保健室・・・・・・学校において、なんとも意味ありげな響きのある教室
こでは、主に校医の先生がいるものであるが、この学校の校医の先生は
どうにも身体が弱い人で、開店休業状態である、それを生徒も知ってか
勝手に入って、薬を使うし、ベッドで眠る(笑)
そこに、今は二人の、女の子がいる。一人はぐったりと、ベットに横たわり
もう一人は、それを心配そうに見つめながら複雑な表情を浮かべている
霧島まなと坪倉あ〜る子、この二人だ
現在時間は、授業が終わり放課後、みんな下校または、部活にいそしんでいる
運動場からは、楽しそうな声が聞こえてきている
「はーー・・・・・こういう子がタイプなのか・・・・・」
ふっと、寂しそうに呟くあ〜る子
「・・・・・・・・本当に、ロリじゃないの・・・・うー、あたしじゃダメかぁ・・・」
じっと、自分を見てまなと比べる
「私だって胸もおっきくないし、顔だって割と童顔だと想ってたけど、これには
かなわないなあ・・・・うー、なんたって、未成熟って感じだもんなあ」
酷く危険性を秘めた単語をそっと、口にするあ〜る子
ぼーっと、その顔を見つめている、ただ、その顔を見ていると
かわいい・・・・そう、素直に言いたくなる、そういう寝顔を見せてる
「・・・・・・・・・はぁ・・・・・わーふさ・・・・!!!」
がばっ!!
「少し痩せたかい?」
いきなり、後ろから抱きつかれて、耳元に甘い声で囁かれた
「あ・・・・・・・」
「それは、悲しい恋をしてるから?」
「・・・・・・ん・・・・どうして、そんなコト言うの?」
後ろから抱きついた男が、そっと、あ〜る子の顔をなで上げて言う
「涙の通り道にほくろのある女性は、恋に泣く運命にあるってね・・・・」
「・・・・・・・ふぅ、相変わらずですね、くろねこ先輩」
嘘級生〜この始まりは、ウケ悪いな〜
「あたし、別に顔にほくろないですよ・・・・・さり先輩に言いつけますよ」
「ま、お約束だよ・・・・・それより、どうしたの?保健室なんて似合わない所で」
どれどれと、くろねこ先輩がのぞきこむ、そして、ベッドに横たわる「まな」を見て呟く
「うわー・・・・・・・なんだこの、愛くるしい小動物は」
「酷いですね(^^;」
うわーって、顔してくろねこ先輩を見る、あ〜る子
「・・・・・この子が、さりの言ってた、かわいい後輩か・・・・・」
「え、さり先輩知ってるんですか?」
「ふむ、なんでも、高馬なんとかって子と、一緒にいるって話さ」
それを聞いて、また、わずかにかげるあ〜る子
「・・・・・・・・・・う・・・・・・あれ?」
ふと、まなが目をさました
「こんにちは、霧島まなクン」
輝かしい笑顔で、まなを見るくろねこ先輩
「は?・・・・・・あれ?なんで、あたし・・・・・・う?」
おろおろと事態のつかめないまな、ゆっくりと、あ〜る子が説明した
「はうー・・・・・・そうだったんですか」
「ごめんね、わざとじゃないのよ」
あ〜る子が申し訳なさそうに、まなに謝る、まなも気にした様子もないので
さらさらと許してしまった
「ごめんね、本当に・・・・・・あ、あたし買い出しいかないと・・・・」
と、あ〜る子がもう一度まなに、ごめんねのポーズを見せて出ていった
くろねこ先輩と、取り残され不安がる「まな」
「そんなに怯える必要はないよ・・・別に、とって食べたりするわけじゃないし・・・」
爽やかな笑顔が、すばらしい、きらきらと輝いている気がする
「あう・・・・あたしは・・・・・」
「もう少し休んでからの方がいいだろう、少し疲れみたいなものもあるようだし」
そしてくろねこ先輩が慣れた手つきで、ポットからお茶を出して、薦めた
「あう・・・・・あったかいです・・・・・」
「そうか、よかったよ」
どきどき、してる「まな」、みなつきさんとも、わーふさんとも違うと感じて、戸惑いが
あるのは確かだが、悪い人じゃないだろうなって思ってそれをすする
はうはうと、息をふきかけ、お茶をさましている、まな
「ふむ・・・・・・高馬クンと付き合ってるんだって?」
「はわ!・・・ち、ちが・・・う・・・・・と思います」
驚いたかと思ったら、急にしおれていった、その様子に驚くくろねこ先輩
「??・・・どうしたの?」
「・・・・・・・・なんでもないです、ごめんなさい」
にこっと、笑顔を返した、だがくろねこ先輩の目には、しっかりと何かをひた隠す
少女の顔が写っている・・・やれやれ、仕方ないな
「何かあるなら、話してみなよ・・・・・僕でよければの話だけどね」
きらり☆←歯が光る
「あ・・・・・・う・・・・・でも・・・・・」
普通の相手ならここで、すっぱり断れるのだが、くろねこ先輩の女心を揺さぶる笑顔
によって、常の時と違う「まな」おそるおそる、その思いの丈を語るコトにした
「今・・・・・・好きな人がいるんです」
