五臓六腑

日本酒を「グイッ」ビールを「グビグビ」。「う〜ん、お酒が五臓六腑にしみわたる」といった言い方があります。
蔵とは中の詰まった器官(肝、心、脾、肺、腎の五臓)であり、
腑とは中が空になった器官(胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦の六腑)を指します。
これは、西洋医学の肝臓、心臓・・・などと同じ用語を使っているためにまぎらわしく見えます。
例えば、西洋医学の「腎臓」と漢方医学の「腎」の概念はかなり隔たりがあります。
漢方医学での「腎」は腎臓の機能だけではなく、泌尿器、生殖器などの機能も含めた意味をもっています。
このような混同は、日本に西洋医学(蘭学)が入ってきて、
杉田玄白らが『解体新書』を翻訳する際に、漢方用語を採用したためといわれています。