第6回 8/5『何でこんなの出すんだか』
やってまいりました。月に1度のお楽しみ、「だから言ったのに・・・」のコーナー。今回はこれ。天地無用! 魎皇鬼 ごくらくCD−ROM for SEGA SATURN。パソコンからの移植作品です。
この作品は同名のアニメーションのデータベースソフトとして発売されました。OVAシリーズの第1部までの情報が、このCD−ROMの中に詰まっています。それと、この作品は密かに18禁だったりします。でも別にいやらしい作品じゃないですよ。アニメで裸のシーンを使ってたとこが引っかかっちゃっただけですから。
全部で7つあるコーナーの中でも、特に問答(クイズ)のコーナーが楽しめます。重箱の隅をつつくような問題が続出で、このアニメが好きな人にはたまらない出来です。
アニメーションの質は低いですが、データベースソフトとしての質は十分なレベルを保持しています。
ここまで読んで買ってみたくなった方(いるのか?)、決断を下すのは早すぎます。なんとなくよさげに書いてきましたが、この作品にはとんでもない落とし穴が・・・。
実を言うと何にも考えずにパソコン版を移植したために起こった悲劇があるのです。それは、「1度読み込んだ画像を何度も読み直す」という仕様をとったことです。おかげでキーレスポンスはサターン有数の最悪さです。
さらに取説の説明の少なさときたら・・・。キャラクターの説明だけの取説なんて実際、何の役に立ちません。各コーナーの説明なんて言うものも皆無です。
その上、ファン以外は手をつけないほうが無難です。何せ情報の密度が濃いため、何も知らないユーザーにとっては無意味な情報ばかりです。
何考えてんだろう、この移植を行ったスタッフ。それを考えると止めど無く疑問ばかりが湧いてきます。
天地無用! 魎皇鬼 ごくらくCD−ROM for SEGA SATURN(T−21801G)
対応機種はセガサターン。1995年9月29日、AROMAより7800円で発売。
第7回 9/17『これで死ぬか? 普通』
こいつを紹介しないわけにはいくまい。というわけで、今回はSPELUNKER。アーケードからの移植作品です。
地下深くに眠っているといわれている莫大な財宝を得るため、遺跡を目指して主人公が地下深くへと潜っていきます。
ゲームを起動すると、カセットに埋め込まれている発光ダイオードが点灯します。アイレムの初期作品にはこのダイオードがついています。しかし私だけでしょうか、この作品だけは何やら怪しいオーラを放っているように見えるのですが。
さて、いろいろな逸話の多い作品ですが、やっぱりこれだけははずせないでしょう。なんと、自分の身長以上の高さから落下すると、主人公が死んでしまうんです。いつもどんな高さから落ちてきても着地してくれるほかのゲームと比べると、その特異さは一層目に付きます。
さらにタイミングの悪いことに、あの超名作のSUPER MARIO BROS.の後に発売されたため、皆、納得の行かない弱さに戸惑いました。マリオに比べてちょっとの段差で死んでいく姿は、ある意味衝撃的でもありました。
他にもロープやはしごをジャンプしていく時にも、入力のシビアさから次々と主人公が死んでいきました。大半の死はこのシビアな入力によるものです。こんなにも難しい作品はユーザーにはなかなか受け入れられませんでした。
ただこの理不尽な死を一つのゲームを面白くするためのシステムと受け取るか、ただのプレイヤーへの嫌がらせと受け取るかで評価が俄然変わってくる面白い作品でもあります。
SPELUNKER(IF−03)
対応機種はファミリーコンピュータ。1985年12月7日、IREMより4900円で発売。
第8回 10/11『お前・・・、これはないやろ!』
「これやっとけ!!」にてお約束したとおり、今回はこれです。源平討魔伝。元になった作品は、アーケードの作品です。
ぷれいやあは平景清を操って、源頼朝を倒す事が目的です。各地に散らばる三種の神器を集め、一路鎌倉を目指します。ここまで書くと、「これやっとけ!!」の内容と変わり映えがありませんね。
ではさっそくカセットをさしてプレイ。
ふんふん、三種の神器はここか。おっ、始まった。・・・、これドラクエか? 戦闘? コマンド式? 占領?
ボードゲームじゃん!
そうなんですわ。この作品、ハードの制約を受けて、同名のタイトルでもあるに関わらず大きく様変わりしました。全くの別の作品といっても差し支えがないほどです。何せジャンルがボードゲームになったんですから。
まずなにより、ついてくるおまけの数がすごいです。「こんな移植してごめんなさい」と言わんばかりの内容です。金属のフィギアが4体、プレイに必要になるチップ類やカード類がたくさん、分厚い全体マップ。これらを眺めているだけで満足しましょう。
えっ、ゲーム内容についてもかい? ・・・ほんとにいいの?
