今回ご紹介するのはPCエンジンの名作シューティングと言われている、SUPER DARIUS。今なお続くDARIUSシリーズの1作目をアレンジ移植した作品です。
基本は横スクロールのシューティングで、対空、対地、バリヤをパワーアップしながらレベルアップさせていきます。各面の最後には魚型戦艦が待ち構えており、それを倒すと、2つある次のステージのうちどちらかを選択していきます。ステージは合計26もあり、最終ステージは7つ(実質的には5つ)あります。最終ステージをクリアすると、それぞれの面のエンディングが流れるというマルチエンディングを採用しています。
さてこの作品、実際にプレイすると最初のうちはすぐにゲームオーバーになってしまうと思います。しかし2回目以降は確実に前回よりも先に進めていることだと思います。学習性の高い、恐るべきバランス調整といえるでしょう。その上あまり理不尽なところもありません。
他に特筆すべきはボスを魚をモチーフにしたということです。これによってただの破壊対象だけではなく、キャラクター性を出すことに成功しています。驚くことにこの作品は全26ステージにそれぞれ違うボスを登場させています。デザイナーの方々の苦労が偲ばれます。
ただ1つ問題なのはステージセレクトのさせ方でしょう。やり方を知らなければ確実に壁にぶつかるほどです。移植物なので”矢印を出しとけよ”とかそういう事は言いませんが、せめて取説にゲームの流れの1部分として紹介しておくべきでしょう。
最後にこの作品にはマイナーバージョンとして、DARIUS PLUSというのが出ています。ボスの数が減っていたり曲がチープだったりしますが、SUPER〜が見つからないときはこちらでお楽しみください。
SUPER DARIUS (HACD0003)
対応機種はPCエンジンCD−ROM。1990年3月16日、NECアベニューより6780円で発売。
DARIUS PLUS (NAPH−1009)
対応機種はPCエンジンおよび同スーパーグラフィックス。1990年9月21日、NECアベニューより9800円で発売。
第7回 5/17 『取るなよ!それはオレの肉なんだぁ〜』
さてと、今回もまいりましょうか。今回ご紹介するのは、格闘アクションというひとつのジャンルを形成させるにいたった作品、Fainal Fight CD。アーケードからの移植作品です。
内容は左右から現れる敵を殴って、蹴って、投げまくっていき、ステージの最後にいるボスを倒していくゲームです。さらわれた市長の娘を助けるため、3人の男達が5つのステージで暴れまくります。
この作品では、大き目のキャラクターが画面狭しと動きまくります。しかも動きがスムーズで、攻撃することが非常に楽しいという出来です。かなり爽快感のある作りです。
キャラクター達も魅力的で、ストリートファイターZEROシリーズにも登場していることから、その魅力についてはきっと分かってもらえるんじゃないかと思います。特に日本人かぶれのソドムは、そのおかしな格好と強さから印象に残っている方も多いのでは。
操作もシンプルで十字キーとボタン2つで遊べ、しかも簡単であり、複雑な操作が簡単に出来ちゃいます。この辺は設計したデザイナーのうまさとしか言いようのない出来です。
ただ1つ気に食わない点が、攻撃スピードの遅さです。まだ我慢できるほどのスピードですが、アクション主体のこの作品において、致命的ともなりかねないです。
最後に、この作品にはスーファミ版も出ています。色々と違いがありますが(アクションスピード、キャラクター数、同時プレイの有無・・・)、メガCDをお持ちでない大多数の皆さんはこちらでお楽しみください。
Final Fight CD (G−6013)
対応機種はメガCD。1993年4月2日、セガより8800円で発売。
Final Fight (製品コード不明)
対応機種はスーパーファミコン。1990年12月21日、カプコンより8500円で発売。
第8回 5/24 『破壊王降臨』
今回はこちら。今度ハリウッド版の最新作も公開される怪獣映画のスタンダード、GODZILLA。
プレイヤーはゴジラとモスラを操りながら、異星人に占領されたマップを取り返していきます。こう書くとなんだかシミュレーションゲ−ムのようですが、そこはそれ、タイトルのイメージ通り豪快に突き進んで行くアクションゲームです。
