笑而不答心自閑

笑って答えず、心自ずから閑なり      『古文真宝』

唐代の詩人『李白』の「山中答俗人」と題する詩の一説にあるものです。

原文は

問余何事栖碧山  余に問う 何事か碧山に栖むと
笑而不答心自閑  笑って答えず 心自ずから閑なり
桃花流水杳然去  桃花流水  杳然として去り
別有天地非人間  別に天地の人間に非ざるあり

世間の人はどうしてこんな山奥に住んでいるのかと尋ねる。
私はただ笑って答えないが、まことにのんびりとこの環境を楽しんでいるのだ。
桃の花びらが、川面に浮かんでゆったりと流れ去り、俗世間とはまったく異なる風情があるではないか。

忙しい現代社会において、時にはこんな時を持ってみるのも良いかもしれません。