一貴一賎、交情乃見

一貴一賎、交情すなわち見わる   『史記』

漢代のテキ公という人物が、今でいう検事総長のような役職についた時のことです。
彼の屋敷は有象無象の訪問客でにぎわった。
ところが解任されたとたん、誰も来なくなったといいます。
やがて、次に同じポストに返り咲いたときにはまた、
以前のように訪問客が押しかけてきそうな気配になり、
次のような文句を門に貼り出したそうです。

一死一生、すなわち交情を知る。
一貧一富、すなわち交態を知る。
一貴一賎、交情すなわち見わる。

人間の付き合いが生死、貧富、貴賎の変化に連れて、
がらりと変わる事を皮肉ったものです。
調子が良いときには人は集まり、落ち目になると近寄りよりもしない。
へたに腹を立てるよりも、こんなものかと割り切ったほうが、
ストレスにならないでよいかもしれません。