『先輩、先輩♪』
「どうした?」
『えっと、クリスマスって予定ありますか?・・・』
顔を赤らめるまな、うーんと、考える俺・・・・って、そういえば当利と遊ぶような
「確か、あ・・・・・・・・」
『はわ!?』
急に涙目になるまな、今にも泣き出しそうな雰囲気だ・・・・っておいおい(^^;
『お、お、女の人とのお約束ですか?・・・・あうぅ」
小さな声で、そうやってうつむき上目遣いで聞いてきた・・・か、かわいいぞぉう
ってそういうんでなくって、んと・・・・
「い、いや・・・・当利と遊ぼうかって話があるだけだよ」
『あや・・・当利先輩とですか・・・・♪じゃあ、当利先輩も一緒に、家に来ませんか?』
「ん?なんか、やるのか?」
『えっと・・・・わ、わたしのて、て、て、手料理が・・・・で、で、でま・・・・はぅん』
なんでか知らないが、言葉途中でオーバーヒートするまな(^^;
へろへろした身体を受け止めてやり、声をかけてやる
「そうか、じゃ行くしかないな・・・愉しみにしてるよ」
『ふえ?・・・・・・・あう、が、がんばります!!♪』
やけにうれしそうな顔が、未だに印象深いな・・・・そして、今、俺はまな(みなつき)家へ
向かっている、ふむ、先生も一緒というコトだし、当利の一人くらいおまけがあっても
問題ないだろうな・・・・・・
一方、秋積家
「・・・・・ってなわけで、今年もやろうね♪」
「わい、ありがとさり姉♪・・・ばっちり、予定空けてあるからだいじょぶだよー」
「んー、じゃ、とりあえず家にきてきて♪、電話よりさっさと直でお話がしたいよ」
「おっけ、じゃ、行きますねー♪」
電話を切って、あ〜る子が楽しそうにエプロン片手に家を出る、ぱたぱたと
足音を鳴らしながら、流石に寒くなってきた空の下、秋積家へと移動する
「ふー、やっぱこうでないとなあ♪、うんうん♪」
上機嫌でさり姉の家へと滑り込む
クリスマス・・・・イブなのか、当日なのかは細かいので設定なし(ぉぃ
嘘級生〜クリスマス特別〜
「ちょっち早く着きすぎたかな・・・・・ま、いいか」
俺が、まなの家の前に立つ、約束の時間より少々早めだが
問題はないだろう、当利の奴とは現地集合というコトで、別々に来たのだが
どうやらまだ、着いてないらしい・・・さて、入るかな
りんごーん♪
「はう?」
「おーい、俺だよ♪」
「あ、先輩♪ちょっと待ってくださいねー・・・・・ぱたぱたぱたぱた」
がちゃ、ばたり
「はうぅ!!」
いきなり、扉をあけはなったかと思ったら、その場に倒れ伏した・・・っていうか転んだ
うーん、まならしい登場だ、俺はうれしいぞ
近づいて、とりあえず起こしてやる、軽い体をふわっと持ち上げて、ぱたぱたとほこりを払ってやる
「あう・・・ご、ごめんなさい・・・・わたしってばもう・・・・」
くすんと、息をつきながら、目をぱちぱちさせて痛みをこらえている
エプロン姿で、若奥様というよりは家庭科の実習中の女の子という感じのまな
なんか、ものすごくかわいいぞ・・・・うーん、持って帰りたいな
「えっと、みなつきさんは、なんか仕事があって、もう少し後になるみたいです」
「お、そうか・・・・当利の奴もちょっと遅れてくるんだよ」
「あう・・・・じゃ、とりあえず上がっててください♪」
奥へと通される
「じゃ、お邪魔しまーす」
「あいあい、そんな他人行儀にしなくてもいいよ♪」
「でも、さり姉のお家だし・・・・・んと、今日はあたしだけ?」
「ぅんにゃ、くろねこくんも来る予定だよ」
しゃかしゃかと何かをかき回しているさり姉、エプロンをつけて、台所に立つあ〜る子
「じゃあ、今年も3人なんですねー」
「そうねえ・・・去年まではあ〜るくんだったけどねぇ・・・」
じゅー・・・フライパンが好い音を奏でる
「・・・・ねえ、あ〜る子ちゃん・・・・さみしい?」
しゃかしゃかしゃか・・・・・
「別になんてコトないですよー、ちょっと一人で住むには家が広くなったり、料理作っても
食べてくれるのが自分だけだったり、暇になったら喋りかける相手がぬいぐるみしかいなかったり
するだけですしー、問題ないです♪」
「・・・・・・それを、寂しいというのでないかな(^^;」
ざくざくと野菜を笑顔で切り続けるあ〜る子に、つっこみを入れるさり姉
