第21回 9/13 『殺してしんぜよう』
ネタ的に詰まりつつある連載21回目。今回は一風変わった世界観でぷれいやあに衝撃与えた作品、源平討魔伝。アーケードからの移植作です。
時は鎌倉。壇ノ浦で敗れた平家の怨霊、平 景清が、時の支配者、源 頼朝を倒すために地獄より復活しました。ぷれいやあは平 景清を操り、鎌倉目指して進んでいきます。各地に散らばる三種の神器を集め、頼朝を倒せばクリアです。ライフ制のジャンプアクションゲームです。
まず特徴的なのが、古き時代の日本を描き切った世界観です。 異形なる者同士の戦いということも付加して、幽玄の美というものが画面から伝わってきます。京都の五条大橋と大文字焼き。流れゆく竹林。塀の間から垣間見える富士山。どれも世界観に深みを与えています。
キャラクターについても特徴的なものが多いです。悲鳴と共に消えて行く鬼姫。圧倒的な大きさで迫ってくる弁慶。敵意を抱かずにはいられない義経。どいつも忘れることの出来ない名キャラクターたちです。
そして何よりキャラクターの魅力を描き切ることに成功した、BIGモードの存在も忘れては行けないでしょう。通常の小さなキャラクターを一定のステージだけ大きく描いたことにより、キャラクターの見せ方が一層効果的に仕上がっています。特に弁慶との対戦は、大きさとカリスマ性も手伝って、一見の価値があります。
さらに密かに頭に残るのが、各種ボイスです。案駄婆の「情けなや」、弁慶の「これで勝ったと思うなよ」、義経の「殺してしんぜよう」。キャラクターの魅力について、再確認させられます。
ただこの作品、難易度に関しては少々高めです。それと、ヒントの少なさも少々気がかりです。どこに通じているのか分からないワープゾーン、どこにあるのか分からない三種の神器。目標が分かっていても進みにくいというのはちょっと考えものです。
最後にこの作品は以下に紹介した他に、同名のファミコン版があります。しかしこれだけはハードの制約上と思われる理由で、まったく別のゲームに仕上がっています。この詳細については、また別の機会に。
NAMCO MUSIUM VOL.4(SLPS 00540)
対応機種はプレイステーション。1996年11月8日、NAMCOより5800円で発売。
源平討魔伝(NC90001)
対応機種はPCエンジン。1990年3月16日、NAMCOより6800円で発売。
源平討魔伝(製品コード不明)
対応機種はX68K。その他詳細不明。
第22回 9/20 『偉大なる遺作』
毎週更新の危機さえ囁かれる連載22回目。今回は東亜プランの偉大なる遺作、BATUGUN。アーケードからの移植作です。
3種類の機体を操り、政府軍の基地を制圧した革命軍を倒すことが目的です。残機制でボンバーのある、縦スクロールのシューティングです。
まず何より、敵を倒すのが楽しい。圧倒的な攻撃力を持って、ザコ敵を蹴散らす姿は爽快です。それに敵を倒した経験値によっても武器がレベルアップするシステムのおかげにより、何も考えずにただ敵を倒すということが改善されています。目的意識を持って進めていくことができ、導入部分のとっつきやすさはなかなかです。
敵の攻撃もちょっときついですけど、敵の弾もほんのちょっと遅めですし、動き方次第では互角にやっていけます。その辺のバランス調整もなかなかです。
ですがやっぱり難しいと噂されている東亜プランの作品。全くの初心者にはちょっと勧めるのをためらってしまうのが現状です。出てくる弾の多さにすぐにでも嫌気がさすことは間違いないでしょう。
この作品は冒頭で遺作と書いた通り、東亜プランの最後の作品となってしまいました。その後、倒産という訃報が流れてきました。当時は別段気にもしませんでしたが、とあるゲームセンターに入荷したのでプレイし、改めて偉大さに気づきました。そしてもっといろんな作品をやっておくんだったという後悔ばかりが今でも付きまとってます。
しかしその灯火は、現在はCAVEというメーカーの中でしっかりと息づいています。首領蜂シリーズなどもプレイした時、きっと遠くに見えていた点が線につながることでしょう。
BATUGUN(T−20605G)
対応機種はセガサターン。1996年10月25日、BANPRESTより5800円で発売。
第23回 10/4 『闇に光りを』
ちょっと更新が遅れました。ごめんなさい。今週は初めてゲームボーイから選出します。レッドアリーマー 魔界村外伝。
ある日魔界に現れた謎の軍団を倒すため、魔界村シリーズでおなじみのレッドアリーマーが大活躍します。上下左右にスクロールする、ジャンプアクションゲームです。
