夢を見るようになった・・・・・・・あの絵が、俺を悩ませる夢だ
あの絵の中のまなが、俺に笑いかける、でも、とても寂しそうに・・・俺はいたたまれなくなる
なんだろう、むやむやしたこの気持ち・・・・誰なんだろう、あの水沢という男は・・・・

「お兄ちゃんは・・・・・とても、大切な人です・・・先輩」
「え?」
まなが、ふいに俺に話しかけてきた・・・恥ずかしそうな笑顔でそう答える
「お兄ちゃんのコト・・・・わたし・・・・・」
「・・・・なんだよ、いきなり・・・・」
うつむくまな、ふいに現れる、水沢という男

「君じゃ、ダメなんだよ・・・・・君では」
「何、わけわかんねーコト言ってんだよ・・・・・・」
「まなは、僕のモノなんだよ」
にやりと、いけ好かない笑顔を俺に向けた、もう、限界だった

「ぐああああああ!!!!!!」
どかばきばきばきがんがんどこどこ!!!!!!
「ぐぉぉぉおおお・・・た、高馬!!・・・てめぇ、人の寝込み襲うたぁ、どういう了見だぁ!!」
「は!?・・・ゆ、夢?・・・・ふぅ・・・」
「何一人で落ち着いてんだ、こらぁ!!!」
どかばきどかばき・・・・・・・・・
「当利、高馬・・・・二人とも、廊下行ってろ(怒)」

どうやら、二人揃ってぐっすり眠っていたのだが、俺が夢にうなされたついでに
当利に攻撃を加えてしまったらしい、多段攻撃で寝込みの無防備な所を襲われた
当利が、怒り狂い俺に飛びかかってきた所、先生に叱られたと、まあ、よくある
学園風景だ・・・・廊下に立たせるなんて、今時するのかよ・・・(−−;

「お前、最近おかしいぞ・・・ったく、まなちゃんと妙なコトしようとか考えてるから
そういうコトにだな・・・・」
「殴られたいのかお前は(怒)」
今の俺は、それどころじゃない、まなとの関係が云々というコトよりも、水沢という男と
まながどういう関係なのか・・・名字を見る限り明らかに、実の兄妹ではないのだろう
そして、怯えたようなまなの接し方、あの絵・・・・謎が多すぎる

「・・・・・・・うわ、だっさーー・・・今時、廊下に立たされる人なんて・・・」
「ああ、あ〜る子さん!!、ち、違うんすよ!!このバカが・・・」
「・・・・・・??どうしたの?わーふさん?」
一生懸命弁明している当利を全く無視して、俺に話しかけるあ〜る子さん、当利死亡

「いや・・・その、あ〜る子さんて絵描くんだね・・・・」
「え・・・・・あ、うん・・・結構ね、マジで描いてんだ」
ふいに照れたような顔を見せるあ〜る子さん、当利の萌え度3割り増し(笑)
「ほほう、あ〜る子くんは絵を描いてるのか・・・・」
「あ・・・・ん・・・・せ、先輩辞めてくださいって(^^;」
「かわいいね、その反応」
くろねこ先輩が突然やってきた、最近思うのだが、先輩ってどういう人なのだろう
「高馬くん・・・・・ちょっといいかい?」
「え?」
ふと、俺に声をかけてきた・・・・まあ、放課になったわけだし、もう立ってなくていいしな

俺の横で当利の怒りメータ上昇♪

嘘級生〜はてさて、展開考えろよな〜

「・・・・・・先輩って屋上好きですねえ・・・・」
俺が世間話から入る、いつになく真剣な顔をして、俺をここへと連れてきた
なんだろう、話しって・・・・・・まさか、告白じゃ・・・・(−−;
「まなちゃんと最近はどうだい?」
「あ・・・え?・・ああ、ぼつぼつですよ・・・・はい」
照れながら俺が答える、ふむふむとそれに頷くくろねこ先輩
屋上のフェンスを背中にして、俺に話しを始めた

「・・・・・・・・水沢京一という人を知ってるかな?」
「!!」
「その様子なら、会ったコトもあるんだろう・・・・・・でも、何も知らないんだね」
先輩は何か知っているようなそぶりを、俺に見せる・・・・・不安が・・・たまっていた
何かが一気に俺を壊した
「先輩・・・し、知ってるんですか?・・あの男が何者か・・・まなのなんなのか・・・」
急くあまり、語調が強くなってしまった、けど先輩は意にも介さないで俺の方を見ている

「水沢くんは、僕と同い年・・・・・何をしてるのかは僕も知らない・・・・昔、とある女性のコトで
一緒に色々としていたコトもあったんだが・・・」
「先輩・・・・知り合いなんですね」
「まあ、そういうコトだね・・・・・・・・でだ・・・・・」
先輩が間を置く、屋上のふきっさらし、寒いはずなのに、俺にはその感覚が抜けている
先輩が話すコトに注意深く耳を傾ける

「まなちゃんはね・・・・・・・・みなつき先生の所へ行く前、彼の所にいたんだよ」
「!!!」
「でも、北海道じゃない・・・・・・・まなちゃんが、北海道にいたのはもっと前の話しらしい・・・」
知らない事実がつきつけられる・・・・・、だんだんとわかっていたと思っていた、まなが消えていく
「僕は、まなちゃんがどうしてここに来たのかは知らない・・・・ただ、わーふくんに伝えておきたいことがね・・・」
先輩が動揺する俺にそっと、ささやきかけた、この人は男女問わずに人の扱いが上手い