「・・・・・あたしは、寂しいよ・・・・」
そっと視線を落とすさり姉、それを見て驚くあ〜る子
「な、なんで?・・・あんな小うるさい奴・・・・・」
「いなくなると分かるのよね・・・・はぁ、なんてったって食堂の席とっておいてくれる人いないし
注文とってきてくれる人いないし、つまんない時の手頃な話相手もいないし、お使い頼むコトも
出来ないし・・・・・・・」
「・・・・・・・それは、寂しいというより面倒というのでは?(^^;」
一層悲しさ溢れる目を宿すさり姉に、つっこみを入れるあ〜る子
「えっと・・・・俺はどうしてればいいかな?」
とりあえず何をすればいいかもわからず、こたつの部屋へと通された俺
「あう、何もしなくても好いですー、あたしがちゃちゃっとやっちゃいますから」
と、エプロンふりふりまなが、台所へと向かった・・・・・って女の子の部屋で
俺にどうやって暇を潰せというのだろう・・・うーん、なんか手伝いにいこう
ういせっと腰をあげて、台所へ向かう・・・・まなが鼻歌まじりに、てきぱきと下ごしらえ
に精を出している
「・・・・・・・・って、すごいなまな」
「ふえ!?・・・・あ、だ、ダメですよ、まだこっち来たら・・・・・」
あわてて、まなが俺の方へと駆け寄ってきた
「いや・・・・暇を持て余しててさ・・・・なんか、手伝わせて欲しいけど・・・これは
下手に手を出すと失敗してしまいそうだな」
ものすごく丁寧に作られた色々なモノが、ずらりと並んでいる、だいたい後は
火を通すだけで食べられるようにはなっているが・・・すごいな本当に(^^;
「あ、あんまり見ないでください・・・なんか恥ずかしいです」
「なんで、恥ずかしいんだよ・・・・すごいじゃないかよ・・・・・よく、その小さな手で
こんなモノ作れるなあ」
感嘆の声を上げる俺に、ますます顔を赤くするまな、小さな手をもじもじさせてる仕草なんか
その手の人にはたまらない光景だろう・・・・俺は・・・・まだ、大丈夫だな、うむ(謎)
「っと、しかし、当利の奴遅いな・・・・何してんだろ・・・」
「そういえば、みなつきさんも遅いです・・・・あう、いつあっためようかな・・・お料理・・・」
時計を見上げる二人、日もだいぶ落ちてきた
「あれ?・・・・・・そういえば、くろねこ先輩は?」
しゃかしゃかしゃか・・・・・・
「あー、くろねこくんにはね、ワイン買いに行ってもらってるのよ」
さくさくさくさくさくさく・・・・・・・・
「ワイン?・・・・・なんか、すっごいクリスマスらしいねぇ・・・あたし、もしかして邪魔だったかな」
「そんなコトないよ、やっぱ、人数多くないと面白くないもん・・・それに、今日はこれだしね」
がたごとがたごと・・・・
「おっきな・・・・・って、わわ!何?今日って、ちーずほんでゅなの?すごいすごい♪」
手放しで喜ぶあ〜る子、あの独特の鍋(?)を誇らしげに見せるさり姉
「もう、これ食べる時は、やっぱワインよねーっとか思ってね♪」
「うんうん、すごいうれしい♪、早く食べたいよ・・・・くろねこ先輩早く帰ってこないかな」
その頃くろねこ先輩は
「えーっと、これでいいかな・・・・ワインなんて、そんなに飲まないからな・・・・」
かりかりと頭をかきながら、ワインを品定めしてる、なんでかしらないが、様になってる
さりげなく、ボトルを手にとり、日にかざして流行りのソムリエを気取ってみる、まわりの
女性客をとりこにしてしまうあたり、流石である
「後は・・・・・・・・・チーズも買っておくかな・・・・っと」
くるりと店内を歩くくろねこ先輩
「・・・・・・・・・・あれ?」
「お・・・・・杉本じゃないか・・・・何してんだ?こんな所で」
ばったり、みなつき先生に会ってしまった・・・・驚く先輩、先生が話しかける
「お、ワインか・・・・・クリスマスだもんな、当然て言えば当然か(^^)」
「そうだ、先生も一緒に来ませんか?今から、さりの家でやるんですよ」
「ん?・・・あー、悪いけど、今日は・・・・」
「何を遠慮してんですか、だいたい保護者がいないと、アルコール飲めないし♪
ほら、先生、一緒に来てくださいな」
「って、お、おい・・・・・仕方ねぇな、別に俺がいなくても飲むくせに・・・・・じゃ、ちょっとだけだぞ」
