善戦者求之于勢不責于人

善く戦う者はこれを勢に求めて人に責めず     『孫子』

「勢に求めて人に責めず」とは、
一人一人の能力や働きに過度の期待をかけないで、
組織全体の勢いのほうを重視するということです。

戦の巧みなものは、そういう戦い方をするのだといいます。
『孫子』はこう語っています。
『勢いに乗れば、兵士は坂道を転がる丸太や石のように、
思いがけない力を発揮する。
丸太や石は平坦な場所では静止しているが、
坂道をに置けば自然に動き出す。
また、四角い物は静止しているが、丸い物は転がる。
勢いに乗って戦うとは、丸い石を谷底に転げ落とすようなものだ。」

現在どこの企業でも社員教育に力を入れ、個人の能力を高めています。
確かに人一人のレベルアップは重要です。
しかしそれにもまして望まれるのは、組織として勢いをどうやって作り出すかです。
勢いに乗れば、一の力が二にも三にもなって発揮されます。
このような勢いを作り出すのも、リーダーの職責です。