中国製ダイエット健康食品について

2002.8/31

夏も終わりに近づきましたが、まだ連日の様に報道されています「中国製ダイエット健康食品」を「漢方薬」と誤解懸念されている皆様の心配を少しでも和らげる事ができればと思い書いてみました。

今回の事件は、中国製ダイエット食品に、西洋薬の医薬品成分(未承認医薬品)を入れて、その表示もなく販売されていたことに問題があります。さらに、インターネットを使った個人輸入(代行輸入)という手段で入手されていた事も問題がすぐに明るみに出ずズルズルと被害を出してしまった原因です。(個人責任において入手する商品については注意してください。)

この2点の問題点を明らかにせず、「漢方薬は安全ではない!」と言い切るマスコミの報道には正直言って驚きました。中国製の商品で生薬を使って作られたものは全て「漢方薬なんだ」というカテゴリーに勝手にあてはめて、報道する姿勢は、大きな誤りだとしか言いようがありません。これでは、普段から漢方薬を服用して病気をコントロールしている人に、どんなに不安感を与えているか?、あまりにも無責任な報道の仕方だと感じました。

一方、漢方薬は一連のダイエット食品とまったく異なる物である事など、「漢方薬の正しい認識を促す報道」もされています。(毎日新聞夕刊 2002.7.31 「特集ワイド2 漢方薬正しく理解してほしい」)

私は、すべての漢方薬に副作用がないとは言いません。
しかし、今回の「漢方薬は安全ではない!」報道は論点のすり替えであり、日本で製造承認を取得して、メーカーを経由して販売されている漢方薬や中国製の医薬品で、薬局・薬店で販売されているものは、内容は全て表示されており、何が入っているかわからないようなことや、表示がない物が入っている事はありません。(今後健康食品も内容成分は全表示になっていきます)この点からの、インターネット販売・通信販売などと店頭相談販売とは区別していかなければいけません。

漢方薬についての副作用は、薬剤アレルギーの場合、体質や病状を東洋医学的に判断せず西洋病名で漢方薬を選択している場合、などです。
いずれにせよ西洋薬と比較してもと比較にならないほど発生頻度は少ないのが現実です。(西洋薬の副作用の情報公開不足も問題ですが、、、)

皆様に注意していただきたい点や副作用や危険性が少ない購入方法としては、東洋医学理論に基づいた方法で、弁証して漢方薬を選択している専門のドクターや漢方相談薬局・薬店で相談する事をおすすめいたします。本来は、一人一人の状態を把握した上で、薬が決定されるのが、漢方薬であり、東洋医学なのです。

なお、この問題の関する詳しい情報は、「厚生労働省ホームページ」・「日本漢方生薬製剤協会ホームページ」」をご覧ください。