とか言いながらもうれしそうな先生、家に一応連絡を入れるコトにする
とるるるるるるるるるる・・・・・・
「わにゃ!!」
「っと・・・・・・で、電話だよ、まな(^^;;;;;」
いきなりの電話に驚いてしまった(^^;、今、俺とまなが何をしていたかはともかくとして
どきどきする心臓をさておき、まなを電話へ向かわせる・・・ふー、惜しいような危なかったような(謎)
ぱたぱたと、小走りに電話をとりに行くまな、がちゃ
「あい、もしもし、みなつきですが・・・・・・・あう、みなつきさん・・・・はう?・・・
はぁ・・・はい・・・・ふに、わかりました・・・あい、では」
かちゃん☆
「どうした?みなつきさん?」
「あい、なんか残業が厳しくて遅くなるそうなんです・・・あうー、どうしましょうねえ(^^;」
あはあはって顔で笑うまな、うーん、どうしたものか、だいぶ小腹も空いてきたけどなあ・・・
「ま、せめて当利が来るまで待つか・・・・な?」
「あい♪・・・・じゃあ、ケーキの用意しないと・・・・・」
「ケーキ?・・・・って、まさか手作り?」
「当然ですよ、腕によりをかけてみました、お口に合うか心配ですけど・・・・」
横顔がたまらなくかわいい、いそいそと作ってあったらしいケーキを俺に見せてくれる
「すごいな・・・・・・これ、一人で作ったのか?」
「あい」
誇らしげに答えるまな、褒めちぎってしまったのだが、ずいぶんそれにうれしそうな
反応を見せてくれて俺としては、そのちょっとした表情もたまらない・・と、こうなると
いよいよ当利が気になるな・・・・・あいつ、何してんだ?
「当利先輩遅いですね・・・はう」
その頃当利は
「よし、とりあえずアルコールは仕入れたし・・・・後は・・・・・」
「あ、当利くん・・・・・・・」
「え?・・・・つ、坪倉さん」
注文してあったケーキをとりに来たあ〜る子と、ばったり出くわしてしまった
なんとなく気まずい雰囲気になる、二人
「あ!!そうだ、当利くん、あのね・・・お願いがあるんだけど・・・・」
急に女の子ちっくな声で、そっと当利にささやきかけるあ〜る子
「え?・・・な、何?」
照れくさそうに答える当利、そこへあ〜る子がでっかい箱を差し出す
「あのね・・・・・ケーキなんだけど・・・・今からさり姉の家に持っていくの・・・・・でね」
全てを瞬時に理解する、当利・・・・現在、心の中で何かの葛藤が始まっている
『よく考えてみろって、お前今からみなつき先生の所いって、高馬とまなちゃんのコトあてられるのと
あ〜る子さんと一緒にクリスマスを過ごすのと、どっちがいいと思ってる?』
「だ、ダメだよ!!ちゃんと約束は守らないと・・・だいたい、ケーキを持ってくれって頼まれたのって
都合のいい男だと思われてる証拠だろ?」
『違うな、こうやって少しずつの積み重ねが一つ一つステップとなっていくのだよ』
「へ、変なコト言うなよ!!それに、俺がみなつき先生の所にいかないと、アルコールを届けられない
じゃないか!」
『どうせ、モノ届けるんだったら、あ〜る子さん所で好いじゃないか』
かーん、試合終了(意味不明)
「うん、喜んで運びましょう♪、っつーか、俺も混ぜてよ・・・ほら、差し入れのアルコールあるしさ」
「わい、当利くんてば、話がわかるのねー、じゃ、がんがん行こう♪」
「っと、その前に、ちょっとだけ連絡入れさせて・・・・・」
ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ・・・・・・・・
「ふにゃあ!!」
「わわわ!!・・・・・っと、け、携帯だ・・・ごめん、まな」
さきほどに続いて驚く俺とまな、まあ、何をしていたかなんてのは問題にしないが
慌てて携帯に出る俺・・・・・・・・・っち(謎)
「おう、高馬か?」
「なんだ、当利か・・・・・どうした?ずいぶん遅いじゃないか・・・・」
「それがよぉ・・・・・・ちょっと、ごたごたに巻き込まれて、行けそうもないんだ・・・・」
「ごたごた?なんだそれ・・・・・・・・」
「!!!!が、ぐわあああああ!!!、な、何をする貴様!!!ぎやあああああ・・・・ふぉふぉふぉふぉふぉ・・・」
ぶつっ!!
