海のナチュラルサプリメント

sizimi.jpg 蜆(シジミ)

日本人にとって、シジミは昔から貴重なタンパク源であり、黄疸の治療などに民間薬的に使われてきました。
中国の本草書(1509年に李 時珍によって著された)は、1882種の薬物を16部60類に分けてあり、その中の第46巻「介部」にシジミのことが紹介されています。
「気味は甘く鹹し、冷にして毒なし」しかし、たくさん食べ過ぎると腎気を弱める。
「暴熱を去り、目を明にして、小便を利し、熱気、脚気、湿気を下し、酒毒、目黄を解す。浸し汁を服すれば消渇を治す」と書かれています。
このようにシジミは生活の中で薬効の高い食材として使用されていた様です。

*こんな方におすすめです。

@肝臓の予防に

アルコールの暴飲などで破壊された肝細胞をすばやく再生させるためには、良質なたんぱく質の補給が必要です。
シジミには8種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。さらに、低脂肪で消化・吸収がよく、肝臓への負担が少ない事が肝臓によい理由です。
またアサリには含まれないメチオニン、メチオニン酸、シスチン、シスチン酸、タウリンなどのアミノ酸類とビタミンB群・鉄分・カルシウムも多く含まれており、これらの成分が肝機能を回復させ、肝臓を丈夫にしているからです。

A二日酔いの改善に

シジミの糖質はアサリより多く入っていて、即効性の高いエネルギー源になるグリコーゲンが主体なので、肝臓をはじめ各期間の疲労回復を早める効果が期待できます。二日酔いに効果があると言われるのは、このような肝臓の働きを活発にする作用があるからです。

B貧血の予防に

シジミにはビタミン群が豊富に含まれています。特にビタミンB12の含有量はレバー並に多いのが特長です。ビタミンB12は赤血球中のヘモグロビンの生成にかかわり、貧血を予防する効果が期待できます。さらに、鉄分やカルシウムも多く入っているため、これらが相乗的に働いて、貧血の予防に働くと考えられています。

Cコレステロールの気になる方sijimi.jpg

シジミの成分で注目したいのはアミノ酸のタウリンです。タウリンは肝臓に欠かせない物質である事が最近の研究からわかってきました。肝臓の重要な働きのひとつに胆汁の産生があるのですが、タウリンは胆汁の主成分である胆汁酸の分泌を促進するほか、肝細胞の産生を促したり、細胞膜を安定させる事により肝臓の解毒作用を活発化させます。また、胆汁酸にはコレステロールを体外に排出させる働きがあるため、タウリンをとることによって血中のコレステロール値が低下する事もわかっています。さらにタウリンにはLDLコレステロールを低下させるだけではなく、HDLコレステロールを増加させる作用もわかっています。

D動脈硬化の予防に

シジミには不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)が含まれています。このEPAはドコサヘキサエン酸(DHA)のとならんで、血小板凝集抑制の働きがあることがわかっています。一時マグロの頭にDHAが多く含まれており、頭がよくなるという事で話題になってこともあります。これは、両方とも、血液の粘り気をなくしサラサラにする仕組みがあるためです。動脈硬化を予防する事は脳卒中や心臓病の予防に対する効果も期待できます。

*シジミの食べ方

sijimisiru.jpgシジミの旬は、土用シジミ、寒シジミと呼ばれるように、夏と冬です。「土用シジミは腹薬」というのは、夏場の暑さで疲れた肝臓にシジミが効くという昔の人の知恵です。シジミ汁の独特の旨みはコハク酸に由来している物です。シジミが旬の時期には成分中のコハク酸が増えるので、旨みも増します。このコハク酸のは胆汁の分泌を促す作用があるといわれています。また、煮る事によってビタミン群などの主要成分もシジミ汁の中の移行します。旨みと栄養素を無駄なく取るにはシジミ汁にして実も残さず食べると一番よいでしょう。