上善如水

上善は水の如し    『老子』

「上善」とは、最も理想的な生き方です。
そういう生き方をしたいと願うならば、
水のあり方に学べというものです。
「水」には学ぶことができる三つの特徴があります。

一つは、その柔軟な性質です。四角な器に入れれば、
四角な形になり、丸い器に入れれば、丸くなります。
器に逆らうことなく形を変える柔軟さです。

二つ目には、低いところに身をおくのは誰でも嫌なものですが、
水は人の嫌がる低いところに流れていきます。
謙虚な姿で、自分の能力や地位を誇示しようとしません。

三つ目は、内なる大いなるエネルギーを秘めていて、
緩やかな流れは、人の心を癒す力を持っていますし、
また速い流れは、硬い岩をも砕く力強い力も持っています。

このように、水は「柔軟」「謙虚」「秘めたるエネルギー」の三つの特徴をもっています。
人もこのような特徴を身につけることができれば、理想の生き方に近づけるといえます。