「つーつーつーつーつー・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・?」
「はう?どうかしたんですか?」
「い、いや・・・・なんだか知らないが、当利は今忙しいらしい・・・・・」
気なしか、最後に宇宙忍者の声が聞こえたが、とりあえず今はこちらへ来られないというコトだけ
伝わった・・・・・・・さて、どうしたものだろうな本当(^^;
「ふえ・・・・みなつきさんも遅くなるみたいですし・・・・・先、二人で食べますか?」
うるうると目を潤ませて、まなが聞いてくる、考えてもみればこれだけがんばったのに
客が俺だけではなあ・・・・
「ん、そうするか、俺が先生や当利の分までぶいぶい喰ってやるよ♪」
ぽむりと、まなの頭に手を置いて、そう言ってやった喜んで料理の仕上げに入るまな
「えっと、じゃあ、あの出来た料理運ぶの手伝っていただけますか?」
「おう♪」
楽しい、クリスマスの始まりなのかな・・・・・・・・
「??・・・当利くん、今の電話は何?」
「あ、今のはちょっとした余興だよ、うん、SSのネタがふいに浮かんだから、それを
家の留守録に入れておいたんだ、ごめんごめん」
からりと笑ってごまかしてしまう当利、あ〜る子と二人ケーキを持ってさり家へと進む
どーーん!!(扉を開け放つ音)
「さり姉♪、すぺさるゲストをさらってきたよー♪」
「おや、当利くん♪・・・・・きゃ♪しかも、髭つきなのね(^^)」
手放しで喜ぶさり姉
「どもども、これ差し入れっす、そしてこっちがケーキ・・・・・」
すっかり、とけ込む当利、まなとわーふのために買ったモノを惜しげもなく
自分の身売りに使う、むーん、手段を選ばないらしいな、ふむふむ
「ただいまー、ほら、みなつき先生連れてきたよ♪」
続いて、くろねこ先輩がワインを片手に帰ってきた、後ろににこやかに笑うみなつき先生がいる
「おや、先生もいらっしゃーい、ま、適当に奥の方へ来てくださいね」
いそいそと、場所を確保していくさり姉、てきぱきと幹事ぶりを発揮していく、感心するあ〜る子
ささっと、席が整えられて場が落ち着く
「さて・・・・今日は世間じゃクリスマスなのね・・・・・」
「くろねこくん、それ話だすと長いから、却下ね・・・・・・えっと、では、なんでもいいからとりあえず
クリスマスにかこつけての飲み会スタートでーす、かんぱーい♪」
いきなり、泣き出しそうなくろねこ先輩を早々に退場させてさり姉が音頭をとった
グラスにつがれたアルコールをみんなが、天へと上げて一気に飲む、ついーーっと
空けられていくグラス、参加者みんな大人だからいいんだけどね(違うって)
まことしやかに、さりぱにinクリスマスすたーと♪
「さて・・・・・しかし、結構な量だな(−−;;」
俺は、まなががんばったモノを見てちょっち引いてしまう、確かにめっちゃ美味そうだし
お腹も空いてる、しかし・・・・・それにしては量が多い、ちらりとまなを見ると、期待をはらんだ
顔で俺を見てる・・・・むー、どうやら、まなはそんなに食べるつもりもないらしい・・・・・・
ゆうゆうと、5,6人は呼んでパーティーでも開けそうな量の料理を前に、とりあえず話かける
「っと・・・・・・じゃ、二人しかいないけど・・・始めるか(^^)」
「あい、じゃ、どぞどぞちゃんちゃん食べてください♪」
うれしそうに、俺の皿へと色々分けて乗せてくれる・・・・ああ、なんかうれしい・・・・・
ちょっとした感動を味わいながら、料理に口をつけてみる・・・・あむあむあむ
「はぅぅ・・・・・・・・・・」
心配そうな顔で俺を見つめるまな、愛くるしい顔がきゅっと眉を寄せてかわいさ300%増し
「・・・・・・こ、これ・・・・・むちゃむちゃ美味いな・・・・・」
驚く俺・・・・いや、本音だ、これはマジで美味いぞ。今まで美味いモノなんつったら、食堂の
高嶺の花「ロ風定食(かなり謎)」くらいのモノだったが、それをゆうに勝る代物だ・・・・すごいぞまな
「まな・・・・お前、料理上手いんだなあ・・・・・これ、すっげえ美味いよ♪」
