「あ・・・・・・・・・・・」
「ん?どうした?」
まなが、みなつき先生と家の台所でかち合ってしまった、まあ
一緒に住んでいるのだから当然の出来事である、無理した作り笑いを見せるまな
「・・・なんだ?欲しいモノでもあるのか?その顔わ(^^;」
困った顔をするみなつき先生、それを見て哀れむような目をむけるまな
「先生・・・・・なんか、辛いコトとかあったら言ってくださいね、あたしなんかでよかったら」
まなが、ぎゅっと声をこらえて言う、精一杯の優しさだ
が、当然みなつき先生に伝わっているわけがない
「???????なんだ?新手のお芝居かなんかか?」
その言葉に、うっと言葉を詰まらせて部屋へと走っていくまな
(ダメ・・・・・これ以上、笑っているなんてわたしには無理・・・・)
三世代前のヒロイン走りで部屋へと駆け込む・・・・が、数歩手前で転ぶ
「・・・・・・・なんだ?変なの」
みなつき先生がいぶかしがる・・・・もしかして、俺の教育方針がいけないのか?
ふと、自分がまなにしてきたコトを振り返る、もしかして、あの子は、最近の小学生に
多いという、うつ病なんじゃ・・・・・・・・、顔面蒼白になるみなつき先生
(なんてコトだ・・・・・教育者でありながら、こんな身近な生徒のコトすら気遣ってやれなかったなんて)
後悔の念で、どんどん顔が青ざめていく先生
(ああ・・・・・・先生の顔が・・・・はぅぅぅ、ま、ま、末期症状!?)
その様子を、部屋の扉からこっそりのぞき見たまなが、また涙を流す
「うう・・・・・みなつきさん・・・・・まなは、悪い子でしたごめんなさい・・・・・」
今までの悪さをそっと、反省するまな・・・・・お菓子の盗み食いをしたこと
先生の部屋にあったかわいいグッズを勝手に持ってきたコト、黙ってくましゃんパンツを買ったコトなど
様々な細かい悪事(?)を、懺悔する
二人、住み始めて一年経つというのに、全く意志の疎通無し(笑)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「みなつき先生が・・・・・・・・・そんななぁ・・・・・」
俺は一人で悩んでいた、いっそ、当利に相談しようかと思ったが
まだ、バイトから帰ってきてないようだ・・・それに、最近どうにも、あ〜る子さんと
仲がいいみたいだし、変なコトで邪魔をするわけにはいかないし・・・・
こんな時に、くろねこ先輩が居たら・・・・ふと、優しかった先輩を思い出す
窓からそっと、ロシアの方角を見る・・・・・先輩・・・どうしたらいいでしょう・・・・
「・・・・・・まあ、素人判断は危険だな。うつ病かどうかなんて、わかったモノじゃないだろう」
「!?み、水沢京一!!??」
「違う・・・・・正義のぴんくのくま、アーリーバードだ」
窓に着ぐるみが張り付いていた・・・・・落としてしまえ、えいえい
「!!??な、何をするんだぁぁぁぁ・・・・・・」
声が小さくなっていった・・・近所迷惑だから辞めてもらいたい
嘘級生〜話しパクってばっかごめんです〜
「・・・・・・・と、まあ、いきなり判断を下すのはよくないぞ、うむ」
結局、ぴんくのくまが部屋に上がり込んできて、俺とだべっている・・・最近になってふと
なぜ、見城が左遷されて、くろねこ先輩が卒業したのかわかったような気がした、キャラ被ってるな(謎)
「・・・・あんた、なんの用があって家にいるんだ?」
俺が迷惑そうにそう言ってやる、正直、俺はこの人がまだ苦手だ・・・色々ある上に
キャラが掴みにくい・・・絡みにくいんだよな(ぉぃ
「・・・・なあに、ちょっと、近況でも聴こうかと思ってね」
そう言いながら、ういせっとぬいぐるみの頭をとった、きりりとした眉毛をたずさえた
りりしい顔がお目見えする、よくよく見ると、かっこいい人だ・・・・まな・・・実はめんくい?(ぉぃ
「近況って・・・・・・」
「霧島とのコトだよ」
「言わなければいけない、義理なんてないだろう」
ぶっきらぼうに俺が答える、なんで、そんなコト答えないといけないんだよ
その様子に、ふむふむと頷いた後に、勝手に話しを進めだした
「・・・・・少し真面目な話しだよ・・・・・・俺はね、まなに捨てられたんだ」
「!?」
水沢さんは、俺が聞く耳を持たないにも関わらず、話しをし出した
「当時俺は、ごく普通の学生だった・・・・・ふと、ある日・・・・・確か雨だったかな、まなが俺の家の前に
立っていたんだよ・・・・・・・、そう、物語はそこから始まる」
