象形薬理論

昔の人はどうして、生薬の薬効を知ったのでしょうか?

「神農さん」は百草を舐めて知ったとされていますが、これは伝説。
生薬の色や形、味、生えている場所などから薬効を推測することから始まったようです。

これを象形薬理論といいます。

例えば、赤い花は血証に効くだろう(紅花、サフラン、牡丹、芍薬、桃仁)、
匂いのよいものは気証(桂皮、薄荷、厚朴、紫蘇葉)、
水辺に育つものは、水毒をとる(沢瀉)、吸湿性のものも利水作用がありそうだ(茯苓、猪苓、半夏)、
中が空洞のものは水を通す力がある(木通、麻黄)、固いものは気を静めるだろう(石膏、竜骨)、
そして、甘いものは(緩和)苦いもの(瀉す)辛いもの(温める)などと考えていったと思われています。

ガンに効くといわれているサルノコシカケ(梅寄生)なども、
木に寄生してできた固い異物という発想からきているようです。