ファミコンの話が続いていたので、今回は時を進めてみましょう。時は1993年ごろです。
この頃はスト2シリーズ(CAPCOM)の影響により、様々な対戦格闘ゲームがゲームセンターに並べられていました。その火は家庭用にも飛び火し、これまた様々な作品が製作、移植されていきました。移植作は雑誌にも大きく取り上げられ、一大注目の的でした。
ハード普及の為、どこよりも早く移植作を発売したいとの思惑がどのメーカーにもあったと思います。そんなある日、PC-Engineユーザーに朗報が届きました。当時人気だった餓狼伝説2と龍虎の拳(ともにSNK)の移植が決定したのです。
かなり忠実な移植ができるらしく、当時狂喜された方もいらっしゃるでしょう。そんな朗報だったわけですが、なぜ許諾をしたのかということに当時疑問ばかりが残りました。
疑問の解決には、この後にHUDSONとSNKの両社がたどった道をよく見てみれば、理解できるかもしれません。
この提携後、HUDSONはMVS対応で天外魔境 真伝とパニックボンバーという作品を発表しています。一方SNKの方はネオジオCDを発売し、ユーザー獲得に乗り出していきました。
このことから、HUDSONは「盛り上がっているMVSの市場に参入したい」、SNKは「CD−ROMの製作技術がなんとしても欲しい」という両者の思惑が見てとれます。
両者の思惑は一致しました。しかし、PC-Engineで出されたSNKの作品は、読みこみが遅く、遊ぶのにつらいものがありました。餓狼伝説2はそこそこ売れたんですが、人気の有ったスペシャルのほうが売れ行きがいまいちだったのが、それを物語っているでしょう。
ネオジオCDでは、1倍速ということはあるにしろ、これまた読みこみの速度が遅く、同じ部分を再度読みなおすという妙な仕様をとっていて遊ぶに耐えないものがあります。
HUDSONの技術が悪かったのでしょうか、どうやらPC-Engineの悪癖をそのままネオジオCDに連れてきてしまったようです。
結局、どちらも1時的な盛り上がりがあっただけで終わってしまいました。
HUDSONを提携先に選んだのは正しかったのか、間違っていたのか。少なくとも私はローディング技術はSEGAの方が優秀に感じるんで、そちらを選ぶべきではなかったのかなと思います。
−後日談−
SNKとSEGAはKOF95により、提携という形でサターンに参入してきました。しかし数ヶ月後にはプレイステーションへ提携どうこう無しで参入していきました。この時、非常に強い反感をサターンユーザーが噴出してましたっけ。
SNKよ、お前はどこに行く。