ヘチマ(Luffa cylindrica)は、熱帯アジア原産のウリ科の1年草で、成分として硝酸カリウム,サポニン,ペクチン,タンパク質,糖分等を含んでいます。ヘチマ水は古くから、皮膚に軽い収斂性と栄養を与える酸性化粧水として使用されてきました。 また民間療法ではあるが薬用として、あせも,ひび,あかぎれ,日焼け後の手当て等にも用いられています。 その他、内服すると、鎮咳,利尿効果もあるとされています。 |
〔ヘチマ水の採取法〕 |
生育の盛んな夏期(ヘチマの実がまだ若い頃)に、茎(つる)を根元から30〜90cmのところで切り、根元の方のつるを曲げて、あらかじめ熱湯で消毒した瓶の口元に差し込み、綿栓等で瓶の口元から塵芥が入らないようにして一昼夜おくと、0.5〜2Lのヘチマ水が採取できます。 |
〔ヘチマ化粧水の製法〕 |
採取したヘチマ水はそのまま使用できますが、防腐剤を加えなかったり、ろ過が不十分だと腐りやすいので注意して下さい。通常、ヘチマ化粧水は以下に示すように、新鮮ヘチマ水に清涼感や角質軟化の目的でエタノールとグリセリンを加えてかき混ぜ、防腐剤としてパラオキシ安息香酸エステル等を加え、ガーゼや綿栓でろ過して作ります。また好みで香料を入れてもよいでしょう。 |
処方例: | エタノール(95〜95.5%) グリセリン 防腐剤(パラオキシ安息香酸エチル等) 香料 新鮮ヘチマ水にて |
10.0mL 5.0mL 0.1g 0.2mL 全量100.0mL |
製法: | 新鮮なヘチマ水約80mLに香料、およびパラオキシ安息香酸エチルをエタノールに溶かしたものを加え、次いでグリセリンを加え十分かき混ぜて溶かした後、残りの新鮮ヘチマ水を加え全量100mLとし、ろ過して冷暗所に保存します。 放置しておくと白濁を生じることがありますが、これはペクチン質の析出によるもので、用時ガーゼまたは綿栓ろ過して用います。 |