Absolute terror
静かにラクが何かうめいて全ては始まった、スナも決して緊張を緩めているわけではない
それに続くようにそのショーに参加を決める、大殺戮が繰り広げられた
吹き上がる血煙、耳をつんざく轟音、言葉ではない叫び、物理的な破壊音
その中を先の笑顔をたたえたままのラクと、冷めた目をしたスナが駆けめぐる
おそらく一個師団を全滅させたに値する働きであったろう、だが、敵は減るどころか増えていく
「増援・・・・・・・どうして、そこまで」
「いくらなんでも分が悪いな、そろそろいいだろう・・・・・」
いつの間にかぴったり呼吸のあった二人が、意志の交換を行った、そして血路を開く
「走れるか?」
「バカにするな、私も傭兵だ」
二人静かに戦場から消えていく、爆炎と土煙、多くの元人間タチ、それらの中を本当に
静かに退いていく、おそらく敵は後を追うコトは出来ないだろう、それほどの退きの良さだ
だが、運がどうにもなかったらしい
「・・・・・・・・・・くたばれ」
道の先に、大きな男が現れた・・・・・・・・二人の表情がこわばる
その身体の大きさに勝るとも劣らぬ歩兵用のガトリングガンが火を噴いた
ずがががががががががががががががが!!!!!!!!
あたりの木々が砕け散っていく、間一髪でかわした二人だが辺りに散った破片などで
視界と動きを一瞬奪われた、間髪入れずに男がラクをつかみ上げた
そして振り落とす、頭から叩きつけられ、なお振り上げられ投げ捨てられた
そこへ、大男のデザートイーグルが吠える、ラクの脇腹をえぐった
「ぐぅ・・・・・・・やろぉ」
弾丸が違うのか必要以上の痛手を負ったらしい、スナは先の衝撃で動ける状態でない
また、今動いた所で殺られるのがオチだ。銃を連射したのだが、それ以上のスピードでラクが間合い
をつめてナイフを振り上げ、素早くうち下ろす、その奇跡がきれいな弧を描く、そしてその先端が
ずぶりと大男の胸元に突き刺さった、が
がずっ!!!!!ずざざざざざ・・・・・・
確かに深々と突き刺さったはずだが、大男は効いた風もなくラクを吹き飛ばした、そしてショットガンを
構えて放った、がうんがうんがうんがうん!!!!土煙が大きく吹き上がる
「・・・・・・・・クスリか」
スナが大男を見てその様子から正体を見分けた、そう、クスリによる何者をも凌駕した身体を持っている
男は既に死んでいると言っても過言ではない、だが戦い続けている・・・・・話に聞いたコトのある
最凶のクスリ、人間をケダモノに変えてしまうという「パペット」、大男はおそらくスナ並の傭兵なのだろう
そこへパペットの投与を受け、死の瞬間を生の暴走によって動き続けているのだ、どんなに腕の好い傭兵が
急所をつこうとも止まるコトはなく、ただただ破壊を続ける、ふとヘリの音が聞こえていった、どうやら
他の兵どもは撤退していったらしい、確かにこのままではこのバケモノに食い物とされるだろうし
ラクも気付いているだろう・・・・この男を止めるにはその存在を消してやる必要があると
「へ・・・・・まるでガンだな」
生暴走したその肉の塊を見て呟く、まさにガン細胞と同じ死の放棄だそっと、スナの方に静止のサインを
見せた、つまり一人で殺るというコトらしい、それに頷くスナ、そしてあの笑顔がラクに戻る
戦いは終わらない
生の暴走とはいえ、その戦うというコトに関しての判断の良さは傭兵のそれを残している
ただ人格というモノや痛みなどの感覚は失っているのだろう、ただただ破壊し続けるその目は
死んでいる、血だるまになった男が次々と銃を放ち武器をつかう、それを見てスナは自分が
生きていられるという自信はなかった、だがラクは戦い続けている、勝つつもりで。
手傷を負ったラクだがその動きの衰えはなく、ひたすら一撃一撃を加えていく、骨が砕ける音
肉のひしゃげる音、確実な攻撃が男をえぐっているにも関わらず全く衰えを見せない
ラクが、間合いをとり銃で打ち抜く、一瞬ぐらりとするが何事もなかったように
反撃の一手を撃ってくる、やがてラクも弾が切れ、肉弾戦で勝負となる
最初はナイフでずたずたに切り裂いていたが、やがてナイフが折れた、拳を決めるも
ほとんどの効果が見られない、そればかりか反撃を受けてよろけるラクの姿が増えてきた
そこへ一撃がぶち込まれた、がずん!!!!!
「ぐあ・・・・・・・・・っく」
男の一撃が確実にラクの後頭部を捕らえた、激しく脳が揺れるここで感覚を失ったら死が
待っている、ラクが全てを奮い起こし、頭を上げるそして、残しておいたと思われる最後の一発を
男の顔面に圧し当てて放つ、ラクの銃がすさまじい音をあげて硝煙を吐いた
大男の頭は、前から入った弾丸が後ろを抜ける時に豪快に砕け散り無惨に肉片が飛び散った
銃によるゼロ距離射撃、特殊に加工されたラクの弾丸は仕事を果たした
「終わった・・・・・・・・・・・・・か!!」
ぐばっ!!!!、大男はそれでも止まらずにラクに銃を向けた、ぱすぱすぱす!!!