そう言いながら、喋るのも惜しいくらいにがつがつと食べる俺、にぱっと笑顔に光が戻って
うれしそうに目が細くなるまな、あうあうと、まな自身も食べ出した
「ふむふむ・・・・・この、細かい仕事もすごいな・・・食べるのももったいないくらいだな・・・・」
しげしげと、作られたウィンナーを見る、もはやタコさんウィンナーの及ぶ所ではない、何か
とりあえずすごいモノが作られている・・・・こいつは、料理やるより彫刻でも作った方がいいんじゃ
ないんだろうか・・・・・・・
「あうー、喜んでもらえて好かったです♪・・・・ふぃ、いつもみなつきさんは、文句ばっかり言って
褒めてくれないから、わたしてっきり、料理下手なんだって思ってて・・・・」
うつむいて、照れくさそうにそんなコトを言うまな、よっぽどうれしかったんだろうな
しかし、みなつき先生って・・・・うーむ、謎の多い人だ
「くはーーー、このワイン美味しいねえ♪」
あ〜る子がいやに喜んで、がんがんグラスを空けていく、隣で負けじと当利も飲みまくる
「あいあい、お酒ばっかでなくて、食べ物も食べるんだよ・・・ほら、これこれ」
さり姉が、ゆであがったパスタをみんなに分ける、そして上にソースをかけていく
「先生、何がよいの?」
「んとな・・・・じゃ、そのチーズの奴・・・・・・・」
「え!?」
なぜか、一瞬表情が曇る、あ〜る子以外の参加者・・・・なぜ?
「せ、先生・・・・・やめた方がいいんじゃ・・・・・・」
くろねこ先輩が心配そうにそう呟く、それをからりと笑って皿をさしだす先生
「大丈夫だって、そんな喰えないモノおいてるわけじゃないだろ?」
笑顔が素敵なだけに、なお心痛い・・・・・・・・なぜ?
しぶしぶとさり姉も、チーズのソースをみなつきさんに盛りつける、とろとろとほどよく溶けた
チーズの上に、さらに、チーズを上乗せする・・・うーん、すごいモノだ・・・・・・
数分後、先生は沈黙するわけだが、気にもとめずに、飲むあ〜る子
「ほらほら、当利くん♪晩酌してあげるよ・・・」
そんなコトいいながら、ついでくれと一言も言わない当利のグラスにウォトカを注ぐあ〜る子
「おや?日本酒っすか?」
どうやら、酔いがまわってるらしい当利も、気にせずそれを一気にあける・・・何かが終わる
「・・・・・・・・・っと、さすがに喰ったな・・・・・」
どれだけ美味いと言っても、入る量に限度はある・・・・俺もかなり無理をしてしまったが
相当喰った・・・・ふぅ、あれだけあった皿もだいぶ片づいた・・・・・・ぐえー、でも食い過ぎたな
「あう、先輩凄いですね、こんなに食べてしまうなんて・・・・ふえ、みなつきさんや、当利さんの分
なくなっちゃいましたね・・・・・・」
うれしそうにそう言う、まな。あれだけ喜んでくれるなら、無理した甲斐もあったものだ・・・ふいふい
「・・・・ふえ・・・・・・・辛そうですね(^^;、ちょっと横になっててください、わたし片づけますから」
「ぐわ・・・・・すまんな、マジで動けそうもない・・・・・・・・」
どてりと倒れてそのまま動けなくなった俺・・・・・まなに、片づけをまかせてしまって
ちょっと横になってるコトにした・・・・ぐあ・・・しかし、とんでもなく喰ったな
かちゃかちゃかちゃかちゃ・・・・・・・・
食器を片づける音が心地よく耳に響いてくる、ふいに、うとうととしてしまった・・・・・あう、食欲の次に
睡眠欲・・・・・・・うーん、人間らしいな・・・・・・・・・ゆっくりと、目を閉じてしばらく沈黙した
「さてと・・・・・・・あや?先輩寝ちゃったのかな?」
くいっと、わーふの顔に近づきじーっと見つめるまな、そこまで近づかなくてもいいのにって距離まで
顔を寄せる、すーすーと寝息を感じて寝てるのを確認し、毛布をかけてやる
「んしょんしょ・・・・・・あう・・・・・先輩の寝顔って・・・・・・にゃう」
じーっと、寝顔を見つめ続けるまな、興味津々な顔がちょっと赤くなってかわいい
しばらくして俺が目を覚ました
「っと、しまったな・・・・・・・・・・おや?」
毛布がかけられているのに気付いてゆっくりと身体を起こ・・・・・・・・おや?