このゲームではマップの中を進んでいくだけではなく、数々の敵の怪獣と1対1の対決が出来ます。その数、十数体。モグラやガイガン、メカゴジラといったファンならば知っているあの怪獣と対戦できるのは大きな魅力でしょう。
さらにゴジラたちは怪獣を倒したり特定のエリアをクリアすることによってレベルアップしていきます。成長させる楽しみのほかに、高次面に進んでいく際のバランスどりにも一役買っています。その感覚は絶妙であり、かなり良く出来ていると思います。
なおこのゲームではゴジラらしく敵の数は多く、その上くらい判定が大きいです。私はこの方がゴジラらしくていいと思いますが、やたらダメージを食らってしまう姿に耐えられない人にはちょっと厳しいゲームになってしまうかもしれませんね。
GODZILLA (THF−GZ)
対応機種はファミリーコンピュータ。1988年12月9日、東宝より5800円で発売。
第9回 5/31 『プレイテクニックに芸術性の宿りしもの』
今回は一部マニアの中で伝説と化した作品、NIGHT STRIKER。アーケードからの移植作品です。
ストーリーはテロ組織の撲滅と、そこに捕らわれたレーザ−兵器開発の博士とその娘を救出する任務を遂行することです。正面や後方から出てくる敵をとにかく打ち落としていく3Dシューティングです。各ステージにはボスが待ち構えており、倒すと2つあるステージの中から選択していきます。全21ゾーン、6ステージのマルチエンディング方式です。
まず凄いのが世界観。「夜の街を駆け抜けろ」という開発コンセプトは伊達ではなく、キャラクター、曲、演出の渋さは他に類を見ない出来です。特に曲に関しては発売から9年たった今現在でも名曲として語り継がれつづけています。曲を聞いてやってみたくなったという人が多いのは紛れも無い事実。
ゲームの内容もよく出来ており、地形を意識させるステージレイアウトや避けれそうで避けにくい敵の攻撃のバランスがよく出来ています。他にも各最終面で自機が変化するのも見逃せないでしょう。使えないものから便利なものまであって、最後の戦いだということを意識させてくれます。
この作品はメガCD、セガサターン、プレイステーションの各機種で発売されています。メガCD版はグラフィックが荒いですが、操作性が抜群です。さらに曲がアレンジバージョンも収録されています。セガサターン・プレイステーション版はグラフィックが奇麗ですが、操作性に関して少しなれを要します。購入の際は好み等によって判断するとよいでしょう。
NIGHT STRIKER(T−11014)
対応機種はメガCD。1993年5月28日、TAITOより7800円で発売。
NIGHT STRIKER S(T−19901G)
対応機種はセガサターン。1996年6月14日、VINGより5800円で発売。
NIGHT STRIKER(SLPS 00050)
対応機種はプレイステーション。1995年7月28日、VINGより6400円で発売。
第10回 6/7 『荒いからイイ!』
やっと10回目です。今回は発売後に業界内でも評価の高かった作品、夢見館の物語。
1人進入していった妹を救出するため、後を追って洋館の中に入っていきます。取り込み画像を使ったアドベンチャーゲームで、調べたいところでボタンを押していくだけの単純な操作で遊べます。
この作品が評価されたポイントは、取り込んだ画像の質とその使い方だったと思われます。今となっては荒すぎる画像ですが、洋館の中を探索するというゲーム内容に絶妙にマッチした結果となりました。そしてポリゴンムービーのような画像アニメーション。洋館の中をリアルに描き、存在感のあるものに仕上がっています。
その上、出てくるキャラクターが全て蝶。幻想的な雰囲気作りにこれまた一役買っています。
プレイ時間も順調に行けば1時間ほどで終わりますし。ちょっと遊ぶにもしっかり遊ぶにも十分遊べます。
ただメッセージの出ないアドベンチャーの性格上、謎解き部分はちょっと苦労するかもしれません。でも苦労しすぎることはあまり無いでしょう。
なお、続編としてセガサターンで新説・夢見館が出ています。しかし奇麗すぎるグラフィックと人間の顔だけのキャラクターは逆にこのゲーム本来の味を失なってしまう結果となりました。
夢見館の物語 (G−6027)
対応機種はメガCD。1993年12月10日、SEGAより7800円で発売。