渇いた音、サイレンサーのついた銃が吐き出したモノをラクの身体を抜けていく
そして、大男がラクの頭を握り上げ潰しにかかった
「そ、そんな!!!!」
スナが回復しつつある身体を起こして、助けに向かう・・・・・・・・・・
ぷきききききききき、ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・
みしみしともぎしぎしとも、とれる不快な音が響く、ラクが必至にばたばたしていたが
突然おとなしくなって、腕を前へと差し出した、その手に手榴弾が握られている
「!!!!!!!」
驚くスナ、そして身を伏せる
ラクがその手榴弾をそっと、落とした・・・・・・・・・・・
男の背後側へと手榴弾が落ちていき、地上40pほどの空中で弾けた
どごおおおおおおおお・・・・・・・・
特殊調合してあったのか、普通のモノよりも大きめの爆音が響きその場の
視界が0となった・・・・・・・・・スナが立ち上がる、煙の向こうに転がっていくラクを見つけた
大男は下半身のみしか残っていない、上半身は消し炭に変わったようだ
「お、おい!!・・・・・・・・・・・」
「Mission complete・・・・・・・終わらせたぞ」
ラクがにやりと笑った、傷の具合を見にスナが近づく
がばっ
「!!な、何・・・・・・ん・・・・・・」
近づいたスナの唇をラクが奪った、そしてその手がスナの肢体を這う
「ば、バカ野郎・・お前なに・・・・・・・」
「約束だったろうが、お前の身体を懸けての仕事だって・・・・・」
「だ、だからって・・・・・・・・あ・・・・・」
ラクの手が慣れた手つきでスナの服を解いていく・・・・・・・
「仕事はきつかったが・・・・・・・・報酬も最高だな」
「ば、バカ・・・・・・うん・・・・・あ・・・・」
するりと服をはだけ落とし、露わになった白くたわわな胸を見てラクが呟く
そしてそっと口を寄せた
「あう・・・・・・ちょ・・・・・・は・・・・だ、だめ」
スナの晒された上半身がだんだん赤みを帯びてくる、顔も紅潮してきた
恥ずかしい・・・・・そうではない、分かってるそれがゆっくりとスナの中からにじみ出てきた
そういう証拠だろうか
「はう・・・・・うん・・・・・・はん・・・・ん・・・・はぁ・・・・・」
ゆっくりとラクの手がスナの肢体を撫でてまわし、胸に吸い付いていた口を話す
その乳房をそっと寄せてゆっくりと手の中で弄ぶ
「・・・・・・・・・いい女だ・・・・・本当に」
「ふざけるな・・・・・・・」
顔を横に向けるスナ、そしてラクの手が滑るようにスナの下半身へとスライドしていく
わずかに身をよじったが、すぐに受け入れる体勢を取る、太股のあたりから、がたがたと
震える自分に驚くスナ、半分ほど閉じられた目が潤みを見せる、どんな激しい戦闘でも
上がらなかった息が、荒くなってきている
周りから見ると異様な光景ともとれる、だが同時にそれ以上に情欲をそそる姿
大きな怪我を負い血にまみれた男に、白く健康な身体をした女が被さるようにしている
「あ・・・ん・・・・あ・・・・や・・あ・ん・・・ぁ・・・・ぅん・・・・はぅ・・・・・ぁん」
スナの身体がだんだんと熱くなってくる、ラクの手は核心に触れそこを
丁寧にまさぐる・・・・・・・・・・・・・ふと、ラクが呟いた
「・・・・・・・・・・・まだ、ガキか」
その言葉に驚いて反論するスナ
「ば、バカ!!・・・ちゃんと済ませてる、そんな生娘などと一緒にするな!!」
「違う、カラダがコドモだってコトだよ・・・・」
「どうし・・・・・・・・・・・・、ラク」
スナが何かを言いかけたがそれをつぐんだ、そっとラクの部分に触れてみる
反応がない、彼を欲情させられなかった・・・・・・・いや、そうではない
「ガキ相手じゃあ、俺も立たねえってコトか・・・・・」
寂しそうに笑うラク、スナは何も言わない、言えない
「・・・・・・ちくしょう」
「私がコドモだったから・・・・・だからだよ、そうだよ」
スナがラクに必至に言う
「ああ、わかってる・・・・わかってる・・・・・・・わかってるんだよ」
そう呟くラクの目は焦点があっていなかった、そのカラダの温度は下がり
わずかにスナに手をあずけてさすっている・・・・・・致命傷があったのだ
そして、ラクのカラダに変化が訪れてきた
かたかたかたかた・・・・・・・・ラクが震えている・・・・スナがそのカラダを抱きしめる
「ラク・・・・大丈夫、私がいる・・・大丈夫だよ」
「・・・・・知ってたか、俺が本当は怯えてたコトを」
「うん・・・・・・最初にキスされた時、微かに震えてただろ、お前は女を抱くことで繋がりを
持つことで生きてるコトを確認して恐怖を・・・・・」
「・・・・・・・こえぇ・・・・・・たまらなくこえぇよ」
がたがたがたがた・・・・・・・、震えの増したカラダを更に強く抱きしめる
スナが露わにした胸にラクの頭をうずめさせる
「ほら・・・お前がほしがってたカラダだ、大丈夫こんなにそばにいる・・・・」
「・・・・・・・・ちくしょう、いい女抱かねえと・・・・・、お前はちと俺には、好すぎたらしい・・・」
ぎゅぅ・・・・・・・・・・・・・
「これが・・・・あいつらの味わった・・・・・こえぇ・・・・・本当に、こえぇ」
血にまみれた男に、美しい身体を寄せるスナ
柔らかく発育した、暖かな躯を、まだコドモな躰をその男にさらし続けた
男は恐怖に呑まれた、それは敗北である
-おわり-