「天」と「命」をあわせると「天命」となります。この場合の『天』と『命』も同じ意味です。
昔から中国人は、人間社会のもろもろの現象は天の意志の見えない糸によって、
支配されていると考えてきました。
それが「天命」であり、「命」なのです。
ですから、「命」を自覚することによって、達観とか諦念が生まれ、
さらに言えば、悟りの境地に近づいていくのです。
それで、「故に憂えず」(へんにジタバタしない)ということになります。
逆境に陥ったとき、最もやってはいけないのはジタバタすることです。
へんに悪あがきをすると醜態をさらすばかりでなく、事態がいっそう悪化していく事が多いからです。
「天を楽しみ、命を知る」者は胆がすわっており、こういう時に強みが発揮されるのかもしれません。
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