでに4人の子がおり、お腹には5人目の子が宿っていました。郡上の領主・東家の長女でした。
父・東常慶(とうのつねよし)は和歌で名高い東家13代目にあたり八幡町の赤谷山に城を構えていました。
常慶は一人息子・常尭(つねたか)のことが気掛りでした。
「常尭は、領主の器ではないかもしれぬ。」「常尭の他は皆、女の子じゃ。」「いっそ、木越城(今の大和町・場皿)に住む遠藤胤縁の弟の盛数はどうじゃ。我が娘・ともの婿だが評判も良い男じゃ。」
ともは、親のすすめで遠藤盛数に嫁いでいたのでした。
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