丁寧な言葉遣いで、物語調に話しをしだした、うーん、分かり易いけど、じっくり聴いていて好いモノだろうか
「雨の日だった・・・・・・・・、俺がいつもみたいに学校終わって帰ってきた、玄関の前に
傘をさした女の子がいるではないか」
「・・・・・・・」
「その子は、何か怯えたような瞳で、俺を見る。そこで『・・・・・・泊まるところがないんです』と俺に告げました」
「・・・・・・・・・・・・」
「一発で壊れたねヽ( ´ー`)丿」
「!!・・・ま、まて!!なんだ、その壊れたってのは!?」
つっこみを入れる俺、しかし、ヽ( ´ー`)丿な顔をして俺からするりと逃げる水沢さん
「まあ、焦るな・・・・・・・、壊れたってのは思考回路で、まだこの時点では何もしてないさ
まあ、その後何も聴かずに泊めてあげるコトにしたわけだよ・・・・そして、その夜・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・あ、いけね、風呂わかしっぱなしだった、悪い、また今度ね♪」
「!!??・・・ちょ、ちょっと待て!!・・・は、話し済んでから帰れ!!」
盛り上がってきた所で、家の用事を思いだし、さくさくと帰りの仕度を整えて
窓から逃げる水沢さん、それを追うというか、必死に捕まえる俺
「風呂釜、壊れちゃうもん・・・・やだよぅ」
水沢さんが、だだをこねる
「うるさい、で、その夜何があったんだよ!!」
「・・・・・・・また、今度だってば、おら!!」
「あうう」
すがりつく俺を、金色夜叉の貫一のように、足蹴にする水沢さん、・・・って、俺お宮?やだなぁ
とか、考えてるうちに、窓からいなくなった・・・・・断末魔が聞こえない所を見ると
どうやら今回は、着地に成功したらしい
「・・・・・・・・・・気になるじゃないか・・・・・」
一人で、ぶーっと顔を膨らませる俺・・・・どうも、完全にあの人のペースだが
気になるモノは仕方ない・・・ああ、うやむやするなぁ・・・・・おもむろに、携帯を取り出して
電話をかける
とるるるるる・・・・・・・・とるるるるるるる・・・・・・かちゃ
「はい、当利ですが」
「窓を開けてみろ」
ぴっ・・・・・・・・・、一言告げて電話を切った、続いて部屋に隠してある弓矢をとりだす
かららららら・・・・・・・・・外で、当利の部屋の窓が開いた音がした、すぱん!!!!
俺もかつて弓使いと呼ばれた男、はずすわけがない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日、当利は休みだった、まなと色々と話しをする、みなつきさんの近況を聴くという形だ
「あうう・・・・どうしましょう・・・・・心配で、寝ていられないんです」
まなが、疲れた顔をして相談に来ている、そうとう重傷だ
しばらくはそっとしておくしかない・・・・とか、色々考える・・・・・・・
けど、まなのやつれ具合も尋常ではない、早退でもさせた方がいいなじゃないかと思うほど衰弱している
うーん・・・・心配しすぎだってば・・・・、幼い子が夜更かしするとこういうコトになるから注意が必要だ
外は雨だ、久しぶりにというか・・・春を告げる雨が降ってきている
「雨か・・・・・・・・・・雨?・・・そういえば、まながやってきた日も雨だったかな」
みなつき先生が、さくさくとテストの採点をしながら、外を見た・・・・・・・
その日も雨だった
「・・・・・はあ、新任の教師だからって、なめられてるのかな僕は(^^;」
一年前のこのくらいの季節のことだ、新任と言っても三年目なのだが、なかなか後から
自分より若い先生がやってくるコトがなく、一番下をキープしている為、どうにも
雑用が多い・・・・一種のいぢめだな、これは(^^;
眼鏡をあげつつ、プリントの作成にいそしんでいる
「・・・・・・みなつき先生・・・・あの、課題のプリントを・・・・」
「?・・・・ああ、確か、杉本くんか・・・・ありがとう、そこに置いておいてくれ」
汗を拭いつつ、まだまだ、若々しさ溢れる熱血教師ぶりをみせている(注:一年前です)
杉本と呼ばれた生徒・・・まあ、後のくろねこ先輩であるが、彼は忙しそうに働く
先生の邪魔になってはいけないだろうと、素早く立ち去っていった
「ふぅ・・・・・・・仕方ない、家に持って帰ってやるか(−−;」
一応、翌日の職員会議用のプリントはあがったのだが、先に持ってきてもらった
課題のプリントの採点が残っているのだ、学生時代のように、学校に泊まり込んで
やるわけにもいかない、それをまとめて、自宅へと帰るコトにした