「・・・・・・・・彼は・・・・まなちゃんを、もう一度手に入れるために来たんだよ」
先輩はそう言って、するりと俺の横を抜けていった、優しい声が俺の耳をくすぐった
思考がものすごいスピードで駈ける
・・・・・・もう一度・・・・やっぱり、前に・・・・・ここに来る前?・・・一緒に住んでたってコトか?
また、手に入れるため?・・・・まなを、さらう?・・・誘拐?・・・なんだ?・・・どうなる??
結局、くろねこ先輩は俺の中枢神経を破壊して、去っていったコトに数十分後気付いた

ぐったりとして、戻る・・・しまった、授業さぼったよ(−−;
しかし・・・・いったい、何が起きて、どうなろうとしているのか、皆目見当もつかない・・・・
多分、書いてる奴もそうなのだろう(謎)
まず、整理しないと・・・・・・まなは、ずっと前からこっちに居て、ここに来る前には、水沢という男と
一緒だったってコトか・・・・んでもって・・・・・・・・

「高馬くんだね・・・・」
「悪い今忙しい・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・失礼だが、まなとは?」
「!!!・・・・・・み、水沢京一!?」
俺が振り返る、急にあの男が現れた・・・っていうか、学校に無断で入ってくるとはなかなかの強者だ
「いきなり、フルネームで呼ばれるとはな・・・・」
困ったような顔で、頭をわずかにかく・・・・ぱっと見た所、とりあえず邪悪な気配は感じられない
しかし、油断ならないのは確かだ・・・・・

「何か?・・・・・というか、色々と聞きたいコトがある」
「質問を質問で返すモノじゃない、まずは、僕の問いに答えて欲しいな」
水沢が、俺にそう言う・・・・・プレッシャーのようなモノをかけてきている・・・負けられない
「まなと、俺は・・・・・・・・」
まなと俺は・・・・・一瞬俺の答えに間が開いた、本当に刹那・・・・
「そうか、いや、いいよ・・・・・・・・・・・・」
その極わずかの隙間に、水沢の声が入った・・悔しいくらい綺麗な笑顔だ・・・・
即座に返答出来なかった自分に腹が立つ・・・・というより、まだ割り切っていないのか、動揺しているからなのか

「で、僕に聞きたいというのは?」
水沢が俺に聞いてきた、心の中で呼び捨てにしているが、とても素敵な人という印象を与えてくれている
くろねこ先輩の知り合いというだけに、何か一緒の匂いがする
「・・・・・・・・・まなとは・・・・どのような・・・」
俺がごくりと、相手に聞こえてしまうのではないかと心配したくなるほど大きく喉を鳴らし聞く
「まなとは・・・・・・そうだなあ、強いて言うなら、竜之介と唯・・・いや、浩平と繭・・・・でなくて、浩之とマルチ・・・・
んー・・・・・・・ま、絵描きとモデルと、しておこうか」
一瞬にして、多数の関係を俺の前に提示した、この男とまなのコトはわからなかったが、一つだけ確実なモノを見つけた
・・・・・また、掴みにくいキャラだ(−−;、しかし提示された関係も、一つとして同一の関係ではない

「ま、また、おいおい会うコトになるんだろうね・・・・・そろそろ、僕はバイトでね」
そう言うと、俺に背中を向けた。というか、何しにこの人はここにいたんだろう
「あの・・・・・」
「??」
「い・・・いや・・・・・なんでも・・・ないです」
突然声をかけて止めてしまった・・・・何かを聞きたかったのだが、何かがなんなのかわからなかった
「・・・・・・・・・まなを・・・・・僕が連れて行くことは君にとって苦痛なのかな?」
「!!」
びくんと、俺の身体が反応した、まなを連れていかれる、これに対する正直な反応だ
ばっと前を見る、しかし視界に水沢を捕らえることはなかった・・・・・どうやら、窓から逃げたらしい(−−;

窓の外から、何か「うわあああああ、ここ二階だったのかぁぁ・・・」という声がだんだんと小さくなっていくのが
聞こえた、どさりという鈍い音に続いて、がしゃがしゃとフェンスを揺らす音が聞こえた・・・・ともかく颯爽と去っていった

授業が終わり、俺はこそこそと教室へ入り、帰りの仕度を整えてまなの所へ向かった
途中で、二階から何者かが飛び降りて地べたをのたうち回っていたという噂が流れていたが
俺のせいではない、まなを迎える、いつもと変わらない、のへーっとした顔・・・・この子に何があるのだろう・・・・

「いきましょう、わーふ先輩」
「ああ・・・・・・・」
一緒に仲良く歩き出す、もう、二月も終わる頃だ・・・・・・
「そういえば・・・・もうすぐ、先輩達卒業か・・・・・・・」
「・・・そうなんですね、さり姉様ともう、会えなくなるなんて・・・うう」
季節に促した会話をする俺達、卒業・・・・そう、進路、将来、最近俺の回りを静かに騒がせている
単語がリアルに姿を表す季節だ・・・・そういえば、先輩達はどうするんだろう・・・・

「でも、変わってますよね、この学校・・・・・まだ、三年生学校来てるみたいですし」
「・・・・そう言えばそうだな・・・・うーん、まあ、楽しいからいいけどな」
「先輩達はどうするんでしょうね・・・・・」
まなも、どうやら俺と同じ所が気になっているらしい、そう、先輩達の進路というよりも
二人の仲は、二人のこれからは・・・・・・・普段から付き合っていないと公言しているが
端から見ればあの様子・・・・本当の所はどうなんだろう・・・ちょっと気になる

「・・・・・・・・あう、雪・・・・・・・」
「え?・・・・あ、本当だ・・・・・・・・・・」
ちらちらと粉雪が舞ってきた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「雪だね、くろねこくん」
何かを懐かしむように、くろねこ先輩が空を見上げる、その姿を少し離れた所から見守っている、さり姉
「卒業だね・・・・・・・・」
「うん・・・・・・・・卒業だ」
二人は、普段と変わらない会話を続けている