今回はゲーム業界内で問い質されてきたいくつかの類似商品の訴訟を紹介します。
●1.TAITOがいろんなメーカーに対して
インベーダーブームなるものをご存知ですか。TAITOから発売したスペースインベーダーが爆発的な売上を叩き出し、老若男女が喫茶店で背中を丸めて興じていた時期です。当然のごとく他のメーカーは似たようなゲームを出して、便乗商法とばかりに売りまくってました。中にはキャラクターを変えただけと、悪質なコピー作品も出まわっていました。
当時ゲームというものには著作権はありませんでした。形の無いものに権利は無いものとなってました。
類似商品を前にさすがのTAITOも黙っているわけもなく、ゲームプログラムに対する権利を確立するために訴訟を起こしました。
結果はTAITOの勝訴で、以後、ゲームには著作権が認められることとなりました。
●2.NAMCOが2つを相手取り
パックマンをご存知でしょうか。黄色い丸いもの”●”がモンスターの追跡をかわしながら通路に落ちている点”・”を消していくゲームです。
まず1つ目に、営業先(早く言えばゲームセンターの事)に都内業者がパックマンの複製基盤を設置したということ。損害賠償を行い、原告のNAMCOが勝訴した。この判例により、アーケードゲームには「頒布権」を有することとなる。
その後、パックマンの類似ゲームを書籍に付録として売った出版社にも、損害賠償を行い、勝訴しました。
●3.任天堂がハッカー(っていう会社)を
詳しくは覚えていないのですが、おそらくファミコン中期から後期の間くらいかと思います。
ハッカーという会社は無許可で各種ハード向けにゲームを作っている会社です。18禁のようなゲームを数多く出していました。その会社を任天堂が訴える事となりました。内容は、「ファミコンカートリッジの形状及びイジェクト装置の無断利用」だったと思います。ファミコンのROMを抜くときに赤いレバーを奥へ上げる部分、あれ自体が特許品であり、今回それが引っかかったという事です。
結果として任天堂の勝訴だったように思います。それ以後のハッカーは、売れ残りのROMを安く買い叩き、ラベルを張り替えて中身を交換して新古品扱いとして逃げ道を作りました。
●4.CAPCOMとDATAEASTで
ストリートファイターIIが大流行した頃でした。CAPCOMがDATAEASTを訴えました。内容は「ファイターズヒストリーという作品は弊社ストリートファイターIIにきわめて似ており、著作権を侵害している」というような事でした。また、「市場には類似ゲームが多く、今後そうしたゲームについても法的措置を取る」とも話していました。
一方のDATAEASTはというと、「ファイターズヒストリーは弊社が独自に開発したゲームであり、著作権侵害にはあたらない」と真っ向から対立。法廷へと持ち越される事となりました。
しかし数年後に両社は和解し、事無きを得ましたとさ。
●5.BANDAIが
たまごっちというものを覚えていますでしょうか。一大ブームを巻き起こしたリアルタイム育成シミュレーションゲームですね。ブームが起きれば当然のごとく類似商品が出まわるのが世の常。
類似商品を輸入販売していた会社に対し、BANDAIは訴訟を行いました。その後の話はよくわかりませんが。
●6.CASIOがいろんなゲームを
誰もがテトリスだとかぷよぷよとかの落ちものパズルゲームって遊んだ事ありますよね。あのアイディアの特許をCASIOが平成4年に取得しました。
大手メーカーにその旨を通達したようです。どんな落ちものパズルも特許を侵害した事になり、以後は特許料まで請求される事になりますね。
そこで任天堂が特許の無効審判を含めて提訴したそうです。これまた以後の経過はよく知りません。
●7.KONAMIがあちこちに
俗に言う音ゲーというものはプレイした事ありますよね。リズムに合わせてボタンなどの入力装置を押していくゲームですね。ブームの火付け役のKONAMIは一大帝国を築きました。それ故、出まわる類似商品に頭を痛めました。
そのまず矛先として、JALECOの出したVJに製造・販売の差し止めを求める仮処分申請書を提出。その後はNAMCOのギタージャムとJALECOのロックントレッドに同様の申請書を提出。
それに対し、JALECOはクイズゲームの実用新案権を侵害しているとして応酬。またNAMCOはディスクロード中にミニゲームを遊べるアイディアを無断利用したとしてこれまた応酬。そっちがその気ならこっちはこうするぞと大人の対応ですね。
その後、KONAMIは訴訟のいくつかを取り下げはしたそうな。
みんな! パクリや訴訟はほどほどにね☆