前述の通り、ボードゲームなんです。戦闘はロールプレイングみたいなコマンド式。手に入れた「徳」というものを使ってパワーアップしていきます。そしてそれぞれの国を制圧しながら鎌倉を目指します。すっかり国取りゲームになってしまいました。
更にひどいのが多人数プレイでしょう。交代でプレイしていくのですが、手の空いている人は敵役で邪魔できるんです。そのコマンドで捨て身攻撃ができるんですが、連発されると、絶対にクリアできません。 プレイヤー側で封印しない限り、永遠に遊び続けるしかなくなります。普通の多人数プレイっていうのは楽しいもんですが、このゲームに限ると苦痛でしかありません。
アーケードの移植作品として期待してみても、ボードゲームとして期待してみても手痛い目にあう愉快な作品です。
源平討魔伝(製品コード不明)
対応機種はファミリーコンピュータ。1988年10月21日、NAMCOより4900円で発売。
第9回 11/9『これを発売した勇気と無謀さに乾杯!』
今回は、いろんなとこで噂ぐらいは聞いたことあるんじゃないかという、ある意味有名な作品、暴れん坊天狗。ファミコン市場の末期に突如現れた作品です。
タイトルだけ聞くと、「超兄貴」みたいなものを連想しそうですね。
あんなもん目じゃありません。
シューティングゲームなんですけど、自機が大きな天狗の面。そして放つのは、目ん玉ミサイルに唾液爆弾。このシチュエーションの異常さは一見の価値ありでしょう。
ストーリー的には、『アメリカが宇宙人に占領されて、同時期に日本からその異変を感知した天狗の面が援護に向かう』というような感じです。
こんな援護、頼まれたって絶対にいりません!
ゲーム内容も、「暴れん坊」という名にふさわしく、敵から地形から破壊しまくります。ここまでアメリカを破壊していくと、罪悪感を通り越して気分がいいです。破壊していくとライフが回復するので、必然的に天狗の面が破壊魔と化します。
登場するキャラクターも異常で、「毒の玉を吐き出す自由の女神」や、「画面を反射するオノを投げてくるマッチョなオヤジ」など癖のあり過ぎるキャラクターが、あなたを待ち構えています。
パワーアップ方法もどっか切れてます。地形を壊した時に出てくる民間人を救出していくとパワーアップするんですが、自機がアレなもんですから、食ってるようにしか見えません。
ゲームとしての出来はかなり良く出来ていますが、アクの強さに皆唖然としました。もし友達で持っている人がいれば、是非ともプレイしてみることをお勧めします。きっとあなたにとって、忘れられない1本となることでしょう。
暴れん坊天狗(MDC−51)
対応機種はファミリーコンピュータ。1990年12月14日、MELDACより6500円で発売。
第10回 11/17『まさかこんなゲームがあったとは!!』
購入してからいろんな意味で大爆笑をしてしまいました。今回は、元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険。”究極のロールプレイング・アドベンチャー!!”と銘打つ、壮大な作品です。
プレイヤーは三蔵法師や孫悟空などを操り、広大な中国を旅して天竺を目指す、ロールプレイングゲームです。仲間の体力、食料と水に気を配りながら進んでいきます。敵との戦いはアクション方式を採用しています。
ゲーム内容についてはいろんなサイトで扱ってたりするんで、そっちの方を参照してください。ちなみに私の場合、初プレイは2分しかもちませんでした。
今回この作品を扱った理由、それは、取扱説明書にあります。
ストーリーについては”ものがたり”というところで扱っています。おなじみの西遊記の冒頭部分も書いてありますが、肝心なその後に起こるイベントについても表記してあります。自分から「これ書いとかないとプレイヤーは分からんだろう」という配慮が見え見えで微笑ましいです。作った自分たちでも分かってるんですね、こんなの普通にやってたら解けねぇって。
それと一番笑えたのが、何と言っても『4大特典』です。
其の壱
日本テレビ系、「歌のトップテン」 12・1・2月分の入場券を、合計で2,000名様にプレゼントします。
製作会社がVAPということだと思うんですけど、よくもまぁこんな商品が用意できるもんだと思います。もしかしたらスポンサーだったのかな? 番組中にこのゲームのCMが流れてたりして。(笑)
其の弐
「元祖西遊記スーパーモンキー大冒険」のオリジナル・テレホンカードを、抽選で、合計1,000名様にプレゼント。
ま、このへんは順当なとこかな? たぶんパッケージイラストを使ったんじゃないかな。
其の参
「元祖西遊記スーパーモンキー大冒険」のゲーム体験をもとにしたオリジナル劇画を募集します。形式は自由です。応募のしかたは、ファミコン雑誌に掲載します。優勝者には、CD・Wラジカセ他豪華賞品を送呈。
どんなのが集まったんでしょう。ほとんど苦情みたいなのばっかだったりして。(苦笑) CD・Wラジカセというところが年代を感じさせます。
其の四
天竺親子ファミコンゲーム駅伝大会開催。各地区大会を行い、'87年3月29日〜30日に東京ヒルトンインターナショナルで、全国大会を行います。全国から、親子10組をご招待します。応募要項は、ファミコン雑誌に掲載します。超豪華な賞品をもりだくさん用意しています。
プッ・・・、ダーハッハッハハ。し、死ぬぅ。天竺! 駅伝のくせしてファミコンゲーム! どんな大会だったんだろう。すげぇ結果を読みてぇ。だははははは、
オレを笑い殺す気かー!
元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険(VAP−GS(9501))
対応機種はファミリーコンピュータ。1986年11月21日、VAPより4900円で発売。