「ふむふむ」
くろねこ先輩が、聞く体勢に入った
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「やっと出番か・・・・」
「ん?なんか言ったか?高馬?」
「なんでもない・・・・それより、お前から見て、俺とまなってやっぱ」
「うむ、付き合ってるとしか思えないな」
二人下校する中での会話だ、当利と二人、あれこれと話しながら帰っていく途中なのだが
少し気になった所を聞いてみた・・・・やっぱ、そうなのか・・・どうしたんだろう、この気分は
自分の中に処理しきれない複雑な気持ちがある
「ま、お前が違うってんだから、違うんだろう?」
「・・・ああ、そうだよ、うん」
納得させるように呟く俺、どうも、壊れてきたのは当利だけでないらしい
俺の中に複雑に渦巻く何かが芽生えてきてる・・・・これが・・・・・
「なあ、当利・・・・女の子を好きになったコトあるか?」
勇気を出して聞いてみた
「・・・・・・・ああ、あるぜ」
多くは語らない当利、ったく、もったいぶりやがって、お前の心は俺には透けて見えてるんだよ
「そうか・・・・・・・・・なあ、その時、どうした?その気持ちを」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
当利は黙りこくってしまった、俺もその沈黙の中をずっと待ち続けた
この手の話は、俺に興味がなかったせいもあるが、したことがなかった、いつも
くだらない話ばかりだったから、ある意味新鮮だ・・・・だが、まだ、早かったかなとも思う
「どうしたらいいんだろうな・・・」
重く閉ざした当利の口からその台詞が出た・・・それ以上は聞けなかった
まだ、二人とも初心者マークをがっちり背負ってる、それだけわかった
「ま、いいや、それより当利お前、最近なんで髭生やさないんだ?」
「あん?決まってるだろ・・・・・すきっと、爽やかな男を目指すためさ」
「は?・・・・・・・・ギャグ?」
がすがすがすがすがすがすっ・・・・・ま、こんなもんか、俺達は
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「わからないんです・・・・・どうしたらいいんですか?、私から告白した方がいいんですか?」
「ふむ」
保健室では、まなの話を実に真剣なまなざしでくろねこ先輩が聞いていた
「いや、ふむじゃなくて・・・・」
おろおろと、うろたえるまな。ゆっくりとくろねこ先輩が応える
「それは、僕が答えを出してはいけない・・・・うん、それはまなクン自身の力で解決するべきだよ」
「はう・・・・・・・・・・・・そうですよね」
まなが、ふっと、一息ついた・・・・・小さな身体だが、少ししっかりした強さが芽生えたような気がした
そうやって、女の子が成長するのを見るのがたまらなく好きなんだけどね(くろねこ先輩)
「どうも、すいません、突然こんなコト聞いてもらって・・・・」
「いや、いいさ・・・・応えてあげられなかったしね」
きらり☆(くどいかな?)
「ところで、あの、誰なんですか?」
ふと、気付いてまなが聞く、そう、この人初対面の上に、何も知らない・・・はわ、不注意だったにゃ
「ん?三年の、杉本くろねこ・・・・さりのちょっとした知り合いさ」
「さりねい様の?」
きょとんとした、顔でまなが聞き返す
「ああ、同級生ってだけかな?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「くしゅっ!!・・・・・・ふえ?何?誰?」
さり先輩が、突然台所でくしゃみをした・・・はて、何か悪いことしたかしら
「どうしたの?さり姉?」
後ろから、心配そうにあ〜る子が声をかける、ふむ、この二人の家は近所なのだ
だから、夕御飯を一緒に作って、おかずをわけあうコトがしばしばある
「なんでもないよ・・・・・あ、お醤油とってくれゆ?」
「あいあい」
二人の、女性がせせこましく台所で働いている、二人とも非常に慣れた手つき
そして似合うエプロン姿、しゃかしゃかと、作られていく夕飯
「ういーっす、姉さああああああんんんん」
ばぐっ!!!
「ぐはっ・・・・・・て、っち、いたのか、おまいまで」
「うるさいわね、何しに来たのよ」
そこに、見城が入ってきて簡単なつっこみ劇を見せる、それを見て楽しそうな顔を見せるさり先輩
「仲いいよねえ、二人とも♪」
「な、なんてコトいうんですか、先輩!!」
「そうっすよ、おいら、こんながさつで、なんともならないような酒飲みなんて」
がすっ!!
「うるさいわ!!」
「・・・・・・しかし、二人とも大変ねえ」
「は?」
「従兄妹同士っていっても、二人だけであの家に住んでるなんて」
夕飯の時間が近づいてくる