「まな・・・・・・・・・?」
なぜかしらないが、まなが俺にかぶさるようにして、ぐったりしている・・・うーん、寝ているらしい(^^;
くいっと、首もとをつかんで、持ち上げてみる(ぉぃぉぃ
くたーっとしたリラックスしきった寝顔が、こくりと動いた・・・・疲れてたのかな・・・・・
とりあえず俺にかけられていた毛布をかけてやり、しばらく腹をこなすコトにした
「・・・・・・・・・うう、みなつきさぁん・・・・・僕って結局・・・・・・・・」
「泣くな杉本、そういうコトだってある、お前の場合はまだいい好きだった子は死んだと思った
だけで生きていたんだろ?・・・・俺なんかな好きな人に先立たれてだな・・・最近じゃ、化けて出るように・・・」
みなつき先生と、くろねこ先輩ががしっと、何か熱く語っている
そうかと思えば、向かいの方で泥酔しつつある、当利になぜかつっこみを入れまくってるあ〜る子
「うぐぅ・・・・・・・あ、あ〜る子さん、強ぇぇ・・・・・」
「何言うてんのー♪」
ずばーん♪
「酒にはけっこう自信があったのになあ・・・・・・」
「それは北海道やがなー♪」
ずばーん♪
「俺が酔ったら介抱してくれますか?」
「いい加減にしなさい、君とはやってられへんわー♪」
ずばーん♪・・・・・・・あ〜る子も大暴走中らしい
「ったく、この酔っぱらいどもわ・・・・・・・」
死屍累々と屍を広げる男ども+女一名を眼下に見下ろしつつ、片づけをすすめるさり姉
さり姉、ちゃんとこの様子を想定してかしっかりと、アルコール入れずに働いてる
「はぁ・・・・・・あたしってば、偉いなあ♪」
がばちょ♪
「あん・・・・・ちょ、く、くろねこくん?」
「さり・・・・・・・ダメだダメだダメだ・・・・そんなに働いてばっかりじゃダメだ・・・無理したらダメだって」
なぜか、肩越しに泣かれてしまう・・・・・この酔っぱらいはもー・・・・
さっさと、それを対処し台所へとお皿を運んで、いったん部屋を片づけた
「・・・・・・・あれ?そういえば、わーふくんと、まなちゃんて・・・・・・??」
「はう!!」
がんっ!!・・・・・・・
「っつ!!!!」
「あわわ、ご、ご、ごめんなさいぃぃぃ・・・・・・・ふえええええ」
まなが突然飛び起きたふいをつかれて、アゴを後頭部で思いっきりかち上げられてしまった
「いたたたた・・・・・・っと、大丈夫か?まな・・・・」
「あ、あたしは大丈夫です・・・・あうー、ごめんなさい・・・いきなり寝ちゃってしかも
その上バックヘッド決めちゃって・・・・・」
あわあわと慌てるまな・・・・それを、一応撫でてやって落ち着かせる
「大丈夫だよ・・・・・って、この時間か・・・・結局二人来なかったな」
「あう・・・・・・・残念です・・・・・でも先輩と一緒に食事出来てうれしかったです」
「ん?そうか?・・・・また今度食べさせてくれよ・・・本当、マジで美味いよ」
俺がまなを褒めちぎっておく、本当にうれしそうな顔をして俺に笑顔を返すまな
ふいに、何かに気付いたような顔をして言い出した
「あの、先輩・・・・・・折角だから・・・・・その、お酒飲みません?」
「酒?・・・・・あれ?あるのか?」
「はい・・・・・・・・・みなつきさんがこっそり隠してる秘蔵のお酒が・・・・・・」
まなが、どきどきした視線を俺に向けてきている・・・・・視線からまなの思考を読みとる
むぅ、どうやら、俺と酒が飲みたいというよりは、酒を飲んでみたいという感じだな・・・・
先生と一緒に住んでるから、飲んだコトないのかもしれないな・・・・・・よしよし
「ああ、いいぜ・・・・折角だし、飲んでおくか♪」
「あい、持ってきますねえ」
とてとてとてとて・・・・・・・ぽて
とりあえず、一回転んでから違う部屋へと消えていったまな、ふむふむどんな酒だろうな
とてとてとてとてとてとて・・・・・・
