「いやぁぁ!!!、だ、誰・・・むぐ!!」
「大人しくしろやこのアマぁ!!」
ばたばたするあ〜る子だが、男どもに囲まれ口をふさがれた
必至に抵抗を見せるが、それもむなしく男どもがいいように身体の向きを変えだした
「!!!ーーー!!!〜〜〜ーー!!」
口をふさがれ声の出ないあ〜る子、嫌がる女の子にやたら萌える
男ども、はぁはぁと荒い息づかいで、あ〜る子の身体にイタズラを試みようとする
がずがずがず!!!
「って、このアマまだ、そんな力が・・・・・!!」
「ああぁ!!だ、誰か助け・・・・・あう!!」
一瞬の隙を見て、あ〜る子が秘孔をついて、一人を立てない身体にしたが
また押さえられて、再びピンチとなる
「そこまでだ!!!」
急に電信柱の上から凛とした声が響いた、正義に満ちあふれた力強い声だ
・・・・・・が、男達はそれどころではないらしい、一生懸命、あ〜る子に手を出そうと
躍起になっていて、気付きもしない
「そこまでだってば!!!」
電信柱の上の声がもう一度言うが、気付かない
「いやぁぁぁ・・・・あぐぅぅ!!!・・・・!!!−−−!!」
むなしくあ〜る子の奇声だけが時折聞こえるだけだ
ぱんぱんぱんぱん!!!!
「ぐあ!!い、いてぇ!!・・・・って、だ、誰だ!!!」
電柱の男は、しびれを切らして頭上からガスガンで男どもを撃った
ようやく気付かれる男・・・っていうか、いいのかそれで
「ふん・・・お前達、醜くってよ!!」
なぜか、おねい言葉でそう告げると、電柱から飛び降りた、ちなみに凄い高さだぞ
「!!!!!な、なんだお前!!!!」
男どもがものすごい野太い声でそう叫ぶ、そう、降りてきた男は・・・いや、男かどうかも
わからない、そのいでたちは、ピンクのくまなのだ
「ふん、正義のピンクのくま・・・・・・・・・アーリーバードとでも呼んでもらおうか・・・」
男の声で、愛くるしいピンクのくまは喋る
「あ、アーリーバード??・・・・な、なにも・・・」
「成敗!!」
ずがずがずがずが!!!!
「ぐああああ!!!!」
男どもが台詞の途中でやられる、決して手抜きではない、それほどにこのピンクのくまが強いのだ
一瞬にしてやられてしまう、男ども、解放されるがまだ状況のつかめていないあ〜る子
「大丈夫だったかい?」
くまが笑顔をみせている(ように見える)
「!!・・・・・い、いやぁぁぁあああああ!!!!!こ、来ないでぇぇ!!!」
ま、当然である
嘘級生〜ペケじゃありません〜
「おいおい、・・・・って、そうかバイトの帰りだからな・・・このいでたちでは・・・」
くまが、こりこりと頭をかいている動作をするが、着ぐるみを見るかぎり
拳を振り上げているようにしか見えない
「・・・な、な・・・な、何をするつもりなの・・・・・」
怯えた目で、くまを見るあ〜る子、困惑する正義の味方アーリーバード。
そこへ、やや離れた所から、地響きが近づいてきた、どどどどどどど
「・・・どうやら、お迎えが来たようだね・・・・じゃあ、お嬢さん♪」
そう言い残し、颯爽とピンクのくまはおつかい・・・去っていった
「あ、あ〜る子さん!!!!・・・な、なんだ今のピンクの奴は!!」
「・・・・・・うう、こ、怖かったよぉ・・・・・」
腰をぬかしてるらしく、へこたれているあ〜る子、当利がゆっくりとあ〜る子を保護して
とりあえず、家へと連れて帰った
「ごめんね・・・・って、もう、治ったんだね♪よかった・・・」
「あ・・・、色々迷惑かけちゃったからね・・・・ごめんよ」
何か、お互いが謝っているという奇妙な会話、今は、当利の家だ、今回はいつもの逆
あ〜る子が、こたつに座って、当利が台所に立っている
TVはゴールデンタイムで、あ〜る子の趣味により、ためしてガッテンがついている
「あー、やっぱ、あたし手伝うよ・・・・っていうか、あたしやるよ」
あ〜る子が、テレビに飽きたのかそう言って台所へと侵入してきた
「いいよ・・・俺の一人暮らし演習なんだから・・・」
「変なコト言ってないで、ほらほら・・・だいたい、一人暮らしなんて始まってしまえば
長いんだから、別に一日や二日練習したって何一つ役に立たないってば」
と、言うと、さくさくと手慣れた手つきで台所をいぢりだした、どうやらここ数日の間に
台所における情報知識は、当利を越えたらしい
ぱたぱたと急いで、持ってきたらしいエプロンを身にまとう、そして
鍋を持って、忙しくあちこちする・・・
(・・・え、エプロンか・・・・・・・また、これがなんとも・・・・)
「当利くん、邪魔!!」
「うわ!!ご、ごめんなさい」
女の子のエプロン姿なぞなかなか、見られるモノではないと、しんみりしていた所
邪魔モノにされてしまう、仕事を今日も奪われてしまう、がここで引っ込むわけにはいかない
「・・・っと、俺だってねえ・・・」
「ああ、ちょっと、いきなり出てくると・・・・もぉ・・・・あ、醤油とって」
と、二人並んで台所に立つコトとなった、後ろ姿が微笑ましい
不格好に、台所で苦戦する当利、エプロン姿でそれを笑いながらさくさく作業をするあ〜る子
(よく考えてみると、いつも、エプロン姿でお粥作ってくれたり、食べさせてくれたりしてたのか・・・・・)
ふと、昨日までの生活を振り返ってしまう、しかも、今は共同作業中だ・・・ふむ
