人皆知有用之用而莫知無用之用也

人はみな有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり    『荘子』

「無用の用」とは、無用だと思われている物こそ有用なのだということです。
「荘子」は有用性だけを求める一面的な価値観から、
「無用」な物まで視野に入れる多面的な価値観への転換を説いています。

たとえば、ふだん何気なく交わしている「挨拶」などは、
なくても差し支えないように思えますが、実は会話をする上で人間関係を
円滑にしてくれることに役立っていることに気がつくと思います。
これも「無用の用」というところでしょうか?

最近は「有用性」だけを追及する傾向が多く、
どこかゆとりのない生活をしているのではないでしょうか?

道の片隅に咲いている名もない花を見かけたら「ホッ」とする気持ちが大切ですね。