帰りは転ばずに、一升瓶を抱きかかえて帰ってきた、でっかいラベルに「彩つるべ」と書かれている
「これです・・・・なんでも、一月に一本しか売ってくれない貴重なモノらしいです」
と、説明しながらも、さくさく作業をすすめて、気付けばコップに波々と注いでいる・・・・おいおい
日本酒そんなに・・・・・・(^^;
「じゃ、頂きましょう♪・・・・・くぴくぴくぴくぴ・・・」
「って、お、おい!!まな、そんなに一気に飲んだら・・・・」
「ふえ?・・・・・・・・・・・・はふ・・・・・・ふにゃ?」
まなが、コップを豪快に空けてしまった・・・・・卒倒したらどうしよう(^^;
しかし、意に介したコトもなく
「これ、美味しいですねえ・・・・・あう、おかわりぃ」
などと、次を注いでいる・・・・・これ、弱いのかな?
ちびっと、俺も飲んでみる・・・・・口の中に広がる口当たりの酔いアルコールの香り
すーっと溶けるように爽やかな感覚が俺の頭を支配する・・・こいつは、うめぇ・・・・
「ねえ、ねえ、あ〜る子ちゃん・・・・・」
「・・・・・・・は!!さ、さり姉・・・・・あ、あたし今、数十分の記憶が飛んだんですけど・・・」
急に我に返ったあ〜る子・・・声をかけてきたさり姉に、おろおろと視線を向けた
「い、いやいいんだけど・・・んとさ、わーふくんと、まなちゃんどうしてるかしんない?」
「?・・・・・・あ、あたし何も聞いてませんよ・・・・わーふさんのコトなら、当利くんに聞いた方が・・・」
と、当利の方へと視線を向けるが、もはや、もぞもぞと動く髭魔人と化している・・・・むー
期待をはらんで、みなつき先生に視線を向けるが、「わかれうた」を口ずさみながら、酔いどれになってる
こっちもダメくさい・・・・・くろねこ先輩が、ひょこっと立ち上がった
「わーふくんと、まなちゃんなら・・・・・一緒にどっかで遊んでるだろうな・・・多分」
くしゃっと髪をかきあげて、そう言う。何を根拠にそう言ってるかは、わからないがとりあえず当たっていそうだ
「うーん、なんか悔しいなあ・・・・ま、いいか・・・・」
「・・・・ねえ、さり姉♪ちーずほんでゅ食べようよ♪」
あ〜る子が何かをごまかすようにそう言う、そしてコンロに火をともし、死亡した男どもをバックに
二人それを美味しそうに頬張った
「はぁ・・・・・めりーくりすますなのね・・・・あ〜る子ちゃん・・・・」
「そうですねえ・・・・・・ワインも美味しいし・・・・・」
二人会話がかみあってない
「ふぃにー・・・・・違うれす・・・そうじゃないんれす」
「い、いやな・・・・・ま、まななんかさっきから言葉がおかしいぞ?」
「そんなコトないれす、違いまふ、それは、先輩がそういう偏見でわたしを見てるかられす
あう・・・・・・先輩、わたしがお子様だから、お酒で酔ってへろへろになってると思ってるんれすね?
・・・・・・いやれす・・・・そんなに、わたしコドモじゃありません・・・証拠にすごいモノ見せちゃいまふ
・・・・・・ふに、驚きれ鼻血出さないれくらさいね・・・・ほらほら・・・」
と、色々期待させる言葉を吐きつつ、結局、健康手帳を俺に見せるまな・・・
「むーーーー、正真正銘の16歳なんれす・・・大人なんれすよぉぉぉ・・・・ふえええええんんんん」
とうとう、泣き出した・・・・・分かったコトがある、コドモにお酒を飲ませてはいけない(−−;
「ほ、ほらまな・・・ま、とりあえず落ち着け、別に俺はお前がコドモだとか、ロリの線だとか
人形みたいとか、小動物だとか言わないから・・・・・・」
「ふえ・・・・・・誰に会っても、かわいいって言われるんれす・・・嫌なんれす」
な、なんて贅沢な(^^;
「うう・・・・一度でいいから、さりねい様みたいに・・・・きれいって言われたいれす・・・・・」
くてっと、そのままテーブルに頭を乗せて動かなくなった・・・・潰れたのかな?
