薬性・薬味
生薬の性質について、身体を温めたり冷やしたりする寒熱の作用で、表現したものが薬の「気(性)」です。
また、「味」は生薬固有の味覚を薬効に関連させて考えた理論です。
これを「気味論」といい、「気」と「味」の相互作用によって、漢方薬としての薬効を発揮します。
一般的には「温薬」は甘味があり、「涼薬」は苦味がつよい。
「気味」には五気・五味があり、五味は「淡味・渋味」を加えて「七味」とされることもあります。
五性(五気) |
温薬 |
熱薬の作用よりも弱い |
人参・黄蓍・当帰等 |
熱薬 |
刺激・興奮作用がある。 |
附子・乾姜・桂皮等 |
平薬 |
寒熱どちらにも属さない |
猪苓・茯苓等 |
涼薬 |
寒薬の作用より弱い |
牡丹皮・連翹等 |
寒薬 |
沈降・鎮静・消炎作用がある。 |
黄連・黄柏・大黄等 |
五味(七味) |
酸味 |
収斂・収縮・固渋作用 |
五味子・山茱萸等 |
苦味 |
清熱・瀉下・鎮静作用 |
黄連・黄柏・大黄等 |
甘味 |
滋補・和中・緩急作用 |
人参・黄蓍・甘草等 |
辛味 |
発散・解表・健胃作用 |
荊芥・桂皮・紫蘇葉等 |
鹹味 |
軟堅・散結・瀉下作用 |
牡蛎・芒硝等 |
淡味 |
滲湿・利尿・鎮静作用 |
茯苓・猪苓等 |
渋味 |
収斂・固精・止瀉作用 |
烏梅・赤石脂等 |