既明且哲、以保其身

既に明かつ哲、以ってその身を保つ    『中庸』

この言葉から「明哲保身」という成語が生まれました。

「保身」と言うと、現在はあまり良い意味では使われていません。
「汲々として保身につとめている」とか、「自分の保身ばかりはかっている」という感じで、
非難のニュアンスで使われている事が多くあります。

しかし、元を正せば悪い意味をもって言葉ではないようです。
生きにくい世の中を無事に生き抜くこと、これが「身を保つ」ことであり、「保身」です。
考えようによってはむつかしい事です。

このむつかしい事を可能にするには何が必要であるかと言えば、「明」と「哲」です。
意味としては「事理に明るく、読みの深いこと」です。
このふたつが備わっていればしっかりと「身を保つ」ことができるということです。