最後にふっと言った言葉は本音なんだろうな・・・・どうせなら、俺が言ってやるのが・・・・
すーっと、耳元に近づいてやる・・・・すーすーと寝息をたてて、赤くなったほっぺたと耳が
ぽかぽかと火照っている
「まな・・・・・・・・・・・・」
そっと囁いてやったら、ふみゅ?って顔して、眉をきゅっと寄せた・・・・・か、かわいい・・・こ、こ、これは・・・
落ち着いて今の状況を考えてみる、女の子と二人っきり、片一方は酔いつぶれている、んでもって
俺にもアルコールが入っている・・・お互い好意があるわけだし・・・・き、き・・・・・くらいならいいかな?
よこしまな考えがもやもやと俺の頭によぎる・・・・むむむ・・・見城の奴の性格が伝染ってしまったか?
落ち着け俺・・・・アルコールの勢いでってのはとりあえずまずいしな・・・・しかし・・・・こ、このシチュエーションで
何もしないで、男と言えるだろうか?・・・・・・・・
「ふえ・・・・お腹いっぱい・・・・ごちそうさま、さり姉♪」
「うん・・・いかったね♪・・・・・っと、問題はこの邪魔な死体をどうするかだねえ」
やれやれと、ごろごろと掘り出された芋状態の男三人を見る
辛うじて、意識があるのか当利がもぞもぞと動いているが、やはり、あ〜る子に無理矢理飲まされた
ウォトカ駆けつけ三杯が効いたらしい(駆けつけたわけじゃありません)
「うーん、とりあえず吐く人いないからよかったねえ」
「あい・・・片づけもとりあえず終わったし・・・・・どうしましょう?」
「いいよ、今日はみんなとりあえずここで毛布かけて寝かせるから・・・・あ〜る子ちゃん帰ゆ?」
さり姉が、気を利かせて聞くが、さらりとそれを否定するあ〜る子
「いいえ、折角だから、みんなと一緒でいますね・・・いい?さり姉・・・・」
にこっと、笑って頷く、そして二人でいそいそと転がる男どもに毛布をかける
そして、二人もその近くにあったソファーに腰を下ろして、目を閉じた・・・・・
すうーっと眠りにつくあ〜る子、久しぶりの人のいる家で寝るという感覚に、ただただうれしく
思い意識はたやすく夜に溶けていった
「あ〜る子ちゃん・・・疲れてたのね・・・・・ふぅ」
さり姉は、くしゃっと髪をかきあげた後、そっとくろねこ先輩の顔をのぞいて、何事か呟いた
後に、一本取り出しすーっと、一服した・・・・・・ふーっと吹いた煙がまっすぐに伸びて
うやむやと、天井付近で散った・・・・・・
「さて・・・・・・おやすみ・・・・・めりーくりすます、みんな♪」
ぱちん☆
秋積家・・・・少々早いが消灯
「・・・・・・・・・・・・・・・で、結局何もしないんだな俺って」
かりかりと、アゴをかいて、なはなはと自分自身のコトを笑う俺
そう、あれだけのチャンスと時間がありながら、何もしないで眠るまなに、毛布をかけてやって終わった
そして、自分も毛布をかぶって、眠る・・・・電気を消して・・・・・・おやすみだな
「・・・・・・・・・・・・まな、おやすみ、めりーくりすます」
ぱちん☆
消灯と同時くらいに、俺も意識が遠のいていくのが分かった・・・ようやくアルコールがまわってきたらしい
ふうふう、やっぱ、飲み過ぎてたかな・・・・くあ・・・・・明日二日酔いかな・・・・・やれやれ
・・・・・・・・って、ここみなつきさんの家じゃ・・・・・・ま、いいか、この際・・・もう・・・・・・・
消沈
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「先輩、ありあとれす・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とりあえず、皆様めりーくりすます♪
クリスマスに発見されるかな(^^;by作者