この作品ではジャンプアクションのくせに、移動していく通路が狭いです。その、他の作品とは一線を画したパターン性の強さが魅力でしょう。通路をスムーズに抜けていく瞬間の快感はなにものにも代え難いです。
さらにパズル性も加味されていて、絶妙なバランスととっています。空中停止できるホバリング能力も、キャラクターの持ち味をしっかりと出しています。シーンごとに武器を選択していく楽しさがあります。それに新しい能力を覚えていく楽しさもあります。
加えて極めることにより、1時間くらいで終わらせることが出来ます。ちょっと遊ぶにも手応えがありますね。
ただし、敵を倒していくという感覚より、どう進むかということが重視されます。敵を倒す爽快感を求めていると、手痛い目にあうかもしれないのでご注意を。
レッドアリーマー 魔界村外伝(DMG−RAJ)
対応機種はゲームボーイ。1990年5月2日、CAPCOMより3300円で発売。
第24回 10/11 『これ押したら・・・』
季節は秋となり、少し肌寒くなってきましたね。今回はSWITCH。一応アドベンチャーゲームだと思われます。
ある日突如繋がりの狂ったスイッチを元に戻すため、理不尽な世界の中を冒険していきます。プレイヤーは、画面に出てくるスイッチを押していくことで先に進んでいきます。世界に散らばる30個のモニュメントをすべて壊してしまうと、ゲームオーバーです。
何より楽しいのが、スイッチを押した後に起こるギャグです。押すたびに展開されるので、それ見たいがためにスイッチを押してしまいます。特に笑えたのがシューベルトやベートーベンなどの有名な作曲家の顔が並んでいるところで、スイッチを押すと、ゲロを吐いたり頭が爆発したりしたとこです。友人とよく笑ってました。
そしてそのギャグ見たさに、ついついいろんなスイッチを押してみたくなってきます。次に起こることを期待しながら押していくので、中毒的になれます。いつでも止められるのに、なかなか止め時が難しいです。後に引かない短いギャグが多いということが一役買っているのでしょう。
しかしあんまり同じ物ばかり見てくると、飽きてきます。スイッチを押して進んでいく以上、以前に見たギャグをまた見なくてはならないときがあります。さすがにその時には苦痛に感じられますね。せめて一度押したものについては、色を変えて分かりやすくするなどの処置を取ってほしかったです。
SWITCH(G−6009)
対応機種はメガCD。1993年4月23日、SEGAより8800円で発売。
第25回 10/25 『いっけぇぇぇ!』
またまた更新遅れました。果たしてどれほどの人が見てくれているのか正直疑問ですが、名作がある限り紹介し続けましょう。今週はスポーツゲームの革命児、キャプテン翼。
原作は一世を風靡したサッカー漫画だということはご存知でしょう。で、そのゲームも当然サッカーゲームなんです。ただしよくあるちっちゃなボールを追っかけてちまちまとキャラクターを操作するタイプではありません。相手を抜くにもパスするにもシュートするにもすべてコマンド操作です。スポーツを題材としたアドベンチャーゲームです。本作品中では中学生の大会と、全日本ユースの大会を楽しむことが出来ます。
スポーツというものを扱いながらアドベンチャーに仕立て上げたスタッフのセンスには感服します。これによって瞬間的な判断を要求されるスポーツゲームの苦手な人にも楽しむことが出来ます。しかもキャラクターの成長がロールプレイング式なので、負けてもいつかはクリアできるという算段です。諦めずにプレイすればいつかはクリアできるという親切設計です。
さらには画面を俯瞰図からキャラクターのアップに変更したことも大きいです。各キャラクターのもつ必殺技を大きく見せ、存在感のあるものにしています。原作の持つカッコ良さと豪快さがしっかり伝わってきます。小さなキャラクターを使っていては表現できない興奮です。それに象徴的な必殺技が簡単に出すことが出来るのも魅力的です。
しかしいくらキャラクターの魅力を優先したとはいえ、レベルによってはどんな距離でもシュートが入ってしまう状況には苦笑してしまいます。自分のゴールの手前から放って、相手の選手を何人もふっ飛ばして入ってしまったりするんで、笑いすらこみあげてきます。
今回ファミコン版とあわせてメガCD版も併記しておきました。多少荒いものの、音声出力でもありますし、原作の1巻のところからゲームを始められるので、ハードを持っている人はこちらもプレイしてみてはいかがでしょうか。
キャプテン翼
(TCF−TP)
対応機種はファミリーコンピュータ。1988年4月28日、TECMOより5500円で発売。
(T−36014)
対応機種はメガCD。1994年9月30日、TECMOより7800円で発売。