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秋の3ヶ月を「要平」といいます。万物が実を結ぶ時です。この時期は生命力も身体の内側にしまいはじめる季節です。激しい運動などは避けておとなしく過ごすことが必要です。 これまで外向きに動いていた生命力が内側に向かって変化し始めます。今まで咲いていた花も身を結び、翌年のために生命力を種の中に収める時期なのです。人間の身体にも同じ働きがあるようです。 『気』の流れの勢いも外向きから内向きに変化していきます。この時期には、身体の防衛力が手薄になりがちです。秋に風邪をひきやすいのはこのためです。この季節には、薄着で身体の熱を逃がすのは絶対に避けるべきです。また、乾燥する時期でもあります。これは、体表から『陽気』だけでなく『水分』も逃げていくためです。 春や夏に比べると「身体」や「心」も少しおとなしく過ごすことが、自然と調和する方法だといえます。 春に目が覚め、夏にかけて外へ発散していたエネルギーは、秋を迎えて身体の中へ向かおうとしています。身体は閉じる前にもう一度、窓を開け放って残った「陽気」をだしきり、「涼しい気」を中に入れて、細胞の衣替えをすることが必要です。 身体の窓の開閉をスムーズにする『乾布摩擦』や、気のめぐりを促すための『辛味のある食べ物』がポイントです。『仕入れた気』は肺の働きですみやかに分解し、『動く気』に変えて、全身に送り出されます。 『秋は西。西方は白色、入りて肺に通じ、肺は皮毛を、皮毛は腎を生ず。肺は鼻を主り、志にありては憂いとなす。類は金、その味は辛』 肺の仕事は呼吸。食べ物を胃が分解吸収するように、肺は仕入れた空気を速やかに分解して『動く気』に変化させ、全身に送り出します。パートナーは心臓です。いつも熱くなっている心臓は酸素で、その熱を冷ましています。そこで、『おいしい朝の空気を1日3分間、、目を閉じて深い『静』の状態から深呼吸を10回ほどすると、「肺の気」も元気でいられることでしょう。』 身体が閉じる前にもう一度『気』の衣替えをする時に役立つ食材は『辛味』です。ネギ、酒、唐辛子、わさび、ニンニク、カレー、山椒、大根、玉ねぎ等です。秋の味覚の中からは、梨、銀杏は肺を潤し、咳を止める食材です。栗は自律神経の働きを助けてくれ、金柑は声を補ってくれます。ちなみに唐辛子は副腎髄質ホルモンを刺激して新陳代謝を良くする効果があります。ただし、『辛味』は食べ過ぎに注意してください。 秋は『食欲の秋』と言われますが、これは食べ物の少なくなる冬に備えて身体が蓄えを増やすという動物としての機能が残っているからです。できるだけ『旬』のものを選んで、食べるようにしてください。 |