かちゃかちゃと、食器をならしながら、食事の仕度が進む
「・・・・・・あ〜る子さん・・・どうして?」
「??・・・・・だって、倒れてたんだもん、ほっとけないでしょ・・あたし、そんなに冷血な女じゃないし」
意に介した風もなく、どきどきする当利と全く逆に冷静な答えをかえすあ〜る子
「よくよく考えると、なんで、あの日来たんですか?」
じょわわわーーーー、鍋が何かを吹いた、慌てて火を弱めるあ〜る子
「いや、一人だって言ったから・・・・・・」
「・・・・・高馬に会いに来たんですか?」
じゅわーーー・・・・じゃわじゃわじゃわ・・・・、あ〜る子が景気良く、フライパンを操る
「そうだよ・・・・あたし、まだ諦めてないからね・・・・・」
「そうっすか・・・・・・難しいですよ、あいつ、まなちゃんにどっぷりみたいだし」
じょわー・・・料理が仕上がった、ぱくぱくと二人で向かい合って
コタツでご飯を食べた、それっきり、深い会話はなかった、上辺だけで楽しい会話をして飯が終わった
「さ・・・て、ご飯も終わったし・・・・そろそろあたし、行くね♪」
「あ・・・・・・・うん」
当利が、一瞬何かをためらった後、玄関まで連れる
「じゃ、一人暮らし愉しんでね♪、邪魔してごめんね♪」
ぴらぴらっと手をふって、玄関に手をかける
「・・・・・・今日、泊まってきませんか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もう、外も暗いし・・・・・・・・・・」
「ダメだよ・・・・・・・一人暮らしするんでしょ・・・・行くね、ばいばい」
ぱたむ、扉が閉まる、もうあ〜る子はいない
もぞもぞと、コタツに戻る当利、何かを考えるように眉間にしわよせる・・・・
「〜〜〜〜〜〜〜ーーー・・・・ったく、俺って・・・まぁた、玉砕かよ」
がばっと、そのまま、後ろに倒れた
やっと、一人暮らしが始まった・・・・・そう、一人が
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あれ?あ〜る子さん??・・・どうして、当利の家から?」
ふと、当利の家の玄関が開いたかと思ったら、あ〜る子さんが出てきた・・・
なんだろう、どうして、エプロンつけてるんだろう・・・・色々と、考える俺
「あ、わーふさん♪・・・ああぁん、会いたかったよぉ♪」
と、発見されるや否や、飛びかかってきた・・・・相変わらず元気だなあ(^^;
「どうしたの?なんで、当利の家から、エプロンで?」
「え?」
あ〜る子さんが、俺の問いに一瞬止まった・・・なんだろう・・・
すると、突然うつむいて、顔を赤らめる
「そ、そんな・・・・・べ、別になんでもないよ・・・・・」
きゅっと、エプロンの裾を握る・・・困ったような眉毛にやや笑顔・・・って
な、なんだこの雰囲気は、ま、まさか当利の奴(−−;;;
「なんてね・・・・変な想像しないでね」
「え!?」
心を見透かしたように、つっこみをいれてくるあ〜る子さん、どうやら違ったらしい
「風邪ひいてたじゃない・・・だから、ちょっと身の回りの世話をしてあげたの」
「へー・・・じゃ、ここん所毎日だったんだ・・・その割に全然会わなかったね」
(それは、あたしが、会わないようにしてたからだよ)
「ん?」
「なんでもないよ・・・それより、なんでこんな時間に制服でいるの?」
あ〜る子さんが俺に聞いてきた
「あ・・・んと、・・・その」
「また、まなちゃんかぁ・・・この、幸せものめ」
あ〜る子さんが、多段肘打ちを浴びせてくる、痛い痛い(^^;
「いや・・・そ、そのねえ」
「もぉ・・・・なんだか、その割に煮え切らないんだよね、二人って・・・」
「・・・・・・そう見える?」
「うん・・・どうせ、まだキスもしたことないんでしょ」
図星である
「アタックがんがん、してかないとダメだよ・・・・そういう点では、当利くん強いんだよね」
あ〜る子さんが、俺にそう言う・・そうか、押しの強さがいるのか・・うーん
「当利か・・・・本当の所、当利のコトどう思ってるの?あ〜る子さん・・・」
俺が真面目な顔して聞く、あ〜る子さんは、一瞬目を大きくした後、俺の目を見て笑う
「好きだよ・・・・・ああいうひと」
意外な答えだ・・・・好きなのに・・・どうし・・・・いや、色々とあるのかもしれない
「・・・・ここで、色々聴かない所が、また、わーふさんの優しい所だねえ」
しみじみと、前屈みになって俺の顔を見上げるようにあ〜る子さんが言う
エプロンをはずしてるようだ、手を後ろにまわして、器用にほどいている
「・・いや・・・・・うん」
「今はね、あたしがダメなのよ・・・・わーふさんのコト好きだったのに、すぐ転ぶわけには
いかないのよ・・・あたしが勝手に決めただけなんだけどね」
返答に困る俺など気にした様子もなく、そう言った
「なんて、ま、先のコトなんてわかんないから、別にいいのよ、いい男いくらでもいるし♪」
と、あ〜る子さんが俺をばしばしと叩いて、歩いていった
「いたたた・・・・じゃ、あ〜る子さん」
「うん、また、学校でね♪」
ぴらぴらと手をふって、ここで別れた
「先のコトか・・・・・・・・・・・・・」
そして俺も、自分の家へと帰るコトにした