「・・・・・・・・雨か・・・・よかった、傘持ってきておいて」
ぱさっと、傘を開き、少し駆け足で帰りの道を急ぐ
「しかしなあ・・・・・俺が傘持ってると、たいてい雨なんて降らないのになあ」
自分のジンクスが破られてちょっとくやしい思いをしつつ、ぱしゃぱしゃと水を撥ねて走る
春を告げる雨、寒いというよりは、むしろ冷たいという感じだ・・・この雨が降る度に温かくなる
そう思うと、何かうれしくなる・・・・・・・いつもの道を走り家へと近づく
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・???」
ざーー・・・・、雨の音が回りの静けさを一層際だたせる中、自分の家の前に
一人の女の子がいるコトに気付いた、傘をさして、ぼーーっと立っている
その目は、うちの門を見ている・・・・誰だろう?生徒かな・・・・・
不思議に思いつつ、そこへとひた走る
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
少女は、ぼーっと突っ立ったまま、不思議な雰囲気の子だ、遠くから見た時、生徒かと思ったが
どう見ても高校生ってコトはなさそうだ・・・・小学校・・・・・・4年生?・・いや、もっと下かな
「あの・・・・・・・何か家に用かな?」
職業柄、こういう時の話し方も自然と先生口調になってしまう、少女は驚いた様子で
こちらを見て、じーーっと僕のコトを観察する
「何?」
「・・・・・・・・・・・・・泊めてください」
女の子がにぱっと笑って、僕にそう言った
「泊めてって・・・・・・・えっと・・・・・」
新任教師みなつきは考える、この子は何者なのだろう・・・・・・・・・
1.家出少女 2.近所の子 3.妖怪
3は、ないな・・・・2・・・・・ってのも考えにくい、だいたい、ここの近所には人が住んでるって
話し聴かないし・・・・・ってコトはとりもなおさずこの子は、家出少女か・・・・・・
じーっと、値踏みするように女の子のコトを見るみなつき、おどおどとしてるその様は幼さに輪をかけている
「ダメ・・・・・・・ですか?」
きゅっと、潤んだ瞳で聴いてきた、とりあえず、家出少女なら保護してやるのが最良の策であろう
まあ、話しは後でも聞けるしな、家にあげるか
「いや・・・・まあ、とりあえず、中に入りなさい」
「あい♪」
女の子は、うれしそうに僕の後についてきて、ぱたんと扉を閉めた
おろおろしながら、女の子は僕の後をついてくる、一旦居間に通して
座らせておくコトにした、適当に着替えて僕も戻る、さて
「・・・・・えっと、どっから来たの?」
「はわ!?・・・・じ、尋問ですか!?」
じわっと、おっきな瞳に涙を浮かべた、ぐわわ(^^;、あ、扱いにくい・・・・
「いや・・・・ほら、何も知らないから、気になってね」
「・・・・・・・・・・・・北海道です」
目をそらしながら、そう言う、僕の教師としての三年の実績がモノを言う、この子は
嘘をついている、きらりと、僕の眼鏡が光る
「・・・・・うーん、北海道か大変だねえ、こんな内地の真ん中になんて」
「はい・・・・・でも、飛行機ですぐでした・・・・・・・」
もじもじと答える、作り話にしては、上手すぎるな・・・・ふむ、北海道出身なのは確かか
「えっと・・・・・明日はどうするつもりなのかな?」
「・・・・・・・・・・・・決めてません」
「そうか・・・・じゃ、しばらくいるといいよ」
驚いた様子で、僕の顔を見たあと、うるうると泣きついてきた、そしてまあ、色々と
話しを聴いたわけだ・・・・今、思えば懐かしい・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「結局まなって・・・・家出少女じゃあないんだよな・・・・・ふむ」
採点を一通り終わらせて、んーーーっと身体を伸ばす、まだ、外は雨が降っている
「雨なぁ・・・・・・・・・まなが、来た日か・・・・・??・・・まて・・・よ」
ふいに、脳裏に一つの場面が浮かんですぐに消えた
「・・・・・??・・・・・雨・・・・・・・なんだ?・・・僕の記憶になにか・・・・」
ぐるぐると何かが、頭を駆けめぐる、ああ、シリアス路線(ぉぃ
ぴしゃ!!!・・・・どごごごごご・・・・・・・
春雷が、すさまじい音をあげて、空を引き裂かんとしている・・・そして、思い出す
「い、いかなきゃ・・・・・・・空き地に」
先生は、何を思い出したのか、次回を待て!!(路線